本記事は米国株の中でもウェイスト・マネジメント(WM)に関するものとなっています。(https://www.wm.com)
本記事ではこのような疑問に答えます
- ウェイスト・マネジメントとは?
- ウェイスト・マネジメントの将来性は?
- 配当や取り扱っている証券会社は?
- ウェイスト・マネジメントの将来性は?
ウェイスト・マネジメント (WM)
ウェイスト・マネジメントは、米国やカナダで一番大きな廃棄物の回収や管理を行なっている企業です。
住宅や企業、地方自治体などから出る廃棄物を収集トラックで回収し所有、運営している340の中継基地でより容量の大きい集積トラックや鉄道で埋立地に運んでいます。
住宅の回収サービスでの収益は個人からのサブスク契約や自治体の税収から収益を得ています。
埋立地は米国、カナダで255の埋立地、5つの有害廃棄物の埋立地を所有、運営していてそのうちの144の埋立地では廃棄物から発生するメタンガスの活用事業を行なっています。
出典:環境省ホームページ (大きさのみ加工)
上記は大まかな廃棄物からのメタンガスの発生の仕組みを示したものです。
ウェイスト・マネジメントのメタンガス活用事業もおおよそこの原理を活用しているとされます。
144の埋立地のうち102の埋立地では発生したメタンガスを処理し、発電機に使用してその後電気事業者、自治体などの事業者へ販売。
また、そのほかは天然ガスに処理してパイプラインで天然ガス事業者に販売しています。
埋め立て以外の廃棄物の処理としては木材や金属、ガラス、建築資材、プラスチックなどはリサイクル事業も行なっていてリサイクル事業者への販売をしています。
また、2020年にはテキサス州で廃棄物の管理などを行なっていたAdvanced Disposal incを買収し、事業拡大を行なっています。
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競合企業
ウェイスト・マネジメントの競合企業としては、北米で2番目に大きく、おおよそ1400万人に対して同じく廃棄物の収集やリサイクル事業を行なっているリパブリック・サービシズが挙げられます。
また、41の州で事業を行い、北米で三番目に大きな廃棄物の回収、処理などを行うウェイスト・コネクションズが挙げられます。
そのほかにはカナダに拠点に廃棄物の処理などを行うGFL Environmental Incやプログレッシブ・ウェイスト・ソリューションズなどが挙げられます。
- リパブリック・サービシズ
- ウェイスト・コネクションズ
- GFL Environmental Inc
- プログレッシブ・ウェイスト・ソリューションズ
ウェイスト・マネジメントの将来性
ウェイスト・マネジメントの将来性としては期待できる部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては廃棄物処理市場の拡大が見込める点が挙げられます。
例えば、ウェイスト・マネジメントが中心に展開する米国を中心とした北米地域は今後も経済成長が予測されそれに伴う消費、廃棄物の量は増加することが考えられます。
そのため、ウェイスト・マネジメントの関わる廃棄物処理の北米における市場規模は、現在から2027年にかけて増加することが予測されています。
よって北米において最大の廃棄物処理事業者であるウェイスト・マネジメントが市場規模の拡大の恩恵は得られる可能性は高いかと思われます。
2つ目の理由としては、環境保護に対する取り組みの強化が挙げられます。
例えば、埋め立て地で発生するメタンガスによる発電や廃棄物からの再生可能天然ガスの販売は、米国環境保護庁から再生可能エネルギーと指定されています。
そのため環境の観点から今後石炭、石油による火力発電に対する規制が強まった場合、より環境に負荷の少ない天然ガスによる火力発電などが進むと天然ガスの需要は高まるため、廃棄物からガスの生成を行うウェスト・マネジメントにはプラスとなる可能性が考えられます。
また、米国環境庁がリサイク率の増加の目標を掲げて国家リサイクル戦略などを発表しており、リサイクル需要の増加に寄与し、リサイクル事業も行うウェイスト・マネジメントにとっては追い風となる可能性があります。
これらの点を鑑みるとウェイスト・マネジメントの将来性としては期待できる部分があると言えるのではないでしょうか。
ウェイスト・マネジメントの今後に対する期待度アンケート
以下はウェイスト・マネジメントの今後に対する期待度アンケートを示したものです。
ちなみに期待度の高い5から低い1までとなっています。
ご自身が思うウェイスト・マネジメントの今後に対する期待度にぜひ投票してみて下さい。
財務状況
以下はウェイスト・マネジメントの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はウェイスト・マネジメントの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は主に本業でどれくらいの利益を得たのかを示すものとなっています。
ウェイスト・マネジメントの場合、2020年はやや減少しましたが、その後は増加傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記のグラフは、ウェイスト・マネジメントのEPSを示したものとなっています。
EPSは一般的に右肩上がりとなっているかが注目されます。
ウェイスト・マネジメントでは2020年以外は基本的に右肩上がりとなっていて、基本的には良い推移の仕方だと思われます。
営業利益率
上記は営業利益率を示したものとなっています。
基本的に営業利益率は10%〜15%以上が優良とされる水準です。
2018年からやや営業利益率が減少しつつありましたがその後反転、基本的には15%を超えていて問題の無い水準かと思われます。
自己資本比率
上記はウェイスト・マネジメントの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率の目安はおおよそ30%以上だとされていますがウェイスト・マネジメントの場合、2018年から減少が続いていてやや安定性の面では不安が残ります。
営業活動によるCF
上記は営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは企業の手元現金の推移を示していますが、ウェイスト・マネジメントの場合は2020年を除いて基本的に増加傾向にあることが分かります。
配当性向
上記はウェイスト・マネジメントの配当性向を示したものとなっています。
2014年以降下落、2018年には40%台まで下落し、その後2020年に50%まで戻りましたがその後は40%台で落ち着いています。
基本的にウェイスト・マネジメントは2014年以降も増配をしていますが、配当性向は下がっているため、今後も配当に関しては増配の余地があると見てとれるのではないか思います。
事業別収益
事業別収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 |
集積 | 13169 | 11675 | 10053 | 10240 |
埋立 | 4600 | 4153 | 3667 | 3846 |
運搬 | 2143 | 2072 | 1855 | 1820 |
リサイクル | 1701 | 1681 | 1127 | 1040 |
その他 | 2405 | 2112 | 1776 | 1758 |
会社間 | (4320) | (3762) | (3260) | (3249) |
合計 | 19698 | 17931 | 15218 | 15455 |
上記はウェイスト・マネジメントの事業別の収益を示したものとなっています。
その他の事業には埋立地でのガス事業や建設、修繕サービスなどが含まれています。
また、会社間となっている事業は、ウェイスト・マネジメントの関連会社間の取引で、合計から引かれるものとなっています。
2020年の運搬や埋め立て事業が減少しているのは、商業や産業においての回収事業での収益が低下したためだと見られています。
配当金推移
以下はウェイスト・マネジメントの直近10年の年間配当の推移を示したものとなっています。
ウェイスト・マネジメントの場合、直近10年では増配が続いていることが分かります。
西暦 | 配当金 |
2022 | 2.6$ |
2021 | 2.3$ |
2020 | 2.18$ |
2019 | 2.05$ |
2018 | 1.86$ |
2017 | 1.7$ |
2016 | 1.64$ |
2015 | 1.54$ |
2014 | 1.5$ |
2013 | 1.46$ |
コメント・考察
財務状況において、自己資本比率がやや下がってきている点は気になりますがEPSの順調な伸びや増配している割には配当性向が下がってきていることなど一定の評価はできる点かと思います。
廃棄物の収集や処理の市場は大幅な市場拡大というのはあまり期待できないですが、ゴミの削減という風潮はあるものの、完全に無くすのは不可能に近いでしょう。
加えて、ウェスト・マネジメントはリサイクルの事業にも取り組んでいるため、リサイクルに回ったとしても事業は成り立つと考えられ、事業自体がなくなることは考えづらいのでは無いかと思います。
一方で、リサイクルの分野などにおいて例えばプラスチックは輸出規制の条約が採択されたことや埋立地でのメタンを含む温室効果ガスの排出制限などの法律や条約の規制に影響を受ける可能性は高いと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱う主な日本の証券会社でウェイスト・マネジメントの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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