本記事は米国株の中でもロク(ROKU)に関する内容となっています。(https://www.roku.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- ロクとはどのような企業か?
- ロクの将来性は?
- 財務状況や取り扱っている証券会社は?
- ロクの配当金は?
ロクとは?
ロクは20カ国以上でテレビストリーミングプラットフォームを展開している企業です。
アメリカ、カナダ、メキシコではストリーミング再生時間では一位を記録。
特にアメリカなどの割高なケーブルテレビを除外して、ネットフリックスやYouTubeTV、アマゾンプライムビデオ、Disneyプラスといったような有名ストリーミングコンテンツを視聴できるデバイスやプラットフォームを展開しています。
デバイス製品としてはストリーミング再生ができるスマートテレビのRokuTVやRokuストリーミングスティック、Spotifyなどの音ストリーミングやRokuTVと関連して使用できるRokuワイヤレススピーカーなどを展開しています。
また、独自のOS、RokuOSを展開することでスマートテレビを定期的に更新。
そして、デバイスから繋げられる独自プラットフォームのRokuチャンネルがあり、パラマウントなどのパートナー企業が提供する広告付きで無料の8万以上の映画やテレビや限定タイトル、50以上のサブスクコンテンツにアクセスが可能。
また、中小企業向けに広告の展開がしやすいよう拡大しており、2021年にはショッピファイでのEコマースを展開している事業者がRokuのプラットフォームでの広告の購入や測定などがしやすい新しいツールを発表しています。
一方でスマートテレビなどのデバイス製品の多くは小売店のウォルマートやターゲット、ベストバイそしてEコマースを展開するAmazonなどを通して販売されています。
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競合企業
ロクの競合企業としてはネットフリックスやアマゾンプライムビデオ、YouTubeなどさまざまなストリーミングサービスをテレビで視聴できるFireTVを展開しているAmazonが挙げられます。
また、同じくストリーミング動画の視聴をテレビで行えるGoogleクロームキャストを展開しているGoogleやNVIDIAシールドTVなどを展開するエヌビディアがあります。
その他にもアップルやコムキャストなどといった企業が競合企業として挙げられます。
- Amazon
- エヌビディア
- アップル
- コムキャスト
ロクの将来性
ロクの将来性としては厳しい部分があるかと思われます。
理由としてはまず一つにメインのデバイスがテレビである点です。
確かに収益の中心となるアメリカでは無料のテレビ番組がほとんど無くケーブルテレビは高いという点からストリーミング動画サービスの方が優勢となりストリーミング動画サービスに対応したテレビに流れてきているという現状があります。
また、テレビの大画面でストリーミング動画サービスのコンテンツを見たいという一定の需要が存在するのは事実と言えるでしょう。
しかし、ストリーミング動画コンテンツはパソコンやタブレット、モバイル端末といった様々なデバイスで視聴が可能な中でロクのプラットフォームになるデバイスは基本的にテレビであり視聴の仕方が多様化している中ではやや偏っているのではないでしょうか。
そしてそんなデバイスが偏っている状況下の上に強力な競合企業が多い点です。
特にAmazonやGoogleなどといった企業は事業規模もロクよりも圧倒的に大きく、より多くのマーケティング費用を費やすことが可能で独自コンテンツの囲い込みやストリーミング事業者などへの交渉力もロクよりも強いです。
また、ロクはサービスを利用してもらうためにRokuTVやRokuストリーミングスティックなどの製品を購入してもらう必要がありますがEコマースでは競合であるAmazonを経由する場合も多く、製品販売でも不利な場面があります。
このような懸念点を踏まえるとロクの将来性としてはやはり難しい部分があるかと思われます。
財務状況
以下はロクの財務状況などを示しています。
営業利益
上記はロクの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示しています。
ロクの場合、2020年まではマイナスの推移をしていましたが、2021年になると大きく増加に転じていることがわかります。
EPS
上記はロクのEPSを示したものです。
EPSはおおよそ右肩上がりとなっているかが主な指標となります。
ロクの場合、2020年まではマイナスで推移し、2021年で大きく増加していることが見て取れます。
営業利益率
上記はロクの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ロクの場合、2020年まではマイナスの推移で2021には大きくプラスとはなりましたが、依然として一桁台であることが見て取れます。
自己資本比率
上記はロクの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上が目安とされています。
ロクの場合、全体として30%を大きく上回っており、しかも上昇傾向にあるため評価できる水準かと思われます。
営業活動によるCF
上記はロクの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
ロクの場合、2019年以降は大きく増加傾向にあり、評価できる推移かと思われます。
事業別収益
収益(千$) | 2021 | 2020 | 2019 |
プラットフォーム | 2284925 | 1267744 | 740776 |
プレーヤー | 479659 | 510644 | 388145 |
合計 | 2764584 | 1778388 | 1128921 |
上記はロクの事業別の収益を示したものです。
プラットフォームによる収益は広告の販売やサブスクリプションなどが含まれており、プレイヤーの方はスマートテレビなどのストリーミングプレイヤーの販売収益が含まれています。
配当金
現時点でロクは配当金を出していません。
現状配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ロクの競争面としては厳しい部分が多いですが、財務面としては改善している部分が多い点は特徴的なところです。
営業利益や営業活動によるCFが大きくマイナスからプラスへと大きく転換している点や自己資本比率が増加傾向にある点はやはり好感の持てるところでしょう。
ただし、ロクの収益は製品の販売や広告の販売であったりと不安定な部分が大きいです。
特に広告の販売は景気に左右される部分が大きく、今後も収益が順調に伸びていくかは疑問の余地が残ります。
一方で従来のテレビのように大企業だけでなく、ショッピファイなどで独自のEコマース店舗を出店しているような比較的小さな事業者、中小規模の事業者に向けても広告の購入などがしやすくなるツールを新しく発表していること。
このことはロクの収益となる広告の事業者の幅を広げられる点では良い施策と言えるのではないでしょうか。
とは言え、いずれにしても競合する市場の状況や広告事業の不安定さなど気になる点は多いといった印象です。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでロクの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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