本記事は、米国株の中でもスターバックスに関する内容や疑問に答えるものとなっています。
本記事では下記のような疑問に答えます
- スターバックスとは?
- 今後の見通しや将来性は?
- 収益や財務状況は?
- 取り扱っている取引所は?
- 競合企業は?
スターバックス(SBUX)とは?
スターバックスとは、1971年からシアトルを発とした高品質のアラビカ種の焙煎およびコーヒー小売を行う企業です。
コーヒーを中心にフラペチーノやジュース、紅茶なども提供してしています。
2022年現在、世界で34630店舗が運営されており、特に店舗の多くをアメリカと中国が占めています。
割合としては、アメリカと中国で店舗数の61%を占めていて、アメリカでは15544店舗、中国で5654店舗になります。
また、スターバックスの店舗は全てが直営店ではなく2022年現在約半数、49%の店舗がライセンス店となっています。
フランチャイズとライセンス店の違いとしては、フランチャイズの場合はより立地条件の制約が厳しくなりますが、ライセンス店の場合比較的自由な立地で展開することができます。
スターバックスは直営店以外はそのライセンス店というより立地の規制の少ない形態で事業を展開しています。
上記は、スターバックスの株価や決算日、企業のロゴなどを示したものになります。
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競合企業
競合企業としては、スターバックスに次ぐ店舗数を誇るマクドナルドや日本だとドーナツのイメージが強いかもしれませんが特にアメリカではコーヒーでも有名なダンキンドーナツなどがあります。
ちなみにダンキンドーナツはインスパイア・ブランズに買収され、上場廃止となっています。
一方で日本の企業で競合企業としては、香港や台湾、東南アジアなど海外への進出を強めているコメダ珈琲やドトールなどが挙げられるのではないでしょうか。
競合企業
- マクドナルド
- ダンキンドーナツ
- ドトール
- コメダ珈琲
今後の見通しや将来性
スターバックスは、ウーバーとも提携し、店舗以外でのサービスにも力を入れ始めていますが、今後米国における新店舗にはドライブスルーを設けていくことに言及しており、今後ますます店舗内以外でのサービスが広がることが期待されます。
特に車社会であるアメリカでのドライブスルーの需要は高いのではないかと思われます。
また、アメリカに次ぐ店舗数を誇ることからもわかるように、中国におけるコーヒー需要は年々増しており、2025年までには18兆円規模にものぼることが予想されています。
スターバックスもそれに合わせて、今後も店舗数が増加していくことが予想されますが、中国における展開は米中間の情勢不安など可能性も考えられるためやや懸念される点です。
財務状況
以下はスターバックスの収益や財務状況に関するものとなっています。
営業利益
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上記のグラフは、スターバックスの毎年の営業利益を示したものになります。
営業利益とはそもそも本業でどれくらいの利益を得られているのかという指標です。
一般的にはブレが少なく、安定的に増加しているほど評価されます。
スターバックスの場合、コロナのロックダウンなどの影響で店舗の休業をせざるおえなかった2020年は例年の半分の営業利益となりましたが、それ以外の年では全体として右肩あがりとなっていることがわかります。
EPS

上記のグラフは、EPS(1株当たりの利益)を表したグラフです。
この指標は、企業の収益力を示した数値で一般的には右肩あがりとなっているかが注目される点です。
スターバックスでは2014年から2015年で下落、その後2020年を除くとおおかた右肩あがりとなっています。
営業利益率

上記のグラフは、営業利益率を示したグラフです。
この指標はどれほど儲かるビジネスを行っているかという指標になります。
一般的には10%〜15%前後が優良な水準だとされていますが、スターバックスの場合、コロナの影響を受けた2020年以外はおおよそ10%以上をキープしています。
自己資本比率

上記のグラフは、自己資本比率を示したグラフとなります。
この指標は、どれくらいが会社自体のお金であるのかを示しており、主に安定性を示す指標となっています。
目安としては30%以上が理想のラインですが、スターバックスは基本的に10%を切っており、2019年以降はマイナスの状態です。
このマイナスの状態は債務超過の状態であり、総資本より債務の方が多い状態です。
2019年以降マイナスの幅は縮小していますが、今後プラスに転換できるかが気になるところです。
営業によるCF
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上記の表は営業によるCFを表しています。
この営業によるCFは企業における手元現金の推移を示していますが、スターバックスの場合、2018年から2020年までは減少傾向が見られましたが、2021年には増加に転じています。
配当性向

上記は配当性向を示したものとなります。
この配当性向は、利益のどれくらいを配当として還元しているのかという指標になりますが、おおよそ50%未満が健全なラインだ一般的に考えられています。
スターバックスの場合、コロナ禍により大幅に営業利益が下がった2020年でも例年と同じように配当を出したため、100%を超えて吐出した割合になりましたが、それ以外ではおおよそ50%前後で推移しています。
これ以上、配当性向の割合が上がってくると同じ水準で配当を出すのは厳しくなってくるのではないかと思われます。
事業別収益
下記は、スターバックスの事業別の純収益を示したものになっています。
純収益 (百万$) | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 |
直営店 | 19690.3 | 21544.4 | 19164.6 | 24607 |
ライセンス | 2652.2 | 2875 | 2327.1 | 2683 |
その他 | 2377 | 2089.2 | 2026.3 | 1770 |
合計 | 24719.5 | 26508.6 | 23518 | 29060.6 |
収益の大半は直営店によるものであり、ロックダウンなどがあった2020年を除くと直営店及び全体としての収益は伸びていますが、ライセンス店やその他の収益の分野では2019年以前の水準に戻りきれていないことが窺えます。
配当金推移
下記は、スターバックスの配当金推移を示したグラフになります。
西暦 | 1年間の配当金 |
2014 | 1.1$ |
2015 | 0.84$ |
2016 | 0.85$ |
2017 | 1.05$ |
2018 | 1.32$ |
2019 | 1.49$ |
2020 | 1.68$ |
2021 | 1.84$ |
2014年から2015年でやや年間の配当金の額が下がりましたが、2015年以降は、一貫して増配を行っていることが見て取れます。
コメント・考察
スターバックスは、直営店の他に自由度高く、立地条件の規制の少ないライセンスという形態を活かして店舗数を増やしていますが、フランチャイズよりも良い立地が取りやすく比較的うまく行っている様子が伺えます。
また、スターバックスは品物の値段が他のコーヒーを提供する店よりもやや高く、比較的ブランド価値を高めることに成功しているように思われます。
これにより、他のコーヒーを提供する店などと差別化でき、安売りをしなくてよくなる点で価格競争に巻き込まれづらくなることは利点だと言えるでしょう。
一方で差別化している分、コーヒー豆にもスターバックスはこだわっているようで、おおよそアラビカ種とロブスタ種の2種あるコーヒー豆の中でより環境の変化や病気には弱いが風味の良いアラビカ種のみを使っているようです。
そのため、仮にアラビカ種の方に環境の変化や病気などが起きた場合、以前マクドナルドがジャガイモの品質が違うことで代用できずポテトの販売を制限したようにロブスタ種では代用できない点はリスクとも言えるでしょう。
加えて、出店の割合がアメリカと中国で約半数を超えていて地域に偏りがある点、財務状況に不安がある点がやや気になる点と言えるのではないでしょうか。
取り扱っている取引所
下記は米国株を取り扱っている日本の主な証券会社でスターバックスの取り扱いの有無を示したものになります。
基本的に米国株を取り扱っている証券会社では取り扱われていることがわかります。
証券会社名 | 楽天 | マネックス | sbi | DMM | 松井 | Pay Pay | 大和 | 野村 |
取り扱いの有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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