今回は米国株の中でもTスタンプ(IDAI)に関する内容となっています。(https://truststamp.ai)
本記事はこのような疑問に答えます。
- Tスタンプとはどのような企業か?
- Tスタンプの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や決算などの財務状況は?
- Tスタンプの配当金は?
Tスタンプとは?
Tスタンプは企業や政府、ピアツーピア市場向けのID認証ソフトウェアを開発、販売している企業です。
主に人工知能技術を活用してデジタル身元認証ソリューションを提供しています。
主要な製品としてはIT2ソリューションがあり、指紋や顔などの生体情報を数字や文字、記号などでスキャンし、ディープニューラルネットワークが独自の不可逆的なトークンIDに変換することで生体認証による身元確認を可能にします。
また、ライセンスを通じてTスタンプの技術は顧客が様々なアプリケーションで利用が可能で例えば、サードパーティの生体認証やID認証のオーバーレイなどに活用することができます。
主な顧客としてはS&P500の銀行やマスターカードがあり、2022年には総収益の33.6%を占めていました。
a
競合企業
Tスタンプの競合企業としてはノルウェーに拠点を置き、指紋認証センサーの製造などを行っているネクスト・バイオメトリクスやバイオメトリクス技術を活用したセキュリティソリューションを展開しているISEMIAがあります。
また、顔認証技術を活用したFaceTecや指紋認証技術や音声認識技術などの開発に取り組んでいるSynapticsなどが挙げられます。
- ネクスト・バイオメトリクス
- ISEMIA
- FaceTec
- Synaptics
Tスタンプの将来性
Tスタンプの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
理由としてはまず一つに生体情報を利用し、個人を識別するバイオメトリクスの需要がますます期待できる点が挙げられます。
例えば、オンライン上での取引が増加しており、その中でも金融取引や電子商取引では高度なセキュリティが必要で銀行やフィンテックサービスの口座開設やKYCなどで生体情報による識別の導入が増加してきています。
そんな中でTスタンプは、生体情報を不可逆的なトークンIDに変換することで認証を行うため、直接写真やバイオメトリクスのテンプレートをそのまま保存するというリスク無しに生体認証を行うことができます。
よって生体情報を活用した認証を行えつつ、不可逆的であるためにIDからユーザーの顔を再構築できず、写真などの保存も必要無いため、個人情報のプライバシー保護も両立を行えます。
また、顧客のニーズに合わせてオンプレミスやSaaSの両方で提供しており、今後ますます増加するであろうバイオメトリクス技術の需要にTスタンプが答えられる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、新興市場では金融へのアクセスが依然として制限されている点が挙げられます。
例えば、新興市場では身分証明書の取得が困難であったり、偽造される率が高かったりと従来の方法では身分証明が困難な部分があります。
具体的にはUNSGSAによると新興市場の1億3100万の中小企業は金融のアクセスがなかったり、世界銀行のGlobalFindexDatabase2021によると2021年時点で14億人が銀行へのアクセスができていません。
このような新興市場での金融へのアクセスが制限されている部分においてTスタンプのバイオメトリクス技術を活用することでKYC要件を満たすことができます。
この点で金融機関が新興市場へのアクセスを増やす手段としてTスタンプのバイオメトリクス技術が活用される可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
このような部分を鑑みるとTスタンプの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
Tスタンプの今後に対する期待度
以下はTスタンプの今後に対する期待度を示したものです。
期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うTスタンプの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はTスタンプの決算などの財務状況などを示したものです。
営業利益
-108.png)
上記はTスタンプの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
Tスタンプの場合マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS

上記はTスタンプのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
営業利益率
-109.png)
上記はTスタンプの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
Tスタンプの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
-112.png)
上記はTスタンプの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示したもので30%以上がおおよその目安とされています。
Tスタンプの場合、2022年に一桁台にまで大きく減少していることが見て取れます。
営業活動によるCF
-104.png)
上記はTスタンプの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
Tスタンプの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
配当金
Tスタンプは現時点で配当金を出していません。
Tスタンプが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
バイオメトリクスの市場はGrandViewResarchによると2023年の411億ドルから2030年には1506億にまで拡大することが予測されています。
そのため、Tスタンプが展開しているバイオメトリクス技術の需要も増加していく可能性は高いと言えるでしょう。
しかし、現状依然として顧客層に偏りがあるのが現状です。
例えば、以前はS&P500の銀行が収益のほとんどを占めている状態でした。
現在はS&P500の銀行の他にマスターカードやFISといった顧客層を増やしていますが、それでもなお顧客の層には偏りがあるのが現状です。
ただし、Tスタンプの経営陣の意見ではパートナーシップなどを通じて現状の顧客がいなくても業務を行うことは可能だとされていますが、そうなると財政悪化は否めず、やはり現状の顧客の維持かつ新規顧客の獲得による顧客の収益層の増加は注視する必要があるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでTスタンプの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 無 |
SBI | 有 |
マネックス | 無 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 無 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
---
コメント