今回は米国株の中でもアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)に関するものとなっています。(https://www.adm.com/en-us/)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドとは?
- アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの配当金は?
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)とは?
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は、大豆などの農産物の調達、加工、販売などを行っている企業です。
主な事業としては3つ存在し、農業サービス及び油糧種子や炭水化物ソリューション、栄養事業を展開しています。
まず、農業サービス及び油糧種子事業では農業原材料の生産、商品化、輸送、保管、大豆やひまわりの種、キャノーラ、綿実などの軟種子の破砕や植物油、タンパク質食品への加工を行っています。
破砕活動によって生産された粗植物油はグリーンディーゼルメーカーにそのまま販売されるか、再び脱臭や混合などによりサラダ油に精製、そのまま販売、もしくは水素添加などを行い、マーガリンやショートニング、その他食品に加工されます。
また、加工の副産物として生成される油糧タンパク質ミールは家畜用の飼料として第三者に販売されます。
加えて、ピーナッツやピーナッツ原料のサプライヤーとしても活躍しています。
次に炭水化物ソリューション事業ではとうもろこしと小麦を甘味料やコーン及び小麦デンプン、シロップ、グルコース、小麦粉、ブドウ糖など食品及び飲料業界で使用される製品に加工を行っています。
また、ブドウ糖の発酵によってアルコールなどを精製し、エチルアルコールといったガソリン用のエタノールや手の消毒液の製造、除湿粉砕の副産物であるとうもろこし胚芽は植物油とタンパク質ミールに加工されます。
一方で栄養事業では植物ベースのタンパク質、天然フレーバー、フレーバーシステム、天然色素、乳化剤、可溶性繊維、ポリオール、ハイドロコロイド、プレバイオティクス、プロバイオティクス、酵素、植物性食品を含む幅広い原料の製造、販売、流通に従事しています。
その他には先物事業や関連する保険事業なども行っています。
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競合企業
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの競合企業としては穀物や油糧種子、肉や飼料などを扱っているカーギルや同じく穀物や油糧種子の流通や製造、貯蔵販売などに関わるブンゲがあります。
また、フランスを拠点に穀物や油糧種子、コーヒーやココアなどを取り扱っているルイ・ドレフュスや穀物や油糧種子、金属や鉱物なども扱っているグレンコアなどが挙げられます。
- カーギル
- ブンゲ
- ルイ・ドレフュス
- グレンコア
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの将来性
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては参入障壁の高さが挙げられます。
例えば、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドは穀物の生産、加工、販売など穀物の流通事業に関わっていますが、穀物流通事業は穀物メジャーと呼ばれる5社が世界の穀物取引の約70%を取引しており、牛耳っているのが現状です。
一方でアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドは穀物メジャーの一角を成しており、穀物取引に必要な鉄道や船舶、倉庫や施設といった穀物の大規模な物流ネットワークや農家など生産者との長年の支援や信頼関係などを構築しています。
よって穀物の流通事業は寡占状態にあり、そのうえ新規事業者が新たに穀物の流通網を築くには膨大な資金とネットワーク構築が必要で参入障壁が高い部分はすでに穀物メジャーの一角としての地位を築くアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドにとっては強みだと言えるでしょう。
もう一つの理由としては穀物需要の増加が期待される点が挙げられます。
例えば、世界人口は今後も増加していくことが予測されており、2030年には約85億人にまで増加することが予測されています。
世界人口が増加していくにつれてその食料需要を満たす穀物や穀物に関連する製品の必要性は増していくことが考えられますが需要の増したこれらの製品を消費者に安全かつ品質を保ち、安定供給を行うためにより穀物の加工、流通事業の重要性が増すと考えられます。
そのため、穀物需要が増加することで比例してアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの穀物の加工、流通の事業の重要性も増すことが考えられる点で期待が持てる部分はあると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの将来性としては期待の持てる部分はあるのではないかと思われます。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの今後に対する期待度
以下はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、2019年以降右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、10%を下回っていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、全体として30%を大きく上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、2021年で転換していることが見て取れます。
配当性向
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上記はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの配当性向を示したものです。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの場合、2019年以降減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
農業、油糧種子 | 79563 | 67047 | 49716 |
炭水化物 | 13961 | 11110 | 8472 |
栄養 | 7636 | 6712 | 5800 |
その他 | 396 | 380 | 367 |
合計 | 101556 | 85249 | 64355 |
配当金
以下はアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの直近10年の年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.6$ |
2021 | 1.48$ |
2020 | 1.44$ |
2019 | 1.4$ |
2018 | 1.34$ |
2017 | 1.28$ |
2016 | 1.2$ |
2015 | 0.84$ |
2014 | 0.72$ |
2013 | 0.76$ |
コメント・考察
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの事業は新規の競合への参入障壁の高さや人間の生活に欠かせない穀物の流通に関わっていることを考えると需要は高く、比較的安定した事業だと言えるでしょう。
一方で気になる点としてはアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの気になる点としては、穀物や植物油などの価格に影響を受けやすい点が挙げられます。
例えば、直近では大豆を植物油とタンパク質のミールに分離する利益が大きく上昇し、株価を大きく押し上げましたが、この要因としては加工製品である植物油やタンパク質のミールが新興国市場での需要増加での価格上昇、原料である大豆の価格が低下したことなどが要因となっています。
つまり、おおよその傾向としては原料となる穀物価格が下がるまたは加工製品の価格が上がることで利益が拡大する一方で原料価格が上昇、加工製品の価格が下がると利益を圧迫するということになります。
世界における穀物需要が高まる中で長期的に見ると穀物価格は上昇していく可能性が高く、その点で原料価格の上昇により利益を圧迫していかないかは気になる部分だと言えるでしょう。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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