今回は米国株の中でもバード・グローバル(BRDS)に関する内容となっています。(https://www.bird.co)
本記事はこのような疑問に答えます
- バード・グローバルとはどのような企業か?
- バード・グローバルの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- バード・グローバルの配当金は?
バード・グローバルとは?
バード・グローバルは電動自転車や電動スクーターの共有サービスを展開している企業です。
主に米国やカナダ、ヨーロッパ、中東、オーストラリアの350の都市で利用可能でAndroidやiOSの両方で展開しているアプリをダウンロードすることで30分前までの予約などもでき、QRコードによるスキャンや手動によるコード入力で車両にアクセスできます。
出典:Bird Global,Inc Annual Report
貸し出している車両は電動スクーターや電動自転車があり、電動スクーターは下記のように機能や寿命によって種類が分かれています。
出典:Bird Global,Inc Annual Report
例えば、上記の一番右側のBirdSには速度制限やアラーム音、転倒検出などの機能が備わっています。
主な収益としては、利用者が車両のロックを解除するときのロック解除料金やロック解除から貸し出しの1分毎にかかる料金からとなっています。
また、小売顧客に対しては車両の販売も行っています。
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競合企業
バード・グローバルの競合企業としては、電動スクーターの共有サービスを展開しているLimeやヨーロッパを中心に電動スクーターの共有サービスを展開しているTierがあります。
また、ライドシェア事業のほかに電動スクーターや電動自転車の共有サービスも行っているリフトやヨーロッパを中心に電動自転車、電動スクーターの貸し出しを行っているVOIなどが挙げられます。
- Lime
- Tier
- リフト
- VOI
バード・グローバルの将来性
バード・グローバルの将来性としては厳しい部分があると言えるのではないでしょうか。
まず一つ目の理由としては過当競争が懸念される点が挙げられます。
例えば、電動スクーターや電動自転車の需要は高まってはいますが、比較的車両が安価で手に入りやすく参入障壁が低い部分があります。
また、電動スクーターや電動バイクの性質上、都市部での比較的短時間での貸し出しがメインであるため消費者も近くで手軽に使えるものを借りる可能性が高く、品質による差別化はしにくい可能性は高いです。
そのため、参入障壁が低く新規参入事業者が続々と参入してくる中で製品での差別化しにくいとなると過当競争になる可能性が高いと言えるでしょう。
次に2つ目の理由としては、バード・グローバル自体が車両を保有していることが挙げられます。
例えば、電動スクーターや電動バイクの貸代サービスはライドシェアや民泊のシェアリングエコノミーと違いその企業自体が基本的に車両を保有しています。
貸代サービスでの車両を保有するメリットは、品質管理の行き届きやすさや品質での差別化をしやすい点ですが、電動スクーターや電動バイクは料金体系が1分毎からも分かる通り比較的短時間での貸代しでそのメリットは享受しにくいです。
一方で貸し出し用の電動スクーターや電動バイクの車両はもともとの耐久年数が低いことや頻繁に充電が繰り返されることでバッテリーの劣化が通常よりも早いなどのデメリットがあります。
その点でウーバーなどの自社で車両を保有していないシェアリングエコノミーと比較して、車両を保有するバード・グローバルのような貸し出しサービスは規模を拡大すればするほど保有している車両の定期的な交換などの維持費が重くのしかかることになります。
そのため、自社で保有していないシェアリングエコノミーに比べて電動スクーターや電動バイクの貸し出し事業は利益率の低い業態となる可能性が高いと言えるでしょう。
これらの点を踏まえるとバード・グローバルの将来性としては厳しい部分があると言えるのではないでしょうか。
バード・グローバルの今後に対する期待度
以下はバード・グローバルの今後に対する期待度を示したものです。
期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うバード・グローバルの今後に対する期待度に対して投票してみて下さい。
財務状況
以下はバード・グローバルの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はバード・グローバルの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
バード・グローバルの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS
上記はバード・グローバルのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
バード・グローバルの場合、全体としてはマイナスですがマイナス幅は縮小していることが見て取れます。
営業利益率
上記はバード・グローバルの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
バード・グローバルの場合全体としてマイナスの値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はバード・グローバルの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示したもので30%以上がおおよその目安とされています。
バード・グローバルの場合、2022年では大きく下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はバード・グローバルの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
バード・グローバルの場合、全体としてはマイナスで推移していますが、マイナス幅は縮小していることが見て取れます。
事業別収益
以下はバード・グローバルの事業別収益を示したものです。
収益 | 2022 | 2021 |
共有サービス | 231334 | 172729 |
商品販売 | 13326 | 17815 |
合計 | 244660 | 190544 |
配当金
現時点でバード・グローバルは配当金を出していません。
バード・グローバルが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
バード・グローバルの展開する共有の電動スクーターや電動自転車事業はまだ現状普及段階と言え、この事業自体が広がる余地はあると言えるでしょう。
ただし、この共有の電動スクーターや電動自転車自体が一過性のブームに終わる可能性も捨てきれない部分です。
仮に一過性のブームでなかったとしても、共有の電動スクーターや電動自転車事業は参入障壁が低く、後から競合も入ってきやすいため、必ずしも先に市場に参入していたバード・グローバルが優位な位置にあるとも言い難いです。
そのため、より資金力を持った新規参入企業が現れた場合、不利になる可能性は高いです。
また、共有の電動スクーターは自転車よりも速度が出るため事故が多発している点やパリなどでは放置される電動スクーターが問題となっている点など市民から反感を買いやすく、今後規制強化の動きが強まり、事業に支障がをきたす可能性もあり得るでしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でバード・グローバルの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 無 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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