今回は米国株の中でもオクシデンタル石油(OXY)に関する記事となっています。
本記事ではこのような疑問に答えます
- オクシデンタル石油とはどのような企業か
- 競合企業はどのようなものがあるか
- オクシデンタル石油の将来性は?
- オクシデンタル石油の配当や財務状況は?
オクシデンタル石油(OXY)とは
オクシデンタル石油は、石油や天然ガス、化学製品を主に取り扱っている企業です。
石油、天然ガスに関する事業では、中東やアメリカ国内、北アフリカを主に拠点として活動しています。
まず、アメリカ国内では約3万8000平方キロメートルの土地の借地権やその土地の石油や天然ガスなどを取得できる鉱業権を保有しています。
その借地権や鉱業権を保有する地域は主にデンバー盆地、パウダー川盆地、メキシコ湾、ペルム紀盆地となっています。
特に、テキサス州およびニューメキシコ州に位置するペルム紀盆地では2021年にオクシデンタル石油は、ペルム紀盆地の総石油生産の約9%を生産していて、2022年には生産にオキシデンタル石油の資本、17億ドルから19億ドルを割り当てることが想定されています。
一方でアメリカ国内以外の地域では、アルジェリアでの石油や天然ガスの処理施設の運営やオマーン、カタール、アラブ首長国連邦での事業を行なっています。
他方で2021年にガーナでの事業は売却しています。
化学製品事業では、塩素やアルミニウムの生産に使用される苛性ソーダ、自動車や医療に使用されるポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルの前駆体である塩化ビニルモノマー、氷の融解などに使われる塩化カルシウムなどの生産を行なっています。
特に2021年に塩化ビニルモノマーは米国生産、販売では1位、2位に位置、ポリ塩化ビニルでは米国生産で3位内に位置しています。
また、天然ガスや石油、化学製品事業では貯蔵や輸送に関する事業にも関わっており、貯蔵施設の運営やパイプラインの所有、運営にも関わっています。
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競合企業
オクシデンタル石油の競合企業としては、まず石油の生産から輸送、販売まで垂直統合型で行うスーパーメジャーと呼ばれた企業が挙げられます。
スーパーメジャーと呼ばれた企業としてはシェブロンやトタル、シェル、BP、コノコフリップス、エクソンモービルが含まれ、特にエクソンモービルは2022年7月時点で米国の石油関連会社では最大の時価総額を誇ります。
また、2022年7月時点で世界で時価総額一番大きな国営であるサウジアラムコは原油の価格に大きな影響力を持っています。
加えて、オクシデンタル石油と同じくらいの中規模の競合企業としてはフィリップス66などが挙げられます。
- シェブロン
- エクソンモービル
- シェル
- BP
- コノコフィリップス
- トタル
- サウジアラムコ
- フィリップス66
オクシデンタル石油の将来性
オクシデンタル石油の関連する石油、天然ガスの需要は、先進国諸国ではやや増加から均衡といった形ですが、中国やインド、新興国を中心に増加していくことが予測されています。
また化学製品、特にオクシデンタル石油が米国内の市場で大きなシェアを持つポリ塩化ビニルやその前駆体である塩化ビニルモノマーも同様に2022年現在から2030年前後までに現在の市場規模からおおよそ1.3倍前後まで増加が予測されています。
ただし、オクシデンタル石油の主な事業の売上を占める石油や天然ガスは経済の状況や石油産出国のシェアの奪い合いによる石油や天然ガスの価格の下落などオクシデンタル石油の売上に大きな影響を与える要因も存在します。
また、米国における炭素排出に対する規制強化などからコスト増加や主要事業の収益の低下が懸念される点です。
財務状況
以下はオクシデンタル石油の財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記はオクシデンタル石油の営業利益を示したものとなっています。
2020年は顕著にマイナスの水準にまで落ち込んでいますが、これはコロナ禍による石油需要の減少などが顕著に現れたためかと思われます。
しかし、その後2021年には2018年と同程度の水準にまで戻しています。
EPS

上記のグラフは、オクシデンタル石油のEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に企業の収益力を示したもので右肩上がりとなっている方が好ましいとされますが、オクシデンタル石油の場合、EPSが大きく上下していることが分かります。
特に石油価格が落ち込んだ2016年と2020年では影響が顕著であることが分かります。
営業利益率
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上記はオクシデンタル石油の営業利益率を示したものとなっています。
一般的には10%以上が優良とされる水準ですが、2020年以外は基本的に10%を超えていることが分かります。
ただ、2018年以降同水準にまでは戻しきれていない点はやや気になる点です。
自己資本比率
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上記はオクシデンタル石油の自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は主に企業の安定性を示したもので基本的に30%以上が目安だとされています。
オクシデンタル石油では2018年には大幅に30%の水準を超えていましたが、その後下落2021年も30%を切る状態が続いています。
営業活動によるCF
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上記のグラフはオクシデンタル石油の営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業によるCFは企業による手元現金の推移を示したものとなっています。
オクシデンタル石油の場合、2018年から徐々に下落、しかし2021年には2018年の水準を大きく越えて大幅に増加したことが見て取れます。
配当性向
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上記はオクシデンタル石油の配当性向を示したものとなっています。
配当性向が100%を越えているのは、基本的に黒字だが利益以上に配当を出している、オクシデンタル石油では、2017年、2019年がその状態です。
また、マイナスの水準は基本的に赤字の上に配当を支払っているという状態です。
どちらも長続きするものでは無く、好ましくは無い状態ですが、ひとまず2021年には配当性向が落ち着いた状態に戻っていることが窺えます。
事業別収益
純売上高 (百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
石油、ガス | 18941 | 13066 | 13941 |
化学製品 | 5246 | 3733 | 4102 |
ミッドストリーム及びマーケティング | 2863 | 1768 | 4132 |
合計 | 27050 | 18567 | 22175 |
上記の表は、オクシデンタル石油の主な事業別の純売上高を示したものとなっています。
ちなみにミッドストーリーム及びマーケティングには、石油や天然ガスの運搬や貯蔵、パイプラインの運営、発電施設の運営などが含まれています。
どの事業においても、おおよそ2020年には減少、特にミッドストリーム及びマーケティング事業において大きな減少がみれらます。
また、全体としては石油、ガス事業が7割近くの売上の多くを占めていることが分かります。
配当金
下記はオクシデンタル石油の直近10年間の年間の配当を示したものとなっています。
2012年から2019年までは順調に増配を続けていましたが、2020年には減配、2021年にも再び減配という形になっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.04$ |
2020 | 0.82$ |
2019 | 3.14$ |
2018 | 3.1$ |
2017 | 3.06$ |
2016 | 3.02$ |
2015 | 2.97$ |
2014 | 2.88$ |
2013 | 2.56$ |
2012 | 2.16$ |
コメント・考察
オクシデンタル石油に関していうと自己資本比率が下がっていることやEPSが安定しないことなどやや財務状況に関して不安が残ります。
また、配当を狙っている方にとっては減配は好ましくないかもしれませんが、配当性向がマイナスや100%を超える状況が度々あった以上、財務の健全上減配は適切な判断であったのではないでしょうか。
オクシデンタル石油が関連する石油に関しては、脱炭素などの動きにより、長期的な視点からは逆風が続くのではないかと思われます。
特に世界の石油の需要の割合の60%〜70%を占める輸送の分野では水素や電気自動車への移行が取り沙汰されています。
とはいえ、2030年から2040年前後までは依然としてエネルギー需要における割合の最大の部分をIEAの現行の政策や公表されている政策では石油や天然ガスが占めるとされているため、今後のエネルギー政策などの変更に注目が必要だと思われます。
取り扱っている証券会社
下記は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社でのオクシデンタル石油の取り扱いの有無を示したものとなっています。
オクシデンタル石油の取り扱いに関しては、Pay Pay証券以外は全て取り扱いがあるようです。
証券会社 | 楽天 | マネックス | sbi | Pay Pay | DMM | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱いの有無 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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