本記事は米国株の中でもマコーミック(MKC)に関する内容となっています。(https://www.mccormickcorporation.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- マコーミックとはどのような企業か?
- マコーミックの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- マコーミックの配当金は?
マコーミックとは?
マコーミックは調味料や香辛料などを扱っている企業です。
主な生産、流通、販売施設は北米、ヨーロッパ、中国にあり、そのほかの施設はオーストラリア、タイ、南アフリカ、中央アメリカに点在しています。
主な事業としては2事業存在し、消費者事業とフレーバーソリューション事業に分かれています。
まず消費者事業では160カ国で消費者に展開しており、主なブランドとしてはクミンやシナモン、ターメリックといった様々な香辛料などを展開するマコーミックやケチャップや様々な種類のマスタードを展開しているFrench’s、ホットソースを扱うFrank’sRedHot。
また、乾燥バジルやパセリ、ガーリックペーストやジンジャーペーストなど展開しているGourmetGardenやセロリや唐辛子、パプリカなどでミックスされた調味料などを展開するOldBay、ライスと豆がミックスされた食品などを展開するZatarain’sがあります。
その他にもその地域ごとに展開する調味料、香辛料ブランドを展開しています。
一方でフレーバーソリューション事業では食品メーカーやフードサービス事業者に向けて事業を展開しています。
ちなみに2021年時点での営業利益の75%は消費者事業からなのに対して、フレーバーソリューション事業は営業利益の25%となっています。
そして、消費者事業の主要な顧客一つであるウォルマートは、2021年の売上高のおおよそ11%を占めており、フレーバーソリューション事業の主要な顧客の一つであるペプシコは2021年の売上高のおおよそ11%を同じく占めていました。
また、直近では2020年の12月に天然香料のサプライヤーであるFONAインターナショナルの買収を行なっています。
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競合企業
マコーミックの競合企業としては、食品用の香料から医薬化粧品の香料まで手がけるインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランスや缶スープや菓子類、ソースなどを展開するキャンベルがあります。
また、ケチャップやマスタードなどの調味料などを展開しているクラフトハインツや加工肉に調味料なども展開するホーメルフーズなどが挙げられます。
- インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス
- キャンベル
- クラフトハインツ
- ホーメルフーズ
マコーミックの将来性
マコーミックの将来性としては期待できる点はあるのではないでしょうか。
理由としては、世界人口の増加の恩恵を受けられる可能性が高い点です。
例えば、2030年までには世界人口はおおよそ85億人にまで増加することが予測されています。
人口が増えれば消費される食品の量は基本比例して増えることは簡単に想像がつくと思いますが、食品とともに使用される調味料や香辛料も増加することが期待できます。
そこで160カ国と世界で幅広く香辛料や調味料を展開しているマコーミックは恩恵を受けられる可能性は高いでしょう。
また、特にインドは2023年中には中国を追い抜き世界一位の人口となることが予測されていますが、そんなインドでは料理に香辛料を多く使用するため、より需要の増加が期待できるのではないかと思われます。
マコーミックではインド料理には欠かせないようなクミンやターメリック、シナモンといった香辛料も展開していますから、そのような需要も取り込める可能性はあるのではないでしょうか。
また、もう一つの理由としてはマコーミックの製品の品質の高さが挙げられます。
マコーミックの香辛料などの製品には厳格な品質保証と品質管理手続が採用されており、今後世界の経済規模が拡大していくにつれて香辛料などへの品質もますます重要視される可能性が高く、その点でマコーミックの品質の高さは利点となるでしょう。
これらの理由を踏まえると、マコーミックの今後としては期待できる部分はあるのではないかと思われます。
財務状況
以下はマコーミックの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記はマコーミックの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示しています。
マコーミックの場合、全体としては上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はマコーミックのEPSを示したものです。
EPSは一般的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされます。
マコーミックの場合、2019年までは右肩あがりとなっておりその後下落傾向となっていますが、この減少に関しては2020年に株式分割を行なっており、その影響である可能性が高く、あまり問題点とはならないでしょう。
営業利益率
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上記はマコーミックの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
マコーミックの場合、全体として15%以上をキープしており評価できる水準かと思われます。
自己資本比率
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上記はマコーミックの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率はおおよそ企業の安定性を示すもので、30%以上が目安とされています。
マコーミックの場合、全体としては30%以上を維持していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はマコーミックの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しているものです。
マコーミックの場合、2019年から2020年では増加しましたが、2020年から2021年では減少が見て取れます。
配当性向
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上記はマコーミックの配当性向を示したものです。
マコーミックの場合、全体として40%〜50%前後で推移していることが見て取れます。
配当金
以下はマコーミックの直近10年の一株あたりの年間の配当の推移を示したものです。
ちなみに2020年に1対2の株式分割を行なっており、1株あたりの配当金の額は小さくなりましたが、増配自体は続いています。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.5$ |
2021 | 1.39$ |
2020 | 2.20$ |
2019 | 2.33$ |
2018 | 2.13$ |
2017 | 1.93$ |
2016 | 1.76$ |
2015 | 1.63$ |
2014 | 1.51$ |
2013 | 1.39$ |
コメント・考察
マコーミックの主力商品である香辛料や調味料は今後も底堅い需要が予測できる上、財務状況も営業利益は順調な増加傾向にあり、営業利益率、自己資本比率も底堅さがあります。
また、EPSも株式分割を加味すれば右肩上がりでマコーミックの財務状況には好感の持てる部分が多くあると言えるでしょう。
一方で確かに営業活動によるCFに関して2021年で減少が見られる部分は気になる部分ですが、2021年の一時的なものであれば問題はないでしょう。
ただ、やはり2021年以降も減少傾向が続くのであれば懸念点と言えますが、現状ではマコーミックの全体の財務状況としては健全性は高いと言えるでしょう。
ところでマコーミックは、過去37年間の増配を続けており、配当貴族として知られています。
配当貴族など連続増配を行なっていることは配当金を重視する投資家にとっては喜ばしいものかもしれませんが、過度に増配に対する期待が大きくなり、財務状況が悪いにも関わらず、配当性向が異常に高くなっているなど無理して増配を続けようとする場合も見られます。
しかし、マコーミックの場合、配当性向は40%〜50%前後に抑えられており、財務状況も健全性は高いため、無理やり連続増配を続けているということでもなさそうな点はある種本当の配当貴族だとも言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でマコーミックの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
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