本記事では米国株の中でもローパー・テクノロジーズ(ROP)に関する内容となっています。
本記事ではこのような疑問に答えます
- ローパー・テクノロジーズとはどのような企業なのか?
- ローパー・テクノロジーズの将来性や財務状況は?
- 取り扱っている証券会社は?
- ローパー・テクノロジーズの配当金は?
ローパー・テクノロジーズ(ROP)とは
ローパー・テクノロジーズ(ROP)は、ソフトウェア製品や計測機器、マイナーな市場製品を提供している企業です。
主に買収により事業を拡大、直近では損害保険のSaaSに関連するVertaforeを買収。
基本的に事業分野は3つ存在し、アプリケーションソフトウェアやソフトウェアシステム、測定、分析製品事業に分かれています。
まず、アプリケーションソフトウェア事業では法律事務所などの専門サービス事業者向けに財務管理、文書管理などのソフトウェアサービスを提供するアデラント。
医療、教育機関など向けに管理、統合サービスを提供するCBORD、医療や研究所向けに管理統合システムを提供するクリニシス、データイノベーション。
加えて、事業者向けにソフトウェア製品を提供するデルテックやパワープラン、サプライチェーン管理に関連するインテリトランス、医療向けの財務管理システムなどを提供するストラタなどの企業が傘下として含まれています。
次にソフトウェアシステム事業では、建築業界向けのソフトウエア製品を提供するコンストラクトコネクトやトラック輸送などに関連するソフトウェア製品を扱うDAT、ロードリンクテクノロジーズ。
クリエイター向けのツールを提供するFoundry、金融、保険業者向けに統合管理システムなどを提供するiPipeline、医療、ヘルスケア向けのソフトライターやSHP、MHAなどの企業を傘下に置いています。
測定、分析製品事業では、医療用の超音波機器を中心に取り扱うCIVCOメディカルソリューションズや流体制御や計量を行うポンプを扱うFMI、医療用の光学測定、電磁追跡機器を扱うノーザンデジタル。
水道事業者向けに計量機器を提供するネプチューン、医療用の測定機器を扱うベラトンなどといった企業が含まれます。
また、以前はプロセス技術事業がありましたが、廃止及び売却目的の廃止事業となり、プロセス技術事業全体と測定、分析製品事業の一部が含まれています。
加えて、2021年には壊さずに検査や探索ができる機器などを提供するゼテックや輸送の管理システムに関わるTransCoreなどを売却しています。
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競合企業
ローパー・テクノロジーズの競合企業はその事業分野ごとに存在し、例えばアプリケーションソフトウェア事業やソフトウェアシステム事業では、SaaSや財務管理の大手のセールスフォースやマイクロソフト。
クリエイター向けのツールや法務や財務様々な分野の文書管理サービスを提供するアドビなどが挙げられます。
また、測定、分析製品事業では、様々な測定や分析機器などの事業も取り扱っているアメテックやヘルスケア製品事業なども行い超音波製品も取り扱うゼネラル・エレクトリックなどが挙げられます。
- セールスフォース
- マイクロソフト
- アドビ
- アメテック
- ゼネラル・エレクトリック
ローパー・テクノロジズの将来性
ローパー・テクノロジーズは多くの企業を買収することで事業を拡大していることから傘下の企業が競合する分野はあってもローパー・テクノロジーズ自体が大きく競合する企業は目立っては無いと思われます。
ただ、事業再編でプロセス事業全体や一部分析製品事業が廃止事業となり、ソフトウェア系事業に重点を置き始めていることからも分かるように一部マイナー市場を残し、主要はソフトウェア系に移行するのではないかと思われます。
出典:令和4年 情報通信白書(総務省)
基本的にはソフトウェア市場、特にSaaSなどの分野は上記からも分かる通り、市場は拡大する傾向にあるため、重点をそちらに向け始めているのは問題は無いでしょう。
ただ、ソフトウェアでSaaSや文章管理の分野などではセールスフォースやアドビ、マイクロソフトといった強力な競合企業も多いため、買収して対抗していけるかは難しい部分があるのではないでしょうか。
財務状況
以下はローパー・テクノロジーズの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はローパー・テクノロジーズの営業利益の推移を示したものとなっています。
基本的に営業利益は企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示すものとなっています。
ローパー・テクノロジーズの場合、やや増減はありますが、全体としては微増傾向が続いています。
EPS
上記はローパー・テクノロジジーズのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが一般的に指標となります。
ローパー・テクノロジーズの場合、2020年はやや下がっているものの、基本的には右肩上がりが続いていて、評価できる推移ではないかと思われます。
営業利益率
上記はローパー・テクノロジーズの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は一般的に10%〜15%以上が優良とされる水準です。
ローパー・テクノロジーズの場合、基本的には15%を超え、20%以上をキープできており、評価できる水準かと思われます。
自己資本比率
上記はローパー・テクノロジーズの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が基準とされています。
ローパー・テクノロジーズの場合、30%を大きく越え、40%〜50%を維持しており、安定性は高いと言えるのではないかと思われます。
営業活動によるCF
上記はローパー・テクノロジーズの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFはおおよそ企業の手元現金の推移を示したものです。
ローパー・テクノロジーズの場合、徐々に増加傾向にあり、かつ2021年には大幅に増加していることが見て取れます。
配当性向
上記はローパー・テクノロジーズの配当性向を示したものとなっています。
ローパー・テクノロジーズの場合、10%台と比較的低い水準で推移していますが、あまり利益を圧迫するほどの水準ではなく適正な水準で推移しているのではないかと思われます。
事業別収益
収益(百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
アプリケーションソフトウェア事業 | 2380.6 | 1799.9 | 1558 |
ソフトウェアシステム事業 | 1338.4 | 1173.7 | 1004.2 |
測定、分析製品事業 | 1559.6 | 1425.6 | 1544.3 |
プロセス事業 | 499.2 | 455 | 591.2 |
合計 | 5777.8 | 4854.2 | 4727.7 |
上記はローパー・テクノロジーズの事業別の収益を示したものとなっています。
ちなみに上記はプロセス事業の廃止前の事業別収益となっています。
全体としては上昇傾向にありますが、特にソフトウェア系の事業、アプリケーションソフトウェア事業は、収益の割合が大きくなってきており2019年、2020年は全体の30%台だったものが2021年には41%となっています。
配当金推移
以下は直近10年のローパー・テクノロジーズの年間配当の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 2.25$ |
2020 | 2.05$ |
2019 | 1.85$ |
2018 | 1.65$ |
2017 | 1.4$ |
2016 | 1.2$ |
2015 | 1$ |
2014 | 0.8$ |
2013 | 0.495$ |
2012 | 0.715$ |
コメント・考察
ローパー・テクノロジーズは、営業利益やEPSも順調に伸びており、自己資本比率も安定しているなど財務的には全体として評価できる推移をしているのではないかと思います。
また、配当性向も配当を続けていると配当が100%近くなってきたりと、財務を圧迫しかねない推移まで上昇している企業も多々ありますが、ローパー・テクノロジーズは、その点10%台を維持している点は利点ではないでしょうか。
一方でローパー・テクノロジーズ自体が何か事業を行っているというよりかは、買収をメインに事業を拡大している形で何らかの業界に固執している感じでは無いように思われます。
現にプロセス技術事業や測定、分析事業の一部を廃止事業としていることからも分かるでしょう。
ただその分、買収や売却を通して業態変化がしやすく、市場の変化が激しい昨今においては、メリットとなる部分もあるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でローパー・テクノロジーズの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 野村 | 大和 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
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