本記事は米国株の中でリゲッティ・コンピューティング(RGTI)に関するものとなっています。(https://www.rigetti.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- リゲッティ・コンピューティングとはどのような企業か?
- リゲッティコンピューティングの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況など解説
- リゲッティ・コンピューティグの配当金は?
リゲッティ・コンピューティングとは?
リゲッティ・コンピューティングは量子コンピュータの製造や開発、サービスなどを展開している企業です。
リゲッティ・コンピューティングが開発した量子コンピュータとしてはリゲッティQPCがあり、この量子処理装置はリゲッティ・コンピューティングが運営し、マルチチップ量子プロセッサを生産できるウェハー製造施設のFab-1で生産されています。
ちなみにリゲッティQPCでは80量子ビットのAspen-Mシリーズチップを使用しています。
また、リゲッティQPCを活用してリゲッティ・クアンタム・クラウドサービス(QCS)を展開しており、顧客がクラウド上で量子コンピュータを利用できるサービスを提供しています。
AmazonのBraketサービスとマイクロソフトのAzureQuantumServiceとはクラウドサービスの配布契約を結んでいます。
主な顧客や開発パートナー企業、機関としては製薬会社のアステックスやデロイト、NASA、米国エネルギー省、国防総省、ナスダックなどがあります。
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競合企業
リゲッティ・コンピューティングの競合企業としては、IBMQuantumという量子コンピューティングプラットフォームを展開しているIBMやマイクロソフトクアンタムを展開しているマイクロソフトが挙げられます。
また、光子を活用した光量子コンピューティングの開発を行っているPsiQuantumや量子コンピューティングサービスを提供しているQuantinuumなどがあります。
- IBM
- マイクロソフト
- PsiQuantum
- Quantinuum
リゲッティ・コンピューティングの将来性
リゲッティ・コンピューティングの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては政府機関などとの強固な協力関係が挙げられます。
例えば、リゲッティ・コンピューティングは先端軍事技術などを指揮するアメリカ国防高等研究計画局やNASAが量子コンピューティングのシステムやソフトウェア、アルゴリズムの最適化を図るためのアプリケーションなどの開発への協力を行っています。
また、英国とも英国の量子コンピューティングの商業化を加速させるための英国政府の取り組みの一環とも協力して機械学習や分子シュミレーション、財務最適化などで協力しています。
加えて、米国エネルギー省とは販売契約も締結しており、リゲッティ・コンピューティングは政府機関との強固なパートナーシップ契約、顧客契約を締結しています。
これらのリゲッティ・コンピューティングの政府機関との強固な協力関係は量子コンピューティング市場における信頼性といった面やリソース面での競合に対する優位性だと言えるでしょう。
もう一つの理由としては、AIによる機械学習需要の増加が挙げられます。
機械学習はAIを開発するにおいて重要なプロセスですが、大量のデータや複雑なモデルの学習に多くの計算処理を必要とするため、現状企業や機関ではHPCがよく使用されています。
しかし、機械学習においてHPCでは特定の領域では効率面で限界があり、量子コンピュータの方がより複雑な計算を効率的に処理できる可能性が高いと言えます。
そのため、今後AIの開発が増加するにつれて機械学習の需要も増し、複雑な計算処理の必要性が増すことでリゲッティ・コンピューティングが展開している量子コンピュータのクラウドサービスの必要性も増してくるかと思われます。
これらの点を鑑みるとリゲッティ・コンピューティングの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
リゲッティ・コンピューティングの今後に対する期待度
以下はリゲッティ・コンピューティングの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うリゲッティ・コンピューティングの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はリゲッティ・コンピューティングの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はリゲッティ・コンピューティングの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
リゲッティ・コンピューティングの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS

上記はリゲッティ・コンピューティングのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
リゲッティ・コンピューティングの場合、マイナス幅は縮小していることが見て取れます。
営業利益率
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上記はリゲッティ・コンピューティングの営業利益率を示したものです。
営業利益率はおおよそ10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
リゲッティ・コンピューティングの場合、全体としてマイナスの値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はリゲッティ・コンピューティングの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされるものです。
リゲッティ・コンピューティングの場合、2022年ではプラスに転換しており、大きく30%を上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はリゲッティ・コンピューティングの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
リゲッティ・コンピューティングの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はリゲッティ・コンピューティングの事業別収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 |
開発協力 その他専門サービス | 9917 | 5849 |
量子コンピュータへのアクセス | 3185 | 2347 |
合計 | 13102 | 8196 |
配当金
現時点でリゲッティ・コンピューティングは配当金を出していません。
現状、リゲッティ・コンピューティングが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
量子コンピュータの市場は依然として未成熟な部分はありますが、AIの機械学習など需要の増加が期待できる部分は多いと言えるでしょう。
また、リゲッティ・コンピューティングはFab-1という独自の社内製造施設を展開しており、独自に量子コンピュータのハードウェアに使用される超電導量子チップを製造しています。
量子コンピュータの超電導量子チップからハードウェア、ソフトウェアを一貫して開発することにより、全体のシステムを総合的に制御することができ、よりハードウェアとソフトウェアの密な統合ができることでより高いパフォーマンスを実現することができます。
依然としてリゲッティ・コンピューティングのように超電導チップまで一貫して製造する企業は比較的少なく、量子コンピュータ市場において高いパフォーマンスを発揮できるこの一貫性は競合に対する差別化において強みとなるのではないかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下の表は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でリゲッティ・コンピューティングの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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