今回は米国株の中でもフォード・モーター(F)に関するものとなっています。(https://corporate.ford.com/home.html)
本記事はこのような疑問に答えます。
- フォード・モーターとはどのような企業か?
- フォード・モーターの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- フォード・モーターの配当金は?
フォード・モーター(F)とは?
フォード・モーターはヘンリー・フォードによって設立され、かつてベルトコンベア式組み立てラインを導入したことで有名にもなった米国の自動車メーカーです。
主要な自動車ブランドとしてはフォードや高級車向けのリンカーンがあり、2022年では約423万台の車両を卸売販売しています。
主にフォードトラックやSUV、商用バン、乗用車やリンカーンの高級車などを展開し、コネクテッドサービスとともに提供、サービスパーツや付属品なども展開しています。
車両は主にディーラーを通して販売されていますが、2022年では9955の販売店舗が存在しています。
また、フォードクレジットも展開しており、自動車購入における融資サービスといった自動車金融商品なども展開しています。
加えて電気自動車の開発やArgoAIといった自動運転システムへの開発や投資なども行なっています。
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競合企業
フォード・モーターの競合企業としては米国の自動車メーカーであるゼネラル・モーターズや電気自動車を展開しているテスラがあります。
また、ガソリン車やハイブリッド車を展開しているトヨタやドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンなどが挙げられます。
- ゼネラル・モーターズ
- テスラ
- トヨタ
- フォルクスワーゲン
フォード・モーターの将来性
フォード・モーターの将来性としては不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては自動車市場での競争の激化が挙げられます。
例えば、ガソリン車においてはフォード・モーターは競合であるトヨタやフォルクスワーゲンにおされており、実際に世界的な販売台数や市場シェアにおいてはこれらの競合に劣っている部分があります。
特に欧州やアジアといった市場では競合の自動車と比較すると燃費が悪いなどの問題があり、苦戦しているのが現状です。
一方で新しい市場である電気自動車においても競合であるテスラやゼネラル・モーターズと比較すると生産台数などで遅れている部分があります。
実際に2022年におけるEV車の生産台数はテスラが約136万台、ゼネラル・モーターズが約100万台なのに対してフォード・モーターは約4万6000台程度にとどまっています。
また、充電インフラにおいても直近ではフォード・モーターはテスラ規格を採用することで合意し、充電規格の覇権争いでもおされている形でフォード・モーターのEV顧客から得られる充電収入を競合のテスラに譲るような方向性で進んでいます。
このような自動車市場での競争の激化は懸念点の一つだと言えるでしょう。
もう一つの理由としては全米自動車労働組合の要求が挙げられます。
例えば、直近に全米自動車労働組合はフォード・モーターなどの自動車メーカーに対して賃金を平均40%引き上げることなどの要求を行なっています。
全てを呑むことは無いにしても、妥協点を探る際にある程度の賃上げは呑む可能性はあり、人件費などのコストが大きく増加する可能性は高いと言えるでしょう。
そのことにより収益性の悪化、現在投資の拡大を行なっているEVへの開発への悪影響が及ぶ可能性が考えられます。
そのため、この全米自動車労働組合からの要求は懸念点だと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとフォード・モーターの将来性としては不透明な部分があるかと思われます。
フォード・モーターの今後に対する期待度
以下はフォード・モーターの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うフォード・モーターの今後に対する期待度にぜひ投票してきてください。
財務状況
以下はフォード・モーターの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はフォード・モーターの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
フォード・モーターの場合、2020年以降上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はフォード・モーターのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされています。
フォード・モーターの場合、右肩上がりとはなっていません。
営業利益率
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上記はフォード・モーターの営業利益率を示したものです。
営業利益率は10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
フォード・モーターの場合、10%を下回っていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はフォード・モーターの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
フォード・モーターの場合、全体として30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はフォード・モーターの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
フォード・モーターの場合、2020年以降減少傾向にあることが見て取れます。
配当性向
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上記はフォード・モーターの配当性向を示したものです。
フォード・モーターの場合、2021年に大幅に減少していることが見て取れます。
配当金
以下はフォード・モーターの直近10年の年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 0.5$ |
2021 | 0.1$ |
2020 | 0.15$ |
2019 | 0.6$ |
2018 | 0.73$ |
2017 | 0.65$ |
2016 | 0.85$ |
2015 | 0.56$ |
2014 | 0.48$ |
2013 | 0.4$ |
コメント・考察
フォード・モーターは燃費などの観点から世界的にはガソリン車において競合に苦戦が続いていた部分があるため、EVへの注力は転換点にできる部分はあるでしょう。
実際にフォード・モーターは2026年までに年に200万台のEVを生産できる体制を整えることを目標にEV開発への投資を行っています。
また、フォード・モーターにおいて人気の高いピックアップトラックのF-150を電動化したF-150ライトニングを発表し、すでに12万件以上の予約を獲得するなど自社のブランドを活かし、EV化を進めています。
しかし、現状は生産台数においてテスラの足元にも及ばない状況であり、充電ステーションの開発でも遅れており、電気自動車市場でも強力な競合に遅れをとる状況が続いています。
フォード・モーターにとっては世界的には競合に苦戦していたガソリン車からEVへの転換は巻き返しを図るチャンスとも言えますが、現状ではEVにおいても競合との競争で不透明感が漂う状況だと言えるでしょう。
一方でフォード・モーターは現状でも高利回りの配当を出していますが、直近では減配を繰り返しており、EV事業への費用がかさんだり、労働組合との交渉の結果によっては再び減配へとつながる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
フォード・モーターはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でフォード・モーターの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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