今回は米国株の中でもアメリカン・スーパーコンダクター(AMSC)に関するものとなっています。(https://www.amsc.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アメリカン・スーパーコンダクターとはどのような企業か?
- アメリカン・スーパーコンダクターの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アメリカン・スーパーコンダクターの配当金は?
アメリカン・スーパーコンダクターとは?
アメリカン・スーパーコンダクターは発電タービンや発電制御、送配電ソリューションなどを提供している企業です。
主に電力の供給や分配を行うグリッドインフラや風力市場向けにソリューションを提供しています。
まず、グリッドインフラ向けのソリューションとしてはグリット上の電圧を安定させるために必要な無効電力を供給するD-VARシステムや電圧のたるみを軽減し、電源を入れた時に一時的に発生する大きな突入電力を低減する中電圧反応補償ソリューションのactiVARシステム。
再生可能エネルギーなどの出力変動や逆潮流、瞬時電圧低下、三相電圧不均衡などにも対応できるarmorVARやD-VARVVO、高出力処理能力と障害電流制御特性を組み合わせたケーブルシステムで構成されるREGシステムそして変圧器やDC整流器を展開しています。
一方で風力市場向けのソリューションとしては2MW以上の電力規格を持つ最先端の陸上、洋上風力タービンの設計、開発や設計した風力タービンメーカー向けに電気制御システムの提供、風力タービンに関するカスタマーサービスを提供しています。
また、海軍向けのソリューションも提供しており、発電システムや推進システム、ボート電力供給システム、磁気センサーや磁気起爆式機雷からの検出を防ぐ船舶保護システムを展開しています。
主な顧客としてはFujiBridexがあり、2022年の売上高の15%を占めていました。
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競合企業
アメリカン・スーパーコンダクターの競合企業としては再生可能エネルギーとエネルギー効率化ソリューションに関わるAmerescoやイタリアで電力インフラソリューションなどを展開しているEnelXがあります。
また、ドイツを拠点に置き、風力発電や送配電ソリューションを提供しているSiemensやワイヤー、コイルなどの製品を扱っているSuperPowerなどが挙げられます。
- Ameresco
- EnelX
- Siemens
- SuperPower
アメリカン・スーパーコンダクターの将来性
アメリカン・スーパーコンダクターの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては高温超伝導(HTS)技術において先駆的な地位にある点が挙げられます。
高温超伝導(HTS)技術は電気抵抗をゼロにして電流を無損失で流せる技術で従来の銅製品と比較して小型で高効率かつ高出力密度であることで電力損失や発燃の問題を解決できる技術です。
この高温超伝導(HTS)技術においてアメリカン・スーパーコンダクターは初めて商業化に成功した企業であり、HTSに関連する多くの特許や技術を保有。
実際にAmperiumというブランド名でHTSワイヤーを展開し、米国海軍向けの船舶保護システムなどにも活用されています。
この点で高温超伝導(HTS)技術を先駆的に開発しているアメリカン・スーパーコンダクターは従来型の銅を活用する製品を展開する競合との差別化かつ優位性があり、期待の持てる部分があると言えるでしょう。
もう一つの理由としては電力供給の安定化や効率化に貢献するグリッド製品の需要が高まっている点が挙げられます。
現在、電気自動車や再生可能エネルギーといった新興技術分野や半導体分野の興隆が続いていますが、これらの分野には高い電力需要や電力の安定化、効率化への需要が大きい部分があります。
例えば、電気自動車においては安定的な運用のために電力網が必要になりますし、発電容量が変化しやすい再生可能エネルギーにおける発電においては柔軟に電流や電圧に対応できるグリットが必要になります。
また、需要が増加している半導体分野において半導体製造装置は高い電力消費と電力の一定供給が必要であり、半導体製造装置の故障や止めてしまうことを防ぐためにも柔軟な対処や制御に対応するグリッドの需要が増しています。
今後も市場拡大の見込める新興市場や半導体分野が拡大するにつれてアメリカン・スーパーコンダクターが提供するようなグリット製品の需要も拡大する可能性が高い点で期待の持てる部分だと言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとアメリカン・スーパーコンダクターの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
アメリカン・スーパーコンダクターの今後に対する期待度
以下はアメリカン・スーパーコンダクターの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアメリカン・スーパーコンダクターの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアメリカン・スーパーコンダクターの財務状況を示したものです。
営業利益
上記はアメリカン・スーパーコンダクターの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アメリカン・スーパーコンダクターの場合、全体としてマイナスとなっていることが見て取れます。
EPS
上記はアメリカン・スーパーコンダクターのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
アメリカン・スーパーコンダクターの場合、全体としてマイナスとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はアメリカン・スーパーコンダクターの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
アメリカン・スーパーコンダクターの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はアメリカン・スーパーコンダクターの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
アメリカン・スーパーコンダクターの場合、全体として30%は上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はアメリカン・スーパーコンダクターの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アメリカン・スーパーコンダクターの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はアメリカン・スーパーコンダクターの事業別収益を示したものです。
収益 | 2023 | 2022 |
グリッド | 94631 | 98876 |
風力 | 11353 | 9559 |
合計 | 105984 | 108435 |
配当金
現時点でアメリカン・スーパーコンダクターは配当金を出していません。
現状、アメリカン・スーパーコンダクターが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
アメリカン・スーパーコンダクターの主なソリューションであるグリッドや風力タービンなどは電気自動車や半導体、再生可能エネルギーなど今後も拡大の期待できる市場に広く需要があり、今後にも期待の持てる部分だと言えるでしょう。
また、アメリカン・スーパーコンダクターは超伝導技術を活用した船舶保護システムなど米海軍へとも関わりが強く、今後も水陸両用戦や地上艦体全体にも伝播して使用される可能性が示唆されており、比較的安定的な収益源となり続ける可能性は高いかと思われます。
加えて、以前アメリカン・スーパーコンダクターは2011年において中国の顧客であるシンベルウィンドからの受注が激減したことで打撃を受けましたが、それを機に2011年度は売上高の半数以上が中国向けであったのに対して直近では15%前後までに縮小しています。
先端技術の輸出規制や情勢不安などの懸念がある中でアメリカン・スーパーコンダクターのこの流れは政治情勢的な影響を縮小できる部分だと言えるでしょう。
一方で風力事業における収益の大半はインドのInoxからの収益となっており、今後顧客を多角化できるかが注目部分かと思われます。
アメリカン・スーパーコンダクターはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアメリカン・スーパーコンダクターの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 無 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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