今回は米国株の中でもスーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)に関するものとなっています。(https://www.supermicro.com/en)
本記事はこのような疑問に答えます。
- スーパー・マイクロ・コンピュータとはどのような企業か?
- スーパー・マイクロ・コンピュータの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- スーパー・マイクロ・コンピュータの配当金は?
スーパー・マイクロ・コンピュータとは?
スーパー・マイクロ・コンピュータは、高性能なコンピュータシステムやサーバーソリューションを提供している企業です。
主な製品としては、ラックマウントやブレード、マルチノード、組み込みフォームファクタのサーバーとストレージシステムの組み合わせで構成されたシングル、デュアル及びマルチプロセッサを展開しています。
主な製品ラインナップとしては共通のコンピューティングリソースを共有するように設計されており、標準的なラックマウントサーバーよりも消費電力を削減できるSuperBladeやMicroBlade。
高密度のストレージを提供するSuperStorageシステムやマルチノードサーバーのツインファミリ、エンタープライズワークロード向けのUltraServerシステム、AI市場向けのGPUやアクセラレーションシステム。
データセンターに最適化されたサーバーシステムやネットワークや接続されたデバイスの管理に最適化された組み込み5G、IoT、エッジシステムやMicroCloudサーバーシステムを提供しています。
また、その他にもサーバーボードやシャーシ、電源など多数のモジューラーサーバーサブシステムやサクセサリも提供しています。
加えて、SuperCloudComposerやSuperDoctor5といった大規模な異種データセンター環境管理を支援するサーバー管理ソフトウェアソリューションやサポートサービスなどを提供するスーパーマイクログローバルサービスも提供しています。
2022年度においては100カ国以上の1000を超える顧客に直接販売し、その他にも間接販売チャネルを通じても販売を行っています。
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競合企業
スーパー・マイクロ・コンピュータの競合企業としてはサーバーやストレージなどを展開しているデル・テクノロジーズや台湾に拠点を置く、電子機器メーカーのFoxconnがあります。
また、ネットワーキング機器を展開しているシスコシステムズやデータセンターやエンタープライズ市場向けの製品を展開しているヒューレッドパッカードエンタープライズなどが挙げられます。
- デル・テクノロジーズ
- Foxconn
- シスコシステムズ
- ヒューレッドパッカードエンタープライズ
スーパー・マイクロ・コンピュータの将来性
スーパー・マイクロ・コンピュータの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはAIによる需要拡大が挙げられます。
スーパー・マイクロ・コンピュータは高性能なコンピュータシステムやサーバーソリューションなどを提供していますが、AIのデータ処理や機械学習を行うためにはより高性能なコンピューティングリソースが必要となります。
そのため、現在特に興隆している文字や画像の生成系AIの開発などが増してくることでスーパー・マイクロ・コンピュータが提供しているような高性能なコンピューティングリソースの需要が増してくることが期待できます。
また、AIの開発ではデータセットや計算負荷の増大によってリソースの柔軟な拡張性が要求されますが、スーパー・マイクロ・コンピュータの製品はストレージオプションや拡張スロットを豊富に提供しており、柔軟に拡張が可能です。
よってスーパー・マイクロ・コンピュータの製品は顧客のAI開発の要件に柔軟に対応ができるため、今後のAI需要をうまく取り込める可能性は高いとえるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、半導体メーカーとの緊密な関係が挙げられます。
例えば、スーパー・マイクロ・コンピュータは、エヌビディアやAMD、インテルといった半導体メーカーと緊密に協力して開発中の新製品のテクノロジーとの互換性ある製品の開発やシステムパフォーマンスの向上やリリースの調整などを行っています。
また、特にエヌビディアはAIの高性能な処理のために必要となるGPUを提供しており、このGPUと組み合わせたスーパー・マイクロ・コンピュータのサーバーソリューションは両社が共同で開発、最適化を行うことでより高いパフォーマンスを提供する製品を提供しています。
そのため、このエヌビディアなどとの緊密な関係はより高度なAIを開発する顧客の需要に柔軟に対応するのに優位な部分だと言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとスーパー・マイクロ・コンピュータの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
スーパー・マイクロ・コンピュータの今後に対する期待度
以下はスーパー・マイクロ・コンピュータの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うスーパー・マイクロ・コンピュータの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はスーパー・マイクロ・コンピュータの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はスーパー・マイクロ・コンピュータの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
スーパー・マイクロ・コンピュータの場合、2022年に大きく増加していることがみて取れます。
EPS

上記はスーパー・マイクロ・コンピュータのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
スーパー・マイクロ・コンピュータの場合、2022年に特に大きく増加していることが見て取れます。
営業利益率
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上記はスーパー・マイクロ・コンピュータの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
スーパー・マイクロ・コンピュータの場合、2020年以降は上昇傾向にあるものの、10%を下回っていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はスーパー・マイクロ・コンピュータの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
スーパー・マイクロ・コンピュータの場合、減少傾向にありますが30%以上はキープしていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はスーパー・マイクロ・コンピュータの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
スーパー・マイクロ・コンピュータの場合、減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はスーパー・マイクロ・コンピュータの事業別収益を示したものです。
売上高(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
サーバー ストレージシステム | 4463 | 2790.3 | 2620.8 |
サブシステムとアクセサリ | 732.3 | 767.1 | 718.5 |
合計 | 5196.1 | 3557.4 | 3339.3 |
配当金
現時点でスーパー・マイクロ・コンピュータは配当金を出していません。
ちなみにバンクオブアメリカとの信用契約の条件により、限られた例外を除き配当はできないとされており、配当には期待しない方が良さそうです。
コメント・考察
スーパー・マイクロ・コンピュータは多くのテック企業が業績悪化となった2022年でも収益や営業利益など大幅な上昇を記録しています。
また、2023年はスーパー・マイクロ・コンピュータの株価も大幅に上昇していますが、実際のAIへの投資や今後のAIへの旺盛な需要を睨んでというところだと思われます。
ただし、スーパー・マイクロ・コンピュータはサーバーやストレージといった扱っている製品の性質上、主な市場はデータセンター向けに特化している部分があり、データセンターでの需要の変化には特に注視すべき部分だと言えるのではないでしょうか。
一方で2020から2022年度において純売上高の10%を超える顧客は一つもおらず、顧客の集中といったことは無いですが、台湾を拠点にするAblecomやCompuwareから製造受託や製品保管など2022年度は売上原価の8.2%を占めるなど重要な部分を占めています。
そのため、スーパー・マイクロ・コンピュータのサプライチェーンに大きな影響を与えるAblecomやCompuwareの買収や合併といった動きがあった場合の動向には注意が必要でしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でスーパー・マイクロ・コンピュータの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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