今回は米国株の中でもアーキット・クォンタム(ARQQ)に関する内容となっています。(https://arqit.uk)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アーキット・クォンタムとはどのような企業か?
- アーキット・クォンタムの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アーキット・クォンタムの配当金は?
アーキット・クォンタムとは?
アーキット・クォンタムは、量子コンピュータからの攻撃対策のサイバーセキュリティ技術を開発している企業です。
主な技術としては低コストで利便性が高く、壊れないソフトウェア暗号化キーを作成するサービスとしてのソフトウェアプラットフォーム、QuantumCloudを開発しています。
現在のウェブサイトやオンラインセキュリティでは、公開鍵暗号方式をベースとしたセキュリティ、PKIが広く使用されています。
しかし、公開鍵暗号方式をベースとしたPKIは量子コンピュータなどを活用した攻撃に脆弱性があります。
一方で対象暗号化キーと呼ばれるセキュリティ方法は、量子コンピュータなどの攻撃からの安全性も高い方法ですが、安全な鍵の配布方法などで問題があります。
そこでアーキット・クォンタムは、QuantumCloudを活用してエンドポイントで対象暗号化キーを作成、そのため配信、傍受されることなく安全に量子コンピュータにも強い対象暗号化キーを提供できるセキュリティ技術を開発しています。
現在の顧客には英国政府や欧州宇宙機関、住友商事、ヴァージン・オービットなどが顧客として存在します。
また、AWSやフォーティネット、Dellなどとはチャネルパートナーシップを発表しています。
ちなみに以前はセキュリティキーの配信に衛星を活用した方法が進められていましたが現在は売却が進んでいます。
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競合企業
アーキット・クォンタムの競合企業としては、ポスト量子セキュリティ技術を開発しているIBMや対象暗号化セキュリティ技術の開発、研究を行っているGoogleがあります。
また、同じく対象暗号化セキュリティの開発を進めているマイクロソフトやAWSでKMSなどを提供しているAmazonなどがあります。
- IBM
- マイクロソフト
- Amazon
アーキット・クォンタムの将来性
アーキット・クォンタムの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては量子コンピュータの急速な商用化の進行が挙げられます。
現状、量子コンピュータの市場はまだまだ未成熟な部分はあるものの、IBMQuantumExperienceやマイクロソフトAzureQuantumなど量子コンピュータをクラウドベースで個人や企業が利用できるサービスなどの展開も進んでいます。
そのため、量子コンピュータの個人や企業の利用は今後ますます増加してくることが考えられますが、必然的に量子コンピュータの悪用リスクも高まります。
一方で量子コンピュータの悪用されるリスクが高まると量子コンピュータへのPKIなど従来のセキュリティでは脆弱性などの問題があります。
その点でアーキット・クォンタムが展開するQuantumCloudの対象暗号化キー提供、つまり、量子コンピュータの攻撃から守る高いセキュリティの導入が今後の量子コンピュータの利用の拡大によってよりいっそう高まることが期待できるのではないでしょうか。
もう一つの理由としてはアーキット・クォンタムのセキュリティソリューションの導入のしやすさが挙げられます。
例えば、QuantumCloudは顧客のプラットフォームに追加のハードウェアや余分なインフラストラクチャが無く、展開ができサーバーから自動車、スマホなどといったエンドポイントに導入できます。
また、基本的に自動でキーを作成するため情報処理や人間の分析無しに運用が可能で、運用コストも低く抑えられます。
この導入のしやすさや運用コストの低さの点で今後の量子コンピュータの普及が進んだ場合のセキュリティ強化の展開のしやすさという点で評価できるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとアーキット・クォンタムの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
アーキット・クォンタムの今後に対する期待度
以下はアーキット・クォンタムの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアーキット・クォンタムの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアーキット・クォンタムの財務状況などを示したモノです。
営業利益
上記はアーキット・クォンタムの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アーキット・クォンタムの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
営業利益率
上記はアーキット・クォンタムの営業利益率を示したものです。
営業利益率はおおよそ10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
アーキット・クォンタムの場合、大きくマイナスが縮小していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はアーキット・クォンタムの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
アーキット・クォンタムの場合、2022年は大きく30%を上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はアーキット・クォンタムの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アーキット・クォンタムの場合、マイナスが拡大しているのが見て取れます。
配当金
現時点ではアーキット・クォンタムは配当金を出していません。
現状、アーキット・クォンタムが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
アーキット・クォンタムは、2020年以前は収益をあげられていませんでしたが、2021年以降は収益の拡大が続いています。
これに関しては、商用の量子コンピュータの使用が拡大していることそしてそのセキュリティー対策が急務になってきていることが伺えます。
実際に直近ではアーキット・クォンタムのQuantumCloudはAmazonのAWSS3との統合やフォーティネットの次世代ファイアウォール製品であるFortiGateとの統合がなされています。
また、イギリス政府やオーストラリア政府向けにセキュリティサービスを提供しているAUCloudとの合意や米国政府、その他防衛、諜報機関との議論が進められています。
企業の顧客以外にも政府や公的機関などへも市場機会が広がっており、量子コンピュータの利用拡大やQuantumCloudの統合しやすさも相まって今後も需要の拡大は期待できるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアーキット・クォンタムの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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