本記事は、米国株のなかでもチョコレートなどで有名なハーシー(HSY)に関する記事となっています。(https://www.thehersheycompany.com/en_us/home.html)
本記事ではこのような疑問に答えます
- ハーシーとはどんな企業なのか?
- 主な事業内容は?
- 今後の見通しや将来性は?
- 配当金は出しているのか?
ハーシー(HSY)とは?
ハーシー(HSY)とはチョコレートやキャンディーを筆頭にガムやスナック菓子、プロテインバーなど菓子類を製造、販売する企業です。
世界では80カ国以上で展開し、100以上の菓子類ブランドを有しています。
代表するブランドとしては、ハーシーズ・チョコやキャンディフレーバーのジョリー・ランチャー、アイスブレイカー、日本でも人気のあるキットカットなどが存在します。
ブランドに関してはライセンス契約も行っており例えばキットカットはネスレSAプロダクツカンパニーがライセンス契約を行っています。
ちなみに日本でのキットカットの展開はネスレが行っています。
一方で近年、買収も行っており、プレッチェルの事業に関わる企業や2019年にはOne Brandsというプロテインバーに関わる企業の買収を行っています。
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競合企業
競合企業としては、日本でも有名なスニッカーズやM&M’などのブランドを保有し、チョコレートやガムなどを展開するマースリグレーや北米が主な市場でトッツイー・ポップス、キャンディ・ブロックスなどを展開するトッツイー・ロール・インダストリーズが挙げられます。
また、日本の企業だとチョコレート菓子などを展開する明治ホールディングスなどが挙げられます。
一方で、米国が主な市場であるハーシーですが、米国以外での市場が大きいモンデリーズ・インターナショナルとは米国でのシェアを強めるためにハーシーを買収しようとしましたが、ハーシー側が買収を拒否したという経緯があります。
- マースリグレー
- トッツイー・ロール・インダストリーズ
- 明治ホールディングス
- モンデリーズ・インターナショナル
ハーシーの将来性
ハーシーの将来性としては期待できる部分はあると言えますが、やや気になる部分もあるといったところでしょう。
期待できる部分としてはまず市場の拡大が予測されている点が挙げられます。
ハーシーの展開するお菓子市場は、2027年までにはおおよそ2630億ドルに拡大する見通しです。
また、ハーシーの特に主要なジャンルであるチョコレートは2020年にはおおよそ1357億ドルから2028年までにはおおよそ1989億ドルまで拡大すると予想されています。
加えて、ハーシーの売上の多くを占める米国では、お菓子市場は2025年までに395億ドルまで拡大すると予想されていて、ハーシーの展開する市場に関しては拡大することが期待されています。
一方で気になる点としては米国での健康志向の高まりが挙げられます。
例えば、主に米国では健康問題に関する意識の高まりから砂糖などの消費量減少が見られます。
この健康志向の高まりからハーシーの扱うチョコレートなどの菓子類を避けるような食べ物の嗜好の変化が起きる可能性が考えられます。
また、モンデリーズに買収を持ちかけられた理由からもわかるようにハーシーの2022年の売上の8割以上が北米と、一部地域に偏っている点が気になるところだと言えるでしょう。
これらの点を踏まえるとハーシーの将来性としては市場の拡大など期待できる部分はありますが、健康志向の高まりや一部の地域に売上が偏っているなど気になる部分もあるといったところでしょう。
ハーシーの今後に対する期待度
以下はハーシーの今後に対する期待度アンケートを示したものです。
期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うハーシーに対する今後の期待度に対してぜひ投票してみてください。
財務状況
以下の内容はハーシー(HSY)に関する収益や財務を示したものになります。
営業利益
上記の棒グラフは、ハーシーの営業利益を示したものになります。
営業利益の指標としてはどれぐらい本業で利益を得られているのかを示しています。
この営業利益の指標はブレが少なく、安定的に増加しているほど評価されます。
ハーシー(HSY)は、2018年以降ブレなく増加しており、基本的には評価できる推移の仕方ではないかと思われます。
EPS
上記はハーシーのEPSを示したものです。
EPSは企業の収益力を示した数値で基本的に右肩あがりの増加となっているほど評価される指標です。
ハーシー(HSY)では2015年以降ほぼ一貫して増加傾向にあることが見て取れます。
営業利益率
上記はハーシーの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ハーシーの場合、おおよそ20%で推移しており優良な水準と言えるのではないでしょうか。
自己資本比率
上記はハーシーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ハーシーの場合、自己資本比率が改善傾向にあり、2022年には目安となる30%を超えていることが見て取れます。
営業によるCF
上記はハーシーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ハーシーの場合、2020年にはやや減少しましたが、全体としては増加傾向にあることが見て取れます。
配当性向
上記はハーシーの配当性向を示したものです。
ハーシーの場合、配当性向は徐々に減少してきていることが見て取れます。
事業別収益
純売上高(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 |
北米製菓 | 8536.5 | 7682.4 | 7084.9 | 6815.1 |
北米塩味スナック | 1029.4 | 555.4 | 438.2 | 410 |
北米以外 | 853.4 | 733.5 | 626.6 | 761.2 |
合計 | 10419.3 | 8971.3 | 8149.7 | 7986.3 |
上記はハーシーの事業別の売上高を示したものです。
北米製菓とされている部分にはチョコレートやガム、プロテインバーなどが含まれています。
ハーシー(HSY)の純売上高を示したものになりますが、全体としては、上昇傾向にあります。
しかし、北米以外の地域の売上は2020年にやや減少を見せていますが、これはコロナ禍による旅行小売行での減少が影響していると見られています。
配当金推移
下記ハーシーの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 3.874$ |
2021 | 3.41$ |
2020 | 3.154$ |
2019 | 2.99$ |
2018 | 2.756$ |
2017 | 2.548$ |
2016 | 2.402$ |
2015 | 2.236$ |
2014 | 2.04$ |
2013 | 1.81$ |
コメント・考察
ハーシーの展開する市場は今後も拡大が予想されていて、財務状況も現時点ではあまり問題はなさそうです。
また、ハーシーは増配を続けていますが、ここ数年は配当性向も下がってきており、無理な増配は行っていない点は評価できる点だと思われます。
一方で砂糖やとうもろこし、カカオなど主要な事業に関わる作物は先物を利用するなど将来かかる費用を明確にするためなどに活用していて、直近では影響は少ないと思われます。
しかし、特にハーシが現在、プレッチェルに関連する企業の買収などからもわかるように力を入れているプレッチェルはとうもろこしを使用していますが、とうもろこしはバイオ燃料など需要が急速に高まり、価格も高止まりしています。
先物を活用しているとはいえ、今後もハーシーの商品に関わる作物の価格高騰などがあり得る点は利益の圧迫などを起こす可能性があり、懸念点だと言えるでしょう。
取り扱っている取引所
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでハーシーの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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