本記事は米国株の中でもブルームエナジー(BE)に関するものとなっています。(https://www.bloomenergy.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- ブルームエナジーとはどのような企業か?
- ブルームエナジーの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ブルームエナジーの配当金は?
ブルームエナジー(BE)とは?
ブルームエナジーは、固体酸化物燃料電池技術を活用した発電プラットフォームを展開している企業です。
主に展開しているソリューションとしてはBloomEnergyServerがあります。
BloomEnergyServerは天然ガスやバイオガス、水素などを燃料として使用できる個体酸化物燃料電池技術を活用し、電気化学プロセスを通じて電気を供給します。
そして、BloomEnergyServerはモジュール式で任意の数のBloomEnergyServerを構成でき、数百kwから数百MWまで提供可能、独立して稼働して顧客の主電源に接続することができます。
また、BloomEnergyElectrolyzerも提供しており、BloomEnergyElectrolyzerは余剰電力などを利用して水分子を電気分解し、水素を生成することができ、BloomEnergyServerと組み合わせて使用することも可能です。
加えて、すべてのEnergyServerに毎年更新される保守契約も提供しており、顧客が継続的な料金を支払う代わりにEnergyServerシステムの運用、監視、保守を提供しています。
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競合企業
ブルームエナジーの競合企業としては商業、産業向けに燃料電池発電システムを提供しているフューエルセルエナジーや燃料電池システムや燃料電池発電ソリューションを提供するナベラ・フューエル・セルズがあります。
また、イギリスに拠点を置き、商業用の燃料電池システムなど展開しているAFCエナジーや燃料電池製品やソリューションを提供しているバラード・パワー・システムズなどが挙げられます。
- フューエルセルエナジー
- ナベラ・フューエル・セルズ
- AFCエナジー
- バラード・パワー・システムズ
ブルームエナジーの将来性
ブルームエナジーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては燃料電池発電の需要が増加が期待できる点が挙げられます。
燃料電池発電システムは他の電力網に依存せず独立して発電できることや従来のディーゼル発電と比べて発電効率が高いこと、環境への負荷が低いことなどのメリットがあります。
そのため、電気の喪失が許されないデータセンターや他の重要な施設の非常用電源として使用されたり、独立性から災害が起きた時の電源としての需要が増している部分があります。
また、海上輸送では現在ディーゼルなどが主力動力として活用されていますが、炭素排出や環境汚染の原因の一つとされており、ディーゼルから燃料電池への導入が進められています。
よってブルームエナジーが展開する燃料電池発電システム、BloomEnergyServerもこれらの燃料電池発電に対する需要の恩恵を受けられる可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、BloomEnergyServerが固体酸化物燃料電池(SOFC)を活用している点が挙げられます。
固体酸化物燃料の他に競合する技術としては炭素酸化物燃料や個体高分子燃料、リン酸燃料などといったものがあります。
しかし、個体酸化物燃料と比較して炭素酸化物燃料は電気効率の低さや耐久性に問題があること、個体高分子燃料は高価な白金が必要なことや不純物による中毒影響、リン酸燃料では出力の安定性が低いなどの問題があります。
よって個体酸化物燃料は他の競合する技術よりも優位性があり、それを活用するBloomEnergyServerも優位性があると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとブルームエナジーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
ブルームエナジーの今後に対する期待度
以下はブルームエナジーの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うブルームエナジーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はブルームエナジーの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はブルームエナジーの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ブルームエナジーの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS
上記はブルームエナジーのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ブルームエナジーの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
営業利益率
上記はブルームエナジーの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ブルームエナジーの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はブルームエナジーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
ブルームエナジーの場合、全体として30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はブルームエナジーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ブルームエナジーの場合、2020年以降マイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はブルームエナジーの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 |
製品 | 880664 | 663512 |
設置 | 92120 | 96059 |
サービス | 150954 | 144184 |
電力 | 75387 | 68421 |
合計 | 1199125 | 972176 |
配当金
現時点でブルームエナジーは配当金を出していません。
ブルームエナジーが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ブルームエナジーの現状、主要な収益地域は米国や韓国となっており、これらの国や地域での再生可能エネルギーに関する政策はブルームエナジーの収益に大きく影響を及ぼすことになります。
実際にブルームエナジーの製品、BloomEnergyServerは米国のカリフォルニア州やコネチカット州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州などで購入者に対して税金の控除やインセンティブなどの対象となっています。
そのため現状、再生可能エネルギー技術の導入の奨励政策が追い風となっている部分がありますが、今後変更される可能性もあり、収益上の大きな注目点だと言えるでしょう。
また、ブルームエナジーの売上高は毎年少数の大規模顧客と販売代理店に依存しており、2022年時点で2社でそれぞれ収益の38%と37%を占めており、2社だけで約75%を占める形となっています。
少数顧客への依存度が大きく今後少数顧客への依存度を下げられるかが課題といったところでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでブルームエナジーの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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