今回は米国株の中でもイオンキュー(IONQ)に関する内容となっています。(https://ionq.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- イオンキューとはどのような企業か?
- イオンキューの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- イオンキューの配当金は?
イオンキューとは?
イオンキューは量子コンピュータ技術を開発している企業です。
従来のコンピュータは0と1、オンとオフによって処理されていますが、量子コンピュータはゼロと1の両方を同時に存在できる量子ビットという単位を可能にし、より複雑な処理に対処が可能です。
イオンキューは量子コンピュータのハードウェア、ソフトウェア両方の開発を進めており、イオンをレーザーで補足し量子ビットとして利用するトラップ型のイオン量子コンピュータや量子アルゴリズムの開発や最適化に焦点を当てた独自のソフトウェア開発キットも開発しています。
また、AWSやAzureQuantum、CloudMarketplaceといった主要なクラウドプラットフォームを介して量子コンピュータにアクセスできるサービスとしての量子コンピューティング、QCaaSを進めています。
また、収益化方法としては、量子コンピュータ専用のハードウェアの販売やクラウドベースからの量子コンピュータへのアクセスによるもの、GEReserchやHyundaiなどのパートナーシップによる協業などから収益化を進めています。
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競合企業
イオンキューの競合企業としてはカナダに拠点を置き、量子コンピュータの開発を行っているD-WaveSystemsや量子コンピューティングの開発に取り組んでいるXanaduがあります。
また、イギリスに拠点を置き、量子コンピュータ向けのハードウェアやソフトウェアの開発を行っているQuantumMotionや光量子コンピュータ技術を開発しているPisQuantumなどが挙げられます。
- D-WaveSystems
- Xanadu
- QuantumMotion
- PisQuantum
イオンキューの将来性
イオンキューの将来性としては不安定な部分があると言えるでしょう。
まず、一つ目の理由としては依然として量子コンピュータには不正確な部分がある点が挙げられます。
現状、通常のコンピュータと違い、0と1が同時に存在する量子ビットという単位を生み出すことで処理速度の高速化などを目指していますが、この量子ビットの状態は非常にデリケートな部分があります。
そのため、温度変化や放射線など外部のノイズによって量子ビットの状態が簡単に破壊されることで量子ビットの状態での誤り率が高くなり、従来のコンピュータと比較すると計算の誤りが多いという問題が依然として存在しています。
2つ目の理由としては現状量子コンピュータには複数の種類があり、どの量子コンピュータが覇権を握るのかは依然として不透明な点が挙げられます。
例えば、イオンキューが開発しているのはイオンをレーザーで補足するトラップ型量子コンピュータを開発していますが、他にも超伝導回路を用いて量子ビットを実現するトランジスタ型量子コンピュータや光子を用いた光量子コンピュータなど複数の量子コンピュータが存在します。
そのため、現状どの量子コンピュータが商業的に活用され、覇権を握るのかはいまだに不明な部分があり、必ずしもイオンキューが展開するようなイオントラップ型量子コンピュータが覇権を握っていくかは不透明な部分があるかと思われます。
よってイオンキューの将来性としては不透明な部分があると言えるでしょう。
イオンキューの今後に対する期待度
以下はイオンキューの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うイオンキューの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はイオンキューの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はイオンキューの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業得た利益を示したものです。
イオンキューの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS
上記はイオンキューのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
イオンキューの場合、全体としてマイナスの値で推移しているますが、マイナス幅は縮小していることが見て取れます。
利業利益率
上記はイオンキューの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
イオンキューの場合、大きくマイナスの値となっていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はイオンキューの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
イオンキューの場合、全体として30%を大きく超えていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はイオンキューの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
イオンキューの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
配当金
現時点でイオンキューは配当金を出していません。
イオンキューが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
量子コンピュータは従来のコンピュータと比較して高速にシュミレーションが可能であるため、化学反応や物質の性質、遺伝子の解析や薬剤の設計などとった分野での需要は高いと言えるでしょう。
また、現状量子コンピュータの市場は依然として初期段階にありますが、年次報告書によるとイオンキューは収益の無い状態から2021年には210万ドル、2022年には1110万ドルと僅かながら収益を確認していることは進展だと言えるでしょう。
しかしながら、やはり量子コンピュータによる本格的な収益化は依然として程遠く今後も量子コンピュータの開発などの多額の費用でマイナスが続いていくと思われます。
加えて、多くの研究機関や企業が量子コンピュータの開発を進めてきており、今後競争も激化してくる可能性は高いです。
本格的な収益化の不透明さや競争激化、どの種類の量子コンピュータが覇権を握るかなど以前として懸念点は多く、イオンキューの先行きは現状不透明だと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でイオンキューの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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