今回は米国株の中でもライベント(LTHM)に関するものとなっています。
本記事はこのような疑問に答えます。
- ライベントとはどのような企業か?
- ライベントの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ライベントの配当金は?
ライベントとは?
ライベントはFMCからスピンオフし、主にリチウム化合物を製造、展開している企業です。
主な製品としては水酸化リチウムやブチルリチウム、高純度リチウム金属及びその他特殊化合物、炭酸リチウムや塩化リチウムなどを展開しています。
水酸化リチウムは主に電気自動車用のバッテリーや携帯用のエネルギー貯蔵が必要な軍用機器や電動工具などに使用されています。
一方でブチルリチウムはポリマー開始剤として農薬や医薬品の合成用途で使用されています。
また、高純度リチウム金属及びその他特殊化合物はリン酸リチウムや医薬品グレードの炭酸リチウム、高純度塩化リチウム、特殊有機物理が含まれており、社内で使用されない炭酸リチウムや塩化リチウムは様々な用途で顧客に提供されています。
主要製品の原料となるリチウムは主に採掘権を有するアルゼンチンの子会社の事業から入手しており、2023年から40年間の炭酸リチウム生産スケジュールが予定されています。
また、カナダのケベック州では鉱山の探索活動が進められています。
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競合企業
ライベントの競合企業としてはリチウム化合物や炭素化合物などを取り扱っているAlbemarleや中国に拠点を置き、リチウム鉱石の探索や抽出、製品化などを行っているGanfengLithiumがあります。
また、鉱物資源の採掘や製造を行い、主にリチウムや窒素などの製品を生産しているチリの国営企業であるSQMやリチウム資源の採掘、生産に特化しているTianqiLithiumなどが挙げられます。
- Albemarle
- GanfengLithimu
- SQM
- TianqiLithium
ライベントの将来性
ライベントの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはリチウム化合物の需要の増加が挙げられます。
例えば、ライベントの主要製品である水酸化リチウムはリチウムイオン電池の主要な原料の一つですが、そのリチウムイオン電池を必要とするEVは急速に普及してきており、ブルームバーグNEFによると2030年には3900万台にまで達することが予測されています。
その急速なEVの普及によりリチウムイオン電池の主要原料となる水酸化リチウムの需要増加が見込まれます。
また、発電における脱炭素化が進む中で太陽光や風力発電が増加してきていますが、天候や季節などの影響を受けやすく発電が不安定化しやすいため、これらの発電はエネルギー貯蔵システムと組み合わせて導入されています。
そのエネルギー貯蔵システムの部分にも蓄電のためにリチウムイオン電池が活用されています。
よって今後のEVや脱炭素化の流れにより、ライベントの主要製品であるリチウム化合物の需要は増加する可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としてはリチウム原料の供給が限られている点が挙げられます。
例えば、リチウム化合物市場に新たに参入しようとしても、原料となるリチウムの供給には偏りがあり、この供給の少なさ自体が参入障壁となっている部分があります。
一方でライベントはアルゼンチンの事業において持続的かつ業界の中でも最も低コストの一つのリチウム源を確保しています。
その点でリチウムの供給は限られる中、新規参入のみならず現状の競合に対しても優位な点があると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとライベントの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
ライベントの今後に対する期待度
以下はライベントの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うライベントの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はライベントの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はライベントの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ライベントの場合、2020年以降上昇傾向にあり、2022年は特に大きく増加していることがみて取れます。
EPS
上記はライベントのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ライベントの場合、2020年以降右肩上がりに転換していることが見て取れます。
営業利益率
上記はライベントの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ライベントの場合、2020年は一時的にマイナスの値まで悪化しましたが、2022年には15%を大きく超える水準になっていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はライベントの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ライベントの場合、全体として60%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はライベントの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ライベントの場合、2022年に大きく増加していることが見て取れます。
事業別収益
以下はライベントの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
水酸化リチウム | 415.5 | 208 | 157.5 |
ブチルリチウム | 277.7 | 105.4 | 87.1 |
高純度リチウム金属 及びその他特殊化合物 | 50.9 | 36.9 | 31.7 |
炭酸リチウムと塩化リチウム | 69.1 | 70.1 | 11.9 |
合計 | 813.2 | 420.4 | 288.2 |
配当金
現時点でライベントは配当金を出していません。
現状ライベントが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
現状、EV化や脱炭素の流れが進むほどライベントの展開する水酸化リチウムなどのリチウム化合物の需要が高まる可能性は高いと言えるでしょう。
しかし、リチウムに関してライベントにとってはむしろメリットとなる可能性が高いですが、需要に対して供給が追いついていない部分があります。
その供給が追いついていない部分を解消するために新たな電池、ナトリウムイオン電池の開発が進められており、リチウムイオン電池への脅威となる可能性が考えられます。
理由としてはナトリウムイオン電池に使用されるナトリウムはリチウムと比較して世界中幅広く、潤沢に存在しているため、安価な材料で製造することができるからです。
しかし、現状リチウムイオン電池と比較するとナトリウムイオン電池はエネルギー密度が低いという課題も抱えており、ナトリウムイオン電池はリチウムイオン電池の補完的な位置付けがされています。
ただし、今後ナトリウムイオン電池のエネルギー密度の問題が改善された場合、より安価な材料で展開できるナトリウムイオン電池の方が主流となることも考えられます。
その点でリチウム化合物を展開するライベントにとってナトリウムイオン電池の動向が現状の一番の懸念点だと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でライベントの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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