本記事は米国株の中でもMPマテリアルズ(MP)に関するものとなっています。(https://mpmaterials.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- MPマテリアルズとはどのような企業か?
- MPマテリアルズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- MPマテリアルズの配当金は?
MPマテリアルズとは?
MPマテリアルズは、レアアースの鉱山開発や処理、生産などを行っている企業です。
ネバダ州ラスベガスのマウンテンパス近い土地に位置する2222エーカーのマウンテンパスレアアース鉱山及び処理施設を所有及び運営しています。
また、隣接する15000エーカーの鉱山や製材所を所有しています。
マウンテンパスレアアース鉱山からはレアアース鉱石の一種であるバストネサイトが採掘されており、含まれる物質としてはセリウムやランタン、ネオジム、プラセジオが含まれています。
事業としては主に3つのステージが計画、進行されており、ステージ1はレアアース精鉱の大規模生産の確立、ステージ2はレアアースからの個々の元素の分離、ステージ3ではネオジム、プラセジオの金属や合金への変換、永久磁石製品やリサイクル能力の向上が進められています。
それにより、米国での垂直統合された希土類磁石のサプライチェーン確立を目指しています。
また、単なるレアアースの生産者から分離したレアアース製品の生産者への拡大が進められています。
今後年間約50万台分のEVのモーターに供給するのに十分な希土類磁石を生産することを予想しており、ゼネラルモーターズとの長期供給契約を結んでいます。
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競合企業
MPマテリアルズの競合企業としては、オーストラリアを拠点として希土類鉱石の採掘や精製、加工を行っているLynasや同じくオーストラリアに拠点を置き、鉱山採掘を行っているllukaResourcesLtdがあります。
また、中国を拠点に置き、希土類を扱うチャイナ・ノーザン・レアアース・グループや希土類鉱石の生産や精錬、リサイクル技術開発なども行っているArafuraなどが挙げられます。
- Lynas
- lluka Resources Ltd
- チャイナ・ノーザン・レアアース・グループ
- Arafura
MPマテリアルズの将来性
MPマテリアルズの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはレアアースの需要の増加が挙げられます。
例えば、レアアースの鉱物中から取れるネオジムやプラセジオなどの希土類元素は永久磁石などの主要な成分として使用されており、その永久磁石はEVやドローン、風力タービン、防衛システムなど様々な用途で使用されています。
特にMPマテリアルズがすでにゼネラルモーターズのEVへの長期契約を結んでいるようにEV市場や風力タービンなどの市場では特に需要が強くなることが予測されます。
実際に調査会社のCRUでの調査ではレアアース酸化物の市場は2030年まで年間約4.1%の成長率、その中でもネオジム、プラセジオセグメントでは2030年まで年間約8.6%での成長率で成長していくことが予測されており、旺盛な需要から期待できる部分はあるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、米国内でレアアースのサプライチェーンを統合しようとしている点が挙げられます。
現状、米国はレアアースなどの資源を中国などの海外のサプライチェーンに頼っている部分があります。
しかし、米国政府はレアアースが先進技術や防衛産業での重要な材料であるため、海外依存度を下げようとしている動きがあり、その点でMPマテリアルズの事業は米国政府の意向と合致しています。
その点で米国内でサプライチェーンを完結させようとしているMPマテリアルズは他の米国外のレアアース生産者と比較して米国での事業では優位な部分があると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとMPマテリアルズの将来性としては期待できるのではないでしょうか。
MPマテリアルズの今後に対する期待度
以下はMPマテリアルズの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うMPマテリアルズの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はMPマテリアルズの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はMPマテリアルズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
MPマテリアルズの場合、右肩上がりに拡大していることが見て取れます。
EPS

上記はMPマテリアルズのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
MPマテリアルズの場合、右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はMPマテリアルズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
MPマテリアルズの場合、2020年以降は15%を大きく超える値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はMPマテリアルズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
MPマテリアルズの場合、2020年以降は30%を大きく超える水準で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はMPマテリアルズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
MPマテリアルズの場合、右肩上がりに大きく増加していることが見て取れます。
事業別収益
以下はMPマテリアルズの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
商品販売 | 517267 | 328563 | 133697 |
その他 | 10243 | 3389 | 613 |
合計 | 527510 | 331952 | 134310 |
配当金
現時点でMPマテリアルズは配当金を出していません。
MPマテリアルズが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
現在、MPマテリアルズは米国内でのレアアースの下流のサプライチェーンを統合することを進めています。
しかし、米国内での下流サプライチェーンの統合は進めているといっても今のところはレアアース精鉱の大部分を中国の精製業者への販売に依存している面があります。
そのため、現状は情勢不安による関税引き上げの応酬、レアアースの主要生産国である中国内での過剰供給による価格低下などにより大きな影響を受けることは避けられません。
よって現在、MPマテリアルズが進めている米国内でのレアアースの下流のサプライチェーンの統合は情勢不安や過剰供給といったリスクの低減に繋がります。
そのため、MPマテリアルズが米国内でのレアアースの下流サプライチェーンの統合を今後スムーズに進められるかが最も重要な部分となってくるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている証券会社のなかでMPマテリアルズの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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