本記事は米国株の中でもウーバーに関する内容や疑問に答えるものとなっています。
本記事では下記のような疑問に答えます
- ウーバーとは?
- 今後の見通しや将来性は?
- 収益や財務状況は?
- 取り扱っている取引所は?
- 競合企業は?
ウーバー(UBER)とは?
ウーバーとは、配車サービス事業やフードデリバリー、輸送サービス事業を展開している企業です。
ウーバーと聞くと日本ではUber eatsのフードデリバリーのイメージが強いかもしれませんが、最初は、配車サービス事業からスタートしています。
このウーバーの配車サービスは、個人のドライバーと乗客を仲介するシェアリングエコノミーの代表的な事業の一つです。
下記の画像のようにウーバーの配車サービスではスマホアプリで仲介しています。
出典:社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究 (総務省)(みずほ情報総研株式会社)を画像サイズのみ加工
日本ではウーバーの配車サービス事業は、免許の必要性や法律規制の面などからそれほど普及していませんが、海外では、既存のタクシーよりも格安で、アプリで配車を頼んだ時点でルートや料金が決まっており、ぼったくられる可能性が低いため、人気を呼んでいます。
一方で日本で有名なUber eatsのフードデリバリー事業の方は、アプリで手軽に配達の注文ができ、20カ国以上で事業を展開しています。
上記はウーバーの株価や決算日、企業のロゴなどを示したものとなります。
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競合企業
競合企業としては、ウーバーと同じくアプリによる配車サービスを行い、主に北米を中心に展開するLyftやフィンランド発祥のフードデリバリーサービスを展開するWoltなどが存在します。
また、日本で主に展開しているデリバリーサービス企業としてはLINEが主に出資している出前館があります。
一方で、中国に本社を置き、同じく配車サービスやフードデリバリーサービスを行うDiDiとはウーバーの中国事業をDiDiに株式と引き換えに売却した経緯があり、2022年現時点でウーバーはDiDiの株式の約11%ほど保有しています。
また、東南アジア地域では、同じくフードデリバリーや配車サービスを行うGrabに押されて東南アジア地域の事業を売却し、DiDiと同じように株式を保有、2022年現時点で約14%ほどのGrabの株式を保有しています。
主な競合企業
- Lyft
- DiDi
- Wolt
- Grab
- 出前館
今後の見通しや将来性
ウーバーの主力であるフードデリバリーや配車サービス事業において今後、人員不足や報酬コストの拡大から自動運転やロボットなどによるサービスを拡大する可能性が考えられます。
実際にウーバは自動運転に関わるMotionalと協力して、カリフォルニア州で試験的に自動運転車がフードデリバリーを行うサービスを開始しています。
まだ、試験的な段階ですが自動運転やロボットによるサービスを本格的に行えれば、長期的には人員不足や報酬コストの削減などにつながるのではないかと思われます。
また、ウーバーのライドシェア事業は基本的に様々な国で既存のタクシーを守るための法などで、規制対象であったり、グレーゾーンな部分でした。
しかし、ウーバーはグレイボールというプログラムをアプリに組み込んでいて、運転手が規制当局の者を乗せることを回避させ、その間に事業の既成事実を作ることで拡大していったという背景があります。
このようにウーバーのグレーゾーンを突っ走る姿勢は今までは上手くいっていた部分もあるかもしれません。
しかし、今後フードデリバリーやライドシェア事業以外の新しい事業を展開し始めた場合、このようなウーバーの手法が知られいている以上、以前よりも先手に警戒されていく可能性が高いのではないかと思われます。
財務状況
以下はウーバーの収益や財務情報に関するものとなっています。
営業利益
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上記のグラフは、ウーバーの毎年の営業利益を表したグラフとなっています。
営業利益とはそもそも本業でどれくらい利益を得られているのかという指標です。
一般的にはブレが少なく、安定的に増加しているほど評価されます。
ウーバーの場合、全体としてマイナスでありますが、特に2019年は吐出してマイナスの幅が大きくなっていることがわかります。
原因としては、2019年に利用者の増加があったものの、ドライバーへの報酬や配達部門でのコストが嵩んだ点などが挙げられます。
EPS

上記のグラフは、EPS(一株当たりの利益)を表したグラフです。
この指標は、企業の収益力を示した数値で右肩あがりとなっているかが一般的に注目される点です。
ウーバーでは全体としてマイナスとなっています。しかし、2019年以降徐々にマイナス幅を縮小させていることが分かります。
営業利益率

上記のグラフは営業利益率を示したグラフです。
この指標は、どれほど儲かるビジネスやっているかという指標になります。
基本的には10%〜15%以上が優良だとされる企業の水準だとされています。
ウーバーの場合、マイナスの状態から2019年には60%近くまで上昇しましたが、再びマイナスへと落ち込んでしまっています。
自己資本比率

上記の数値を示したグラフは、自己資本比率を示したグラフとなっています。
この指標はどれくらい会社自体のお金であるかを示しており、主に安定性を示す指標として使われています。
目安としては、30%以上が理想的だとされていますが、ウーバーの場合全体を通して30%を超えていて問題ない水準かと思われます。
営業活動によるCF
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上記のグラフは、営業によるCFを表しています。
この営業によるCFは企業における手元現金の推移を示しています。
ウーバーの場合、営業によるCFが全体を通してマイナスとなっていますが、これは事業を行っていても現金が手元に残っていないという状態です。
しかし、マイナス幅自体は減少の傾向が見られます。
事業別収益
下記のグラフはウーバーの事業別の収益の推移を示したグラフとなっています。
収益自体は表の全ての事業で増加傾向が見られますが、特に直近では貨物サービスの収益の増加が顕著に見られます。
収益 (百万$) | 2021 Q1 | 2021 Q2 | 2021 Q3 | 2021 Q4 | 2022 Q1 |
配車サービス | 853 | 1617 | 2205 | 2278 | 2518 |
デリバリーサービス | 1741 | 1964 | 2238 | 2420 | 2512 |
貨物サービス | 301 | 348 | 402 | 1080 | 1824 |
配当金推移
現時点ではウーバーは配当金を出していません。
現在の段階では、配当によって株主に還元するというよりは事業を拡大、成長させるために資金を使っていくと考えられます。
コメント・考察
ウーバーの行っているフードデリバリーや配車事業は、従来の雇用形態とは違い、業務委託型の契約です。
問題点がよく指摘される形態ですが、企業側から見ると雇用ではなく請負であるため、労災保険などを負わなくてよかったり、直接雇用されている際にリストラをしにくいといった問題が発生しづらいです。
そのため、今後の見通しの部分でも記述したように自動運転やロボットの導入が従来型のタクシーや配達業よりもスムーズに進む可能性が高く、初期投資は高いかもしれませんが効率化につながる可能性は高いのではないかと思います。
一方で、ウーバーの展開する市場では新しい企業が次々と参入していて、すでに中国や東南アジアなどでは一部撤退を余儀なくされていて苦戦を強いられている点はやや懸案点と言えるのではないでしょうか。
また、インドの市場でも地元の配車サービスであるオラキャブスや地元のタクシー業者との問題を抱えたり、一斉休業に追い込まれたりした事態もありました。
米国などでの既存のタクシー業界の障壁をウーバーがある種グレーゾーンとも取れる方法で突破してこれたのは、問題視されることも多かったとはいえ元CEOで創業者のトラビス・カラニック氏の存在も大きいと思われます。
しかし、現在9割以上の株式を売却し、CEOの座からも居なくなったウーバーが再びインドや中国、その他大きな市場で展開していく場合、既存の業界や規制、競合とどの程度覇権を争っていけるかは疑問が残ります。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を主に取り扱っている取引所のなかでウーバーを取り扱っているかの有無を表した表となっています。
下記の表で示されている取引所では全ての取引所で取り扱いが行われていることがわかります。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | 松井 | Pay Pay | 野村 | 大和 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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