本記事は米国株の中でもロビンフッド・マーケッツ(HOOD)に関するものとなっています。(https://robinhood.com/us/en/)
本記事はこのような疑問に答えます
- ロビンフッド・マーケッツとはどのような企業か?
- ロビンフッド・マーケッツの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ロビンフッド・マーケッツの配当金は?
ロビンフッド・マーケッツとは?
ロビンフッド・マーケッツは、金融サービスプラットフォームを展開している企業です。
アプリから手数料なしで米国株やETFに投資が可能でオプション取引や単数株取引、定額投資、IPO取引などのサービスを展開しています。
また、手数料無料で仮想通貨取引も可能でビットコインやイーサリアム、ドージコイン、ビットコインSV、ライトコイン、イーサリアムクラシックなどを取引可能。
その他にも厳選されたビジネスニュースが配信されるロビンフッドスナックやウォール・ストリートジャーナル、ロイターなどの無料記事にアクセスできるニュースフィード、幅広い金融教育にアクセスできるロビンフッドLearnなども展開しています。
加えて、ロビンフッドゴールドというサブスクリプションサービスも展開しており、約1000株にも及ぶ詳細な株式調査レポートへのアクセスや特定の株式やオプションの注文の詳細を確認できたり、より高い証拠金投資へのアクセスが可能です。
また、直近では年次総会での質問や株主の代理投票など投資家が投資する企業と交流できるコミュニケーションプラットフォームを構築しているSayTechnologiesを買収しています。
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競合企業
ロビンフッドの競合企業としては個人投資家向けに株式や投資信託などのオンライン取引を展開していたETRADEを買収したモルガン・スタンレーや米国のオンライン証券であるTDアメリトレードが挙げられます。
また、仮想通貨の取引所を展開しているコインベースや株式や仮想通貨取引などができるプラットフォームを展開しているWebullなどが挙げられます。
- モルガン・スタンレー
- TDアメリトレード
- コインベース
- Webull
ロビンフッド・マーケッツの将来性
ロビンフッド・マーケッツの将来性としては不安定な部分があるかと思われます。
まず一つ目の理由としては、収益の大部分がPFOFによる手数料に依存している点が挙げられます。
ロビンフッドの大きな魅力の一つは手数料無料で個人が取引できる点にありますが、個人向けが手数料が無料な分、他から収益を得る必要があります。
そこでロビンフッドが収益の大半を得ているのがPFOFからの手数料でこのPFOFは手数料無料の証券会社が機関投資家など高速かつ大量に取引する業者に注文を回すことで証券会社が手数料を得る仕組みです。
ただ、このPFOFは少額の個人投資家などが最良の価格で取引できないことや透明性が低いといった問題が指摘されています。
実際にPFOFに対して規制を行っている国もあり、また米国でもSECは直近ではPFOFに対しての禁止はしない方針を示しているものの、PFOFへの規制の強化は図る可能性を示しています。
PFOFへの規制を強化されると収益の大半をPFOFから得ているロビンフッドが収益的に影響を受ける可能性は高いですし、また仮にPFOFの禁止が再燃し禁止の方向に進めば手数料無料というビジネスモデル自体も大きく転換を迫られる可能性は高いでしょう。
もう一つの理由としては、小規模な個人投資家が多い点です。
ロビンフッドは手数料無料で若者や初心者など比較的小規模な投資家が中心で経済基盤的としては比較的弱い人が多いと思われます。
そのため、一般的な投資家層よりも高インフレ下で生活費などに充てるために株式などを売却し、出金される可能性が高く、全体的な取引量が他の証券会社などよりも大きく減る可能性が考えられます。
そうするとPFOFでの注文を回すことによる手数料も減り、収益が減る可能性が高いです。
この点で小規模な個人投資家が多いロビンフッドは他の証券会社よりも経済状況の影響を受けやすく収益的に不安定な状態が続くのではないかと思われます。
これらの点を鑑みるとロビンフッドの今後としては不安定要素が多いと言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はロビンフッド・マーケッツの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はロビンフッド・マーケッツの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ロビンフッド・マーケッツの場合、2020年には一時的にプラスに転換したものの、その後は再びマイナスとなっていることが見て取れます。
EPS
上記はロビンフッド・マーケッツのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ロビンフッド・マーケッツの場合以前としてマイナスですがマイナス幅は大きく縮小していることが見て取れます。
営業利益率
上記はロビンフッド・マーケッツの営業利益率を示したものです。
営業利益率はおおよそ10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
ロビンフッド・マーケッツの場合2020年を除き全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はロビンフッド・マーケッツの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すものでおおよそ30%以上が目安とされています。
ロビンフッド・マーケッツの場合、2021年にはプラスに転換していますが、2020年には30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はロビンフッド・マーケッツの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFはおおよそ企業の手元現金の推移を示すものです。
ロビンフッド・マーケッツの場合、2021年では一転してマイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はロビンフッド・マーケッツの事業別の収益を示したものです。
収益(千$) | 2019 | 2020 | 2021 |
取引ベース収益 | 170831 | 720133 | 1402350 |
利息収入 | 70639 | 177437 | 256962 |
その他収益 | 36063 | 61263 | 155831 |
合計 | 277533 | 958833 | 1815143 |
配当金
現時点でロビンフッド・マーケッツは配当金を出していません。
ロビンフッド・マーケッツが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ロビンフッド・マーケッツは手数料を無料に若者など小規模な個人投資家が顧客の中心となっているため、正直なところロビンフッドで取引されている株式や暗号資産などは泡銭で運用されている感が否めません。
例えば、2020年は営業利益を大きく下げた企業が多かった中、ロビンフッドの場合、営業利益を一時的にプラスに転換させていますが、これは景気刺激策などのために米国が給付金を出したことがロビンフッドでの取引を加速させた要因と言えるでしょう。
つまり、単に給付金、金融緩和があって市場に資金が溢れており、小規模な投資家にも余裕があったからにすぎません。
今後、インフレやインフレ退治のための利上げが続けば、若者などを中心とした小規模投資家は資金的な余裕はなくなり、泡銭は消えていく可能性は高くロビンフッドにとっては厳しい状況が続くでしょう。
また、このような直近の厳しい状況にもかかわらず大株主であったFTXの事件及び破産でFTXが保有していた大量のロビンフッド株が差し押さえられ、債権者のために売られる可能性があり、それをカバーするために株式の買い戻しを発表しています。
しかし、現状では営業活動によるCFがマイナスであることからもわかる通り、現金が出ていっている状態であるにもかかわらず、さらに資金をすり減らすような買い戻しを行えるような余裕がどこにあるのか疑問が残るところでしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でロビンフッド・マーケッツの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
sbi | 有 |
マネックス | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
DMM | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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