本記事は米国株の中でもリ・サイクル・ホールディングス(Li-Cycle Holdings Corp)に関するものとなっています。(https://li-cycle.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- リ・サイクル・ホールディングスとは?
- リ・サイクル・ホールディングスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- リ・サイクル・ホールディングスの配当金は?
リ・サイクル・ホールディングスとは?
リ・サイクル・ホールディングスは、リチウムイオン電池のリサイクルを行っている企業です。
独自のスポーク&ハブと呼ばれるリサイクルプロセスを開発、展開しています。
スポークでは使用済みのバッテリーやバッテリー製造スクラップを処理して金属や非金属など不純物が混じった中間体、黒色塊を生成。
そしてハブにより、黒色塊を処理して硫酸ニッケルや炭酸リチウム、硫酸コバルトなどの電池材料の製造の開発、展開を行っています。
現在主に展開されているのはオンタリオやニューヨーク、アリゾナ、アラバマで主に北米の4つのスポークが運営されています。
また、ニューヨーク州のローチェスターで最終的に年間4万2000〜4万8000トンの硫酸ニッケル、年間7500〜8500トンの炭酸リチウム、年間6500〜7500トンのコバルトの生産が期待される最初の商業規模のハブの開発を行っています。
その他にも2023年にはドイツで、2024年にはフランスやノルウェーでのスポークの運営が予定されています。
現状の収益は、使用済みのバッテリーを処理した黒色塊の販売から得ており、今後ローチェスターのハブが稼働することで炭酸リチウムや硫酸ニッケル、硫酸コバルトなどからの収益が認識されることが期待されています。
主な顧客としては北米地域において金属鉱物資源の調達や販売を行っているTraxysがあり、生成した黒色塊の販売を行っています。
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競合企業
リ・サイクル・ホールディングスの競合企業としては、貴金属やレアメタルのリサイクルを行っているユミコアやリチウムイオンバッテリーのリサイクル技術を開発しているRecupylが挙げられます。
また、北米でリチウムイオン電池のリサイクルに関わるRetrievやリチウムイオンバッテリーからリサイクルを行っているRecycLiCoなどが挙げられます。
- ユミコア
- Recupyl
- Retriev
- RecycLiCo
リ・サイクル・ホールディングスの将来性
リ・サイクル・ホールディングスの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
理由としてはまず、従来のリチウムイオン電池のリサイクルに比べて高いリサイクル率を実現できることが挙げられます。
例えば、従来のリチウムイオン電池のリサイクル工程では高温で加熱して不純物の除去を行いますが、この場合回収率が低いことやプラスチックを燃焼することで有害物質が発生するなどの問題があります。
一方でリ・サイクル・ホールディングスのリサイクル方法では独自の方法でリチウムイオン電池を分解、破砕し、黒色塊にしてから金属資源を回収します。
そのため、高温度の燃焼が必要なく、有害物質の発生を抑えられる上に資源回収率を高めることが可能となっています。
よってリ・サイクル・ホールディングスのリチウムイオン電池のリサイクル方法は、従来のリサイクル方法に比べて優位性があると言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、リチウムイオン電池のリサイクルに対する需要の高まりが挙げられます。
例えば、今後需要が増えるであろうEVや再生可能エネルギーに関連する貯蔵システムなどではリチウムやコバルト、ニッケルが使用され需要が増す可能性が高いですが、レアメタルと評される希少金属で供給が限られている部分があります。
その点で需要は増加しつつあるが、供給の限られるリチウムイオン電池の希少金属はリサイクルの必要性は可能性は高いと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとリ・サイクル・ホールディングスの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
リ・サイクル・ホールディングスの今後に対する期待度
以下はリ・サイクル・ホールディングスの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うリ・サイクル・ホールディングスの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はリ・サイクル・ホールディングスの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はリ・サイクル・ホールディングスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
リ・サイクル・ホールディングスの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS
上記はリ・サイクル・ホールディングスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
リ・サイクル・ホールディングスの場合、マイナス幅は大きく減少していることが見て取れます。
営業利益率
上記はリ・サイクル・ホールディングスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
リ・サイクル・ホールディングスの場合、全体としてマイナスの値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はリ・サイクル・ホールディングスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示したもので30%以上が目安とされています。
リ・サイクル・ホールディングスの場合2021年以降、30%を大きく上回る水準で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はリ・サイクル・ホールディングスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
リ・サイクル・ホールディングスの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
配当金
現時点でリ・サイクル・ホールディングスは配当金を出していません。
リ・サイクル・ホールディングスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
現状、リ・サイクル・ホールディングスの営業利益や営業活動によるCFはマイナスの拡大が続いており、現金が流出している状態が続いています。
しかし、これに関してはローチェスターでのハブやドイツやフランスでのスポークなどに現状、新たな建設や開発に費用がかかっているため、仕方ない面もあると言えるでしょう。
一方でリ・サイクル・ホールディングスは、収益の大半を黒色塊の状態での販売に依存しており、特に少数顧客からの収益に依存しています。
今後、ローチェスターのハブの運転が始まることで外部への黒色塊の販売、処理から黒色塊を企業内部での処理に移行していくことが進められています。
そうすることで引き取り手の限られる黒色塊の販売から比較的引き取り手の多い炭酸リチウムや硫酸ニッケルなどの販売が増加し、少数顧客からの収益の依存も脱却できる可能性は高いかと思われます。
どちらにせよリ・サイクル・ホールディングスの今後としてはローチェスターのハブの稼働が順調に進むかどうかが重要な注目部分だと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でリ・サイクル・ホールディングスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
PayPay | 無 |
DMM | 無 |
松井 | 無 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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