本記事では米国株の中でもロックウェル・オートメーション(ROK)に関する記事となっています。
本記事ではこのような疑問に答えます
- ロックウェル・オートメーションとはどのような企業か?
- ロックウェル・オートメーションの将来性は?
- 財務状況や配当金は?
- 取り扱っている証券会社は?
ロックウェル・オートメーションとは
ロックウェル・オートメーションは自動化やDX化を行うハードウェア製品やソフトウェア製品を提供している企業です。
ロックウェルインターナショナルが会社分割をして誕生、主に以前分割する前に買収されたアレンブラッドリーの事業を引き継ぎ、航空宇宙産業事業などはボーイングに売却されています。
世界では100カ国以上で展開しており、米国の他に特に売上高の高い地域はイギリス、ドイツ、中国、カナダ、メキシコ、イタリアなどとなっています。
ちなみに売上高が最も高いのは北米地域で2021年においては売上高の59%、おおよそ半分以上を占めています。
主に事業は3つに分かれていて、インテリジェントデバイス事業、ソフトウェア及び制御事業、ライフサイクルサービス事業に分かれています。
まず、インテリジェントデバイス事業では工場で使用されるモーターの回転数の制御、位置制御などに使われる高圧、低圧ドライブや自動車製造などに使用されるコンベア、安全制御装置。
また、物体の存在や距離を検知する光電センサーや超音波センサーなどのセンサーやスイッチ、その他産業用部品などを取り扱っています。
一方で、ソフトウェア及び制御事業では、産業用のデバイスや機器のデータや通信を制御する通信モジュールや時間短縮や効率化に役立つStudio5000などのオートメーション化に関連するソフトウェア製品などを提供しています。
他方でライフサイクルサービス事業では、メンテナンスやコンサルティングサービスなどが含まれています。
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競合企業
ロックウェル・オートメーションの競合企業としては、オートメーション化や航空宇宙関連製品事業であるハネウェル・エアロスペースなどを展開するハネウェル・インターナショナル。
ドイツに拠点を置き、電源装置や産業用ソフトウェアなど産業用のオートメーション化製品や建築における制御システム、産業用の通信機材、その他様々な産業の自動化、制御製品を展開するシーメンスが挙げられます。
また、スイスに拠点を置き計測、分析機器や産業用の制御製品などを提供するABBやドイツに拠点を置き、オートメーション化ソフトウェアや制御スイッチ、電源機器などを扱うシュナイダーエレクトリックがあります。
他には日本の三菱電機やエマソンエレクトリック、イギリスに拠点を置くアヴィバなどが挙げられます。
- ハネウェル・インターナショナル
- シーメンス
- ABB
- シュナイダーエレクトリック
- 三菱電機
- エマソンエレクトリック
- アヴィバ
ロックウェル・オートメーションの将来性
出典:株式会社グローバルインフォメーション
上記はロックウェル・オートメーションの関連する世界の産業制御及びファクトリーオートメーションの市場規模の推移予測を示したものとなっています。
図からも分かる通り、ロックウェル・オートメーションの関連する市場自体は増加傾向にあり、需要自体には問題は無いかと思われます。
一方で市場においてロックウェル・オートメーションよりも売上高や規模の大きい企業は多く、例えばシーメンスや三菱電機などがありますが、その点過度な価格競争などに陥ると不利になる可能性は高いかと思われます。
また、ロックウェル・オートメーションの製品を提供する業界は24以上に上りますが特に石油やガス業界は主要顧客なようです。
そのため、石油や天然ガスの価格が大幅に下がり、石油やガスの業界の利益が減少し、自動化などの設備投資に消極的になるとロックウェル・オートメーションの利益にも大きな影響が出てくるのではないかと思われます。
財務状況
以下はロックウェル・オートメーションの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はロックウェル・オートメーションの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は基本的に企業がどれくらい本業で利益を得たのかを示すものです。
ロックウェル・オートメーションの場合、2020年にやや下落し、2021年には回復を見せていますが、2019年と比べると下回る状態となっています。
EPS
上記はロックウェル・オートメーションのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となります。
ロックウェル・オートメーションの場合2015年、2016年、2020年は鈍化が見られますが、基本的には右肩上がりとなっていることが分かります。
営業利益率
上記はロックウェル・オートメーションの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は基本的に10%〜15%が優良とされる水準です。
ロックウェル・オートメーションの場合、2019年以降減少傾向ではありますが、おおよそ15%を超える水準をキープしていることが分かります。
自己資本比率
上記はロックウェル・オートメーションの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性の目安とされ、おおよそ30%目安とされています。
ロックウェル・オートメーションの場合、上昇傾向にはあるものの、30%には到達しておらずやや安定性が気になるところかと言えそうです。
営業活動によるCF
上記はロックウェル・オートメーションの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものとなっています。
ロックウェル・オートメーションの場合、若干の増減を繰り返す状態となっています。
配当性向
上記はロックウェル・オートメーションの配当性向を示したものとなっています。
ロックウェル・オートメーションの場合、2020年は一時的に50%を超えたものの、基本的には40%前後で推移しています。
事業別収益
営業収益(百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
インテリジェントデバイス事業 | 702.1 | 587.8 | 697 |
ソフトウェア及び制御事業 | 531 | 473.8 | 531.2 |
ライフサイクルサービス事業 | 158.2 | 196.3 | 245.4 |
合計 | 1391.3 | 1257.9 | 1473.6 |
上記はロックウェル・オートメーションの営業収益を示したものとなっています。
全体としては、2019年から2020年にかけて減少、2021年は前年と比べて戻してはいるものの、2019年の水準にまでは戻っていないことが見て取れます。
事業別で見るとインテリジェントデバイス事業は、2021年は2019年の水準を超えているものの、その他の事業が2019年の水準を下回っていることが全体としての2021年が2019年を下回った原因だと言えそうです。
配当金推移
以下はロックウェル・オートメーションの直近10年の年間配当の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 4.33$ |
2020 | 4.13$ |
2019 | 3.93$ |
2018 | 3.645$ |
2017 | 3.115$ |
2016 | 2.935$ |
2015 | 2.675$ |
2014 | 2.39$ |
2013 | 2.09$ |
2012 | 1.79$ |
コメント・考察
ロックウェル・オートメーションは最近よく耳にするデータやデジタル技術を活用して変革していこうとするDXやモノとインターネットを繋ぐIoTに関連する企業となっています。
IoTとかだと身近なモノではエアコンの調整やロボット掃除機、ドアのロックだったりをイメージするのではないでしょうか。
でも正直家電とかだと有れば便利だなぐらいで全員必須だとまではならないかと思います。
一方で産業、特に製造業といった部分では製造機械の管理や動作、サプライチェーンの管理などといった部分では必須で生産性や競合他社への優位性向上などといった部分に関わります。
ロックウェル・オートメーションはそういった産業部分に関わるDX化やIoT化に関わっています。
ところで最近は3Mやジョンソンエンドジョンソンなどコングロマリットの解体が進んでいますが、柔軟性や効率化が要因とされています。
ロックウェル・オートメーションもコングロマリットであったロックウェル・インターナショナルから分割して誕生しており、同様に柔軟性、効率化を狙った結果だと言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でロックウェル・オートメーションの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | PayPay | DMM | 松井 | 野村 | 大和 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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