今回は米国株の中でもCVSヘルス(CVS)に関するものとなっています。(https://www.cvshealth.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- CVSヘルスとはどのような企業か?
- CVSヘルスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- CVSヘルスの配当金は?
CVSヘルス(CVS)とは?
CVSヘルスはヘルスケアサービス、ソリューションを展開している企業です。
主に9000以上の小売店や1100以上のウォークイン、健康保険、その他幅広いヘルスケア事業を展開しています。
事業としては主に4つ存在し、ヘルスケア福利厚生や薬局サービス、小売,LTC、企業,その他事業を展開しています。
ヘルスケア福利厚生事業では健康給付の自己保険を選択する特定の雇用主への医療ストップロス保険の提供やアメリカ連邦政府とのCMS契約による高齢者や障害者向けの公的医療保険プログラムや低所得者などを対象とした医療支援プログラムなどを提供しています。
次に薬局サービス事業では処方箋の調達や供給管理、薬価の交渉、割引、利用評価などに関わるPBMや約4万のチェーン薬局で構成される6万6000の小売薬局ネットワークの維持、通信販売薬局、専門薬局の運営、輸液、臨床、疾患管理サービスなどを提供しています。
また、小売,LTC事業では処方薬や健康製品、雑貨の販売、1100以上のMinuteClinicウォークイン診療所の運営して医療診断や検査や予防接種の管理、長期ケア薬局などを展開しています。
そして企業,その他事業では大規模な年金や介護保険商品などCVSヘルスが新規顧客募集を行わなくなった製品などが含まれています。
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競合企業
CVSヘルスの競合企業としては薬局チェーン店を展開しているウォルグリーン・ブーツ・アライアンスやオンライン薬局などを展開しているAmazonが挙げられます。
また、公的医療保険プログラムや医療支援プログラムなどの健康保険サービスを提供しているユナイテッドヘルスや医薬品、薬局サービスを展開しているPharMericaなどがあります。
- ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス
- Amazon
- ユナイテッドヘルス
- PharMerica
CVSヘルスの将来性
CVSヘルスの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはPBMを自社保有している点が挙げられます。
例えば、CVSヘルスはCVSCaremarkというPBM事業を運営しており、医薬品の価格交渉を行ったり、処方箋の管理や医薬品関連のデータを扱ったりしています。
PBMを自社で保有することで医薬品メーカーや卸売業者との直接医薬品価格の交渉を行えることやリベート、割引の活用ができ医薬品価格のコスト削減が可能となること。
そして、PBMが多くの医薬品データを扱うことでより効果的な医薬品の使用傾向やコスト分析などのデータ活用がしやすくなるといったメリットがあります。
競合のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスなど大手の薬局チェーンでもPBMを自社で保有していない企業がいる中でPBMを自社保有するCVSヘルスはPBMを直接持たない競合と比べて価格交渉やデータ活用の面などで優位性があると言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては米国の公的保険プログラムを提供するCMSとの提供契約挙げられます。
実際にCVSヘルスはCMSとの契約を通して健康保険プログラムのメディケアやメディケイドも提供しています。
このような公的健康保険プログラムに参入することは連邦政府との契約により安定的な収益源を持つことができることやより広範な市場にアクセスすることができることでメリットがあると言えます。
この点でより薬局という小売に傾斜する競合よりも収益面での安定性は高いと言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとCVSヘルスの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
CVSヘルスの今後に対する期待度
以下はCVSヘルスの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うCVSヘルスの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はCVSヘルスの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はCVSヘルスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
CVSヘルスの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はCVSヘルスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
CVSヘルスの場合、おおよそ右肩あがりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はCVSヘルスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
CVSヘルスの場合、10%を下回っていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はCVSヘルスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
CVSヘルスの場合、おおよそ30%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はCVSヘルスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
CVSヘルスの場合、2022年ではやや減少していることが見て取れます。
配当性向
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上記はCVSヘルスの配当性向を示したものです。
全体としておおよそ横ばいで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はCVSヘルスの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
製品 | 226616 | 203738 | 190688 |
プレミアム | 85330 | 76132 | 69364 |
サービス | 9683 | 11042 | 7856 |
純投資収益 | 838 | 1199 | 798 |
合計 | 322467 | 292111 | 268706 |
配当金
以下はCVSヘルスの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 2.2$ |
2021 | 2$ |
2020 | 2$ |
2019 | 2$ |
2018 | 2$ |
2017 | 2$ |
2016 | 1.7$ |
2015 | 1.4$ |
2014 | 1.1$ |
2013 | 0.9$ |
コメント・考察
CVSヘルスは薬局チェーンの運営で有名な部分がありますが、診療所の運営やPBMの保有、公的保険サービスへの参入などより幅広いヘルスケアソリューションを展開しています。
この点でよく薬局チェーンの競合として挙げられるウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと比べるとより小売的な性質は弱まると言えるのではないでしょうか。
そのため、近年薬局業界ではディスラプターとして懸念されるAmazonのオンライン薬局ですが、小売に傾斜するウォルグリーン・ブーツ・アライアンスと比較するとより広範なヘルスケアソリューションを展開するCVSヘルスの方が影響は軽微に抑えられる可能性は高いかと思われます。
とはいえ、Amazon薬局は自社の広範な会員の活用やPBM、医薬品サプライチェーンなどにも進出しようとしており、薬局小売以外の面でも競争が激化する恐れがあります。
この点で今後のAmazon薬局の動向はCVSヘルスの収益や収益性に大きな影響を与える可能性の高い注目部分だと言えるでしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でCVSヘルスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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