本記事は米国株の中でもユナイテッドヘルス・グループ(UNH)に関するものとなっています。(https://www.unitedhealthgroup.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- ユナイテッドヘルス・グループとはどのような企業か?
- ユナイテッドヘルス・グループの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ユナイテッドヘルス・グループの配当金は?
ユナイテッドヘルス・グループとは?
ユナイテッドヘルス・グループは医療保険サービスやヘルスケア製品などを提供している企業です。
主な事業としては2つ存在し、Optumとユナイテッドヘルスケアといった事業を展開しています。
まず、OptumではOptumHealthやOptumInsight、OptumRxといった事業があり、データ分析や薬局ケアサービス、医療専門知識などを組み合わせて医療提供の質やサービスを向上させるガイダンスやツールを提供しています。
例えば、OptumHealthでは1次治療や緊急治療、外科治療などの提供や慢性的なケア、デジタル医療、健康金融サービスなどを提供、OptumInsightでは医療システムにおいてデータ分析やコンサル、調査、マネージドサービスなどを提供して臨床や管理、財務の効率化を促進。
また、OptumRxでは6万7000を超える小売薬局ネットワークを通じて宅配薬局や専門薬局、地域医療薬局、在宅、地域医療ベースの点滴サービスの提供や希少疾患、遺伝子治療のサポートを通じて多様な薬局ケアサービスを提供しています。
一方でユナイテッドヘルスケアでは大企業から中小企業の雇用主、個人事業主、公益事業者の雇用主向けに健康給付サービスやプランの提供、メディケアやメディケイド、退職金サービスなども提供しています。
a
競合企業
ユナイテッドヘルス・グループの競合企業としては医療保険や公的保険プログラムなども提供しているアンセムや医療保険、ヘルスケアサービスなどを提供しているヒューマナがあります。
また、医療保険会社のAetnaを傘下に置き、薬局サービスなども展開しているCVSヘルスや米国で医療保険事業を行っているセンティーンなどが挙げられます。
- アンセム
- ヒューマナ
- CVSヘルス
- センティーン
ユナイテッドヘルス・グループの将来性
ユナイテッドヘルス・グループの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては米国の高齢化率の高まりが挙げられます。
例えば、米国でも高齢化率が高まっており、米国での高齢化率は2021年では16.21%だったものが2050年には20.6%までに達することが予測されています。
一方でユナイテッドヘルス・グループは高齢化によって需要を高めやすい医療保険を提供している上に、高齢者向けの公的な医療保険サービスであるメディケアを提供しています。
そのため、主要市場である米国の高齢化率の高まりはユナイテッドヘルス・グループの医療保険製品の需要を増加させる可能性が高く、また予防医療やケアサービスなどの新たなビジネス市場の拡大させられる可能性が高いと言えるでしょう。
よって主要市場である米国の今後の高齢化率の高まりはユナイテッドヘルスの市場拡大にはプラスの部分があるかと思われます。
もう一つの理由としては競合企業の参入障壁の高さが挙げられます。
例えば、医療保険やマネージドケアの市場は規制やライセンス、要件などが厳しく参入障壁が大きい部分があります。
また特にユナイテッドヘルス・グループの売上の38%と大きな割合を占めるCMSといった公的な保険に関してはさらに政府との契約、交渉と言ったものが必要となり、参入障壁が大きいです。
米国の医療保険において最大のシェアを誇り、公的な保険によっても大きな売り上げを得るユナイテッドヘルス・グループにとってこの競合が参入しにくい現状の医療保険市場はプラスだと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとユナイテッドヘルス・グループの将来性としては期待できる部分はあるのではないでしょうか。
ユナイテッドヘルス・グループの今後に対する期待度
以下はユナイテッドヘルス・グループの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うユナイテッドヘルス・グループの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はユナイテッドヘルス・グループの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はユナイテッドヘルス・グループの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ユナイテッドヘルス・グループの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記はユナイテッドヘルス・グループのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ユナいてッドヘルス・グループの場合、右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はユナイテッドヘルス・グループの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ユナイテッドヘルス・グループの場合、10%を下回っていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はユナイテッドヘルス・グループの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ユナイテッドヘルス・グループの場合、30%は全体として上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はユナイテッドヘルス・グループの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ユナイテッドヘルス・グループの場合、増加傾向にあることが見て取れます。
配当性向
上記はユナイテッドヘルス・グループの配当性向を示したものです。
ユナイテッドヘルス・グループの場合、横ばいであることが見て取れます。
事業別収益
以下はユナイテッドヘルス・グループの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
保険料 | 257157 | 226233 | 201478 |
製品 | 37424 | 34437 | 34145 |
サービス | 27551 | 24603 | 20016 |
その他投資 | 2030 | 2324 | 1502 |
合計 | 324162 | 287597 | 257141 |
配当金
以下はユナイテッドヘルス・グループの直近10年の年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 6.4$ |
2021 | 5.6$ |
2020 | 4.83$ |
2019 | 4.14$ |
2018 | 3.45$ |
2017 | 2.875$ |
2016 | 2.375$ |
2015 | 1.875$ |
2014 | 1.405$ |
2013 | 1.0525$ |
コメント・考察
ユナイテッドヘルス・グループは健康保険市場で最大の地位を築きかつ、メディケアやメディケイドといった公的な保険サービスも提供しており、基本的には安定的な収益基盤を築いていると言って良いでしょう。
しかし、注意点としてはユナイテッドヘルス・グループは収益のかなりの割合をメディケア・メディケイド・サービス(CMS)の保険料収入に依存している部分があり、実際に2022年の売上高の38%を占めている部分が挙げられます。
実際にCMSは公的な保険サービスであるため、支払い方法や評価などが政治的な判断で大きく変わることが多いからです。
そのため、CMSの保険料収入が大きいユナイテッドヘルス・グループは公共政策による影響が大きく、これらの動きには注意が必要な部分があると言えるでしょう。
また、保険会社であるとともに薬剤給付管理なども扱っているのは利益相反ではないかという批判もあり、是正などを求められてくる可能性がある点は懸念点かと思われます。
ユナイテッドヘルス・グループはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でユナイテッドヘルス・グループの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
---
コメント