本記事は米国株の中でもAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)に関するものとなっています。(https://www.amctheatres.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- AMCエンターテインメント・ホールディングスとは?
- AMCエンターテインメント・ホールディングスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- AMCエンターテインメント・ホールディングスの配当金は?
AMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)とは?
AMCエンターテインメント・ホールディングスは映画館を主に運営している企業です。
主に米国やヨーロッパ、サウジアラビアで事業を展開しており、米国では7648のスクリーンを持つ586の映画館、ヨーロッパとサウジアラビアでは2826のスクリーンを含む354の映画館を運営。
これらを含む12カ国で10474のスクリーンと940の映画館を所有、リース、運営しています。
ちなみに2023年の1月においてサウジアラビアの85のスクリーンを含む13の映画館は売却されています。
主な収益は興行収入や劇場の食品、飲食物からとなっており、その他は映画上の広告や会員限定の割引プログラムやサービスを提供し、年会費型や月額のサブスクとなっている顧客ロイヤリティプログラムなどからの収益となっています。
2022年12月時点では有料と非有料の会員プログラムには合計で米国において約2820万の会員世帯が登録しており、国際市場では1440万人の会員が存在しています。
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競合企業
AMCエンターテインメント・ホールディングスの競合企業としてはイギリスの映画館チェーンを展開しており、約9500のスクリーンを運営するシネワールド・グループや米国の中西部で中心に映画館を展開しているマークス・シアターズがあります。
また、米国の映画館チェーンで約6000のスクリーンを運営するシネマーク・シアターズや米国で約1600のスクリーンを運営しているナショナル・アミューズメンツが挙げられます。
- シネワールド・グループ
- マークス・シアターズ
- シネマーク・シアターズ
- ナショナル・アミューズメンツ
AMCエンターテインメント・ホールディングスの将来性
AMCエンターテインメント・ホールディングスの将来性としてはやや厳しい部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては動画配信サービスの興隆が挙げられます。
現在では映画やドラマなどの動画コンテンツをインターネット経由で見られる動画配信サービスの市場が拡大しており、例えばネットフリックスやAmazon、ディズニーなどといった企業がサブスク型の動画配信サービスを提供しています。
確かに映画館では大型のスクリーンで見られるといったメリットはありますが、自宅で見れる手軽さや料金の安さといった部分では動画配信サービスには勝ち目がなく、今後市場を奪われていく可能性は高いと言えるでしょう。
また、動画配信サービスではオリジナルコンテンツや独占配信といった囲い込みが行われている点でも余暇時間を動画配信サービスに奪われやすいといった点で不利な部分だと思われます。
この点で動画配信サービスの興隆は映画館チェーンを展開するAMCエンターテインメント・ホールディングスにとっては厳しい部分があると言えるでしょう。
もう一つの理由としては収益の不安定性が挙げられます。
AMCエンターテインメント・ホールディングスを含む映画館を運営する企業は外出規制下で大きな影響を受けた業界の一つであり、一時的ですが収益やキャッシュフローが大きく悪化、財務状況も悪化した部分があります。
現状収益は戻ってきている部分はあるものの、債務負担が増えた状態で主要な収益がチケット販売や飲食の販売といった安定しにくい形態、そして収益の時期も繁忙期は休暇時期や夏など季節性が強いです。
この点で収益の予測がしづらく、資金繰りが悪化しやすい点で懸念点だと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとAMCエンターテインメント・ホールディングスの将来性としてはやや厳しい部分があるかと思われます。
AMCエンターテインメント・ホールディングスの今後に対する期待度
以下はAMCエンターテインメント・ホールディングスの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うAMCエンターテインメント・ホールディングスの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はAMCエンターテインメント・ホールディングスの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はAMCエンターテインメント・ホールディングスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
AMCエンターテインメント・ホールディングスの場合、2020年以降全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS

上記はAMCエンターテインメント・ホールディングスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
AMCエンターテインメント・ホールディングスの場合、2017年以降マイナスで推移しており、特に2020年には大きなマイナスとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はAMCエンターテインメント・ホールディングスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
AMCエンターテインメント・ホールディングスの場合、2020年以降マイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はAMCエンターテインメント・ホールディングスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
AMCエンターテインメントの場合、2020年以降大きくマイナスで推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はAMCエンターテインメント・ホールディングスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
AMCエンターテインメント・ホールディングスの場合、2020年以降マイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はAMCエンターテインメント・ホールディングスの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 |
入場料 | 2201.4 | 1394.2 |
飲食物 | 1313.7 | 857.3 |
その他 | 396.3 | 276.4 |
合計 | 3911.4 | 2527.9 |
配当金
AMCエンターテインメントは2020年以降配当金をストップしています。
現状、配当金を再開するかは不透明です。
コメント・考察
AMCエンターテインメント・ホールディングスは外出規制下によって映画館への足も遠のき、新作映画も度々延期になったため、一時は破綻の協議も持ち上がっていたようです。
しかし、現状収益は持ち直しており、破綻は一応逃れたようですが借入による財務状況の悪化や株式による増資で株式の枚数が増えることで希釈化させており、株価的にはマイナスの要素を与えています。
一方でAMCはエンターテインメント・ホールディングスはミーム的な取引も過去になされており、2021年には機関投資家などが空売りしたことに反発した個人投資家たちが株価を押し上げ、ショートスクイーズを引き起こしています。
とはいえ結局のところこれは一時的な現象であり、長期的に見ると希釈化が株価にマイナスの影響を与えていることは否めません。
また、直近ではAIの使用に対するストライキなどで映画の上映が遅れる可能性もあり、資金繰りにも不透明さがあるなどAMCエンターテインメント・ホールディングスの事業や収益性に関しては不安定な部分が大きいと言えるでしょう。
AMCエンターテインメント・ホールディングスはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でAMCエンターテインメント・ホールディングスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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