本記事は米国株の中でもデボンエナジー(DVN)に関するものとなっています。(https://www.devonenergy.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- デボンエナジーとはどのような企業か?
- デボンエナジーの将来性は?
- 財務状況や取り扱っている証券会社は?
- デボンエナジーの配当金は?
デボンエナジーとは?
デボンエナジーは石油や天然ガス、NGLの探索や開発、生産に関わる独立系のエネルギー企業です。
2021年にはテキサス州やニューメキシコ州で石油や天然ガスの採掘や生産事業を行っていたWPXと合併を行なっています。
主な事業地域はアメリカの陸上部分でデラウェア盆地やアナダルコ盆地、ウィリストン盆地、イーグルフォード、パウダーリバー盆地で事業を展開しています。
ちなみに下記は主な事業地域の位置などを示したものです。
出典:Devon 2021 Annual Report
この5つの事業地域の中でもデラウェア盆地の事業が最も資本提供を行なっている地域で13のリグなどが存在し、石油や天然ガスの採掘を行い資本配分の約75%を受け取ることとなっています。
また、アナダルコ盆地では石油採掘事業なども行なっているダウとの共同開発、ウィリストン盆地では2021年に合併し、石油や天然ガスの採掘をしていたWPXの事業を部分を獲得して利益率の高い石油資源が得られます。
そして、イーグルフォードでは低コストで高い利益率を得られる地域となっており、パウダーリバー盆地では1つのリグを運用しており、新たな石油資源の開発を行っています。
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競合企業
デボンエナジーの競合企業としては、米国の陸上地域特にパーミア盆地などで石油や天然ガスなどの採掘や生産などを行なっているパイオニア・ナチュラル・リソーシズがあります。
また、米国のイーグルフォードやデラウェア盆地など地域やトリニダード・トバゴなどで石油や天然ガスの探査や採掘を行うEOGリソーシズや石油、天然ガスや化学製品事業を行いバークシャーが保有することでも有名なオクシデンタル石油があります。
その他にもコノコフィリップスやマラソンオイルなどといった企業が競合として挙げられます。
- パイオニア・ナチュラル・リソーシズ
- EOGリソーシズ
- オクシデンタル石油
- コノコフィリップス
- マラソンオイル
デボンエナジーの将来性
デボンエナジーの将来性としてはやや厳しいと言えるのではないでしょうか。
理由としてはまず、デボンエナジーが事業を行う米国での温暖化対策のための規制強化が挙げられます。
例えば、米国は温室効果ガス削減の枠組みであるパリ協定への復帰や2030年までにメタン排出を30%削減することを掲げたグローバル・メタン・プレッジなどへの支持を表明しています。
このような枠組みに関連して米国の国有地での石油や天然ガスの採掘を停止するなど米国での採掘地域が実質的に狭まったり、シェールオイルの採掘手法である水圧破砕法への規制強化などがあります。
実際にデボンエナジーも年次報告書によると2021年の12月時点でデラウェア盆地やパウダーリバー盆地に総借地の20%未満とはいえ国有地が存在し、影響を受ける可能性は高いと思われます。
また、資金的にも金融機関が石油や天然ガスに関連する投資の制限や排除で資金調達が厳しくなることや石油関連企業に温暖化などの費用的な責任を負わせるような動きも出てきています。
このような流れの中で、短期的には寒波などで一時的に石油や天然ガス関連企業に追い風となったとしてもやはり長期的に見ると石油天然ガス関連企業への規制強化など厳しい状況が続く可能性の方が高いと思われます。
また、デボンエナジーの収益は石油や天然ガス価格に大きく依存しており、競合と比較しても事業規模は小さいため、今後石油や天然ガス価格が低迷しかつ長引いた場合に耐えらるかにやや疑問があります。
これらの点を考えるとデボンエナジーの将来性としては不透明な部分が多いかと思われます。
財務状況
以下はデボンエナジーの財務状況を示したものです。
営業利益
上記はデボンエナジーの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示すものです。
デボンエナジーの場合、2018年から2020年にかけては減少傾向かつ2020年にはマイナスの値にまで減少しましたが、2021年には一点して大きくプラスになっていることが見て取れます。
EPS
上記はデボンエナジーのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となります。
デボンエナジーの場合、2016年や2020年はマイナスの水準であったりと右肩あがりとはなっていないことが見て取れます。
営業利益率
上記はデボンエナジーの営業利益率を示したものです。
営業利益率はおおよそ10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
デボンエナジーの場合2018年や2021年など水準に到達していたり、大きく超えている年もある一方で2019年や2020年のように大きく下回る年もあり、増減が大きいことが見て取れます。
自己資本比率
上記はデボンエナジーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
デボンエナジーの場合、2020年は一時的に30%を若干下回ったものの全体としてはおおよそ40%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はデボンエナジーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
デボンエナジーの場合、2018年から2020年にかけては減少傾向にありましたが、2021年には一点して大きく増加していることがわかります。
配当性向
上記はデボンエナジーの配当性向を示したものです。
デボンエナジーの場合、2016年や2020年では大きなマイナス幅となっていますが、それ以外の年ではおおよそ配当性向はエネルギー銘柄にしては低めのプラス幅にとどまっています。
事業別収益
収益(百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
石油、天然ガス、NGL販売 | 9531 | 2695 | 3809 |
デリバティブ | -1544 | 155 | -454 |
マーケティング、ミッドストリーム | 4219 | 1978 | 2865 |
合計 | 12206 | 4828 | 6220 |
上記はデボンエナジーの事業別収益を示したものとなっています。
全体としては2020年に一旦収益は落ち込んでいますが、その後2021年には大きく改善しています。
一方でデリバティブに関しては2021年にマイナスが拡大している点が見て取れます。
配当金
下記はデボンエナジーの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 5.17$ |
2021 | 1.97$ |
2020 | 0.68$ |
2019 | 0.35$ |
2018 | 0.3$ |
2017 | 0.24$ |
2016 | 0.42$ |
2015 | 0.96$ |
2014 | 0.94$ |
2013 | 0.86$ |
コメント・考察
デボンエナジーは2022年の配当利回りが8%を超えるなど配当をメインに保有する人達にとっては一見すると魅力的に見えるかもしれません。
しかしながら、デボンエナジーの配当に関しては固定プラス変動という配当戦略をとっていて財務状況に応じて配当金が大きく変動する可能性が高いです。
そのため、他のエネルギー企業のように増配が続く可能性は低いでしょう。
また、現状は短期的に石油価格などが寒波や情勢によって上昇し、追い風となっているから変動の部分で配当額が増し、配当利回りが高くなっていると思われます。
一方で石油価格などが下がれば収益は低下する可能性が高く、減配となり配当利回りは下がる可能性が高いです。
そのため、デボンエナジーは他の増配を重視し、多少収益が下がっても増配するような企業とは違い、増配には固執しない可能性が高く、一定の配当や増配を求める投資家にとってはあまり好ましくはないとも言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでデボンエナジーの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | 松井 | PayPay | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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