今回は米国株の中でもマイクロンテクノロジー(MU)に関するものとなっています。(https://www.micron.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- マイクロンテクノロジーとはどのような企業か?
- マイクロンテクノロジーの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- マイクロンテクノロジーの配当金は?
マイクロンテクノロジーとは?
マイクロンテクノロジーは、メモリやストレージ分野を中心として扱っている半導体企業です。
主な製品としてはDRAM製品、デジタル情報を一時的に格納する半導体メモリチップで高速のデータ検索、電源が失われると内容が失われる揮発性を兼ね備えたDRAMやより小型化、省電力化したLPDRAMを展開。
DRAMは主にクラウドサーバーやネットワーキング、グラフィックス、産業、自動車市場向けに使用され、LPDRAMはより小型のスマートフォンやChromebookといったノートパソコンなどにも使用されています。
また、NAND製品、データを永続的に保存する非揮発性の半導体記憶装置のNANDや比較的小容量のデータを保存するための低密度のNAND、従来のNANDと異なり、フラッシュメモリとコントローラーチップが一体化することでより消去や書き込みが簡易化したマネージドNANDを展開。
NANDは企業や消費者向けのSSDやリムーバブル市場向け。
低密度のNANDは自動車やプリンタ、オートメーションなどの市場向けに展開されており、マネージドNANDはモバイルや自動車、組み込み市場向けに展開されています。
加えて、高速なデータ読み取りが特徴的でより小規模なデータストレージに使われる非揮発性の半導体記憶装置、NOR製品を扱っています。
NOR製品は主に自動車や産業、民生用アプリケーション向けに使用されています。
主な製造施設はシンガポールや台湾、日本、米国、中国、マレーシアにある自社製造施設で製造し、一部下請け事業者も活用しています。
また、基本的にマイクロンテクノロジーの製品は300mmウェハーで製造されています。
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競合企業
マイクロンテクノロジーの競合企業としては、NANDなどフラッシュメモリ製品を扱っているキオクシアホールディングスやDRAMやNANDフラッシュメモリなどを扱うSKハイニックスが挙げられます。
また、DRAMやNANDフラッシュメモリ製品なども扱うサムスンやメモリ事業を撤退させているものの、依然として競合にあるインテルなどがあります。
- キオクシアホールディングス
- SKハイニックス
- サムスン
- インテル
マイクロンテクノロジーの将来性
マイクロンテクノロジーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはAIの興隆によるDRAM需要の増加が期待できる点が挙げられます。
例えば、現在特に画像や文字などといった生成系AIが興隆していますが、生成系AIは大規模なデータセットやモデルパラメータに高速にアクセスする必要性があります。
また、AIの機械学習の手法の一つでデータセットを一度に処理するのではなく、分割して処理するミニバッチ処理やパラメータの保持、推論時のデータ処理といった部分で高性能なメモリが必要とされます。
この点でDRAMは高速かつデータのランダムなアクセスや大容量なメモリを提供することで上記のような生成系AIに求められる要件に対応しています。
そのため、生成系AIが興隆してくることでDRAMの需要が増すことが期待でき、マイクロンテクノロジーが展開しているDRAMの需要も増してくることが期待できるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、マイクロンテクノロジーがDRAM市場で先端的地位を維持していることが挙げられます。
実際にマイクロンテクノロジーは2021年に量産化を開始し、市場でのリードを確立した1αDRAM製品から直近では再び1αDRAM製品と比較して電力効率が15%、容量密度が35%上昇した世界最先端の1βDRAMの量産化を開始しています。
DRAM市場は現状、寡占化している状況が続いていますが先端的地位の維持により、競合に一歩抜きん出ることができる可能性があると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとマイクロンテクノロジーの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
マイクロンテクノロジーの今後に対する期待度
以下はマイクロンテクノロジーの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うマイクロンテクノロジーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はマイクロンテクノロジーの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はマイクロンテクノロジーの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
マイクロンテクノロジーの場合、2020年以降増加傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はマイクロンテクノロジーのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
マイクロンテクノロジーの場合、右肩上がりとはなっていないことが見て取れます。
営業利益率
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上記はマイクロンテクノロジーの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
マイクロンテクノロジーの場合、2020年以外は基本的に15%を大きく超える水準であることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はマイクロンテクノロジーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
マイクロンテクノロジーの場合、全体として30%を大きく上回る水準であることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はマイクロンテクノロジーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
マイクロンテクノロジーの場合、2020年以降増加傾向にあることが見て取れます。
配当性向
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上記はマイクロンテクノロジーの配当性向を示したものです。
マイクロンテクノロジーの場合、一桁台で推移していることが見て取れます。
事業別収益
下記はマイクロンテクノロジーの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
CNBU | 13693 | 12280 | 9184 |
MBU | 7260 | 7203 | 5702 |
EBU | 5235 | 4209 | 2759 |
SBU | 4553 | 3973 | 3765 |
その他 | 17 | 40 | 25 |
合計 | 30758 | 27705 | 21435 |
配当金
以下はマイクロンテクノロジーの直近の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 0.445$ |
2021 | 0.2$ |
コメント・考察
長期的には生成系AIなどのAIの興隆によってマイクロンテクノロジーのDRAM製品といった需要は高まる可能性は高いと言えるでしょう。
ただし、短期的にはマイクロンテクノロジーが米中対立の煽りを受けて中国からマイクロンテクノロジーの製品の調達禁止が名指しでなされるなどサプライチェーンや収益的には問題を抱えている部分があります。
実際にこうした措置での直接的な影響は限定的であるとの証言もあるが、マイクロンテクノロジーの2022年時点の顧客の本拠地に基づく中国本土の収益割合は全体の10.76%分に上るため、全体の1割程度には影響が出ると見積もるのが的確なのではないでしょうか。
また、現状スマホやパソコンでのメモリチップの需要低迷、供給過多の問題から生産の削減や広島の工場などマイクロンテクノロジーの世界的な工場での人員削減などが進んでいます。
そのため、長期的にはAIによる需要などが期待できますが、短期的には政治的なリスクや供給過多で厳しい状況が続くかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでマイクロンテクノロジーの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
松井 | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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