本記事は米国株の中でもコンソリデーテッド・エジソン(ED)に関するものとなっています。(https://www.conedison.com/en/)
本記事ではこのような疑問に答えます
- コンソリデーテッド・エジソンはどのような企業なのか?
- コンソリデーテッド・エジソンの将来性は?
- 財務状況や配当金は?
- コンソリデーテッド・エジソンを取り扱っている証券会社は?
コンソリデーテッド・エジソンとは
コンソリデーテッド・エジソンは、米国特にニューヨークなどで公共事業を行なっている企業です。
公共事業の主な内容としては、電気の供給事業やガス分配事業、蒸気供給、再生可能エネルギー事業などを行なっています。
主な事業形態は、下記の画像のような形となっておりCECONY、O&R、クリーンエネルギー、コンエジソントランスミッション事業に分かれています。
出典:2021 Annual Report for Consolidated Edison,Inc
まず、CECONY事業では電気、ガス、蒸気供給を行なっています。
電気関連ではニューヨーク市の62の変電施設や配線施設の保有、350万の顧客に電気の販売や供給、ガス事業ではニューヨーク州での天然ガスの液化施設、貯蔵タンクの保有、110万の顧客に分配事業を行なっています。
また、蒸気供給事業は、冬の暖房などに使用される蒸気の供給を行なっています。
次にO&R事業では、ニューヨークの南東部やニュージャージー州の北部での30万人の顧客への電気供給やニューヨークの南東部の10万の顧客へのガス供給を行なっています。
一方でクリーンエネルギー事業では、風力発電や太陽光発電施設の管理やこれらの施設から発電した電気の供給などを行なっています。
ただし、クリーンエネルギー事業に関しては、ドイツに拠点を置き、公益事業を行なっているRWEが68億ドルでの買収の発表を行っています。
また、コンエジソントランスミッション事業では、完全所有子会社のCETエレクトリックやCETガスを管理しています。
これらを通してニューヨーク州北部でガス貯蔵施設を運営するHoneoyeやヴァージニア州南部からウェイストヴァージニア州までの建設中のパイプライン、マウンテンバレーパイプラインの権益の保有などを行なっています。
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競合企業
コンソリデーテッド・エジソンの競合企業としては、ニュージャージー州を中心に活動し、ガスや電気の公益事業を行うリパブリック・サービス・エンタープライズ・グループが挙げられます。
また、電気やガス事業を行い、アメリカではニューヨーク州とマサチューセッツ州で2000万人以上の顧客にサービスを提供しているナショナル・グリッド・サービス・カンパニーがあります。
- リパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ
- ナショナル・グリッド・サービス・カンパニー
コンソリデーテッド・エジソンの将来性
コンソリデーテッド・エジソンは日本で言うところの東京電力や関西電力、九州電力などといったような地域名のついた電力会社に近い形です。
実際にコンソリデーテッドエジソンは、地盤であるニューヨーク州が電力自由化に踏み切るまではニューヨークの電力供給を一社で担っていました。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト
その後は、ニューヨーク州では電力の自由化が進み、いわゆる上記の電力の供給網を示した部分における電力の小売の部分が自由化されることになります。
ただし、日本の既存の電力会社の多くが未だに上図の送配電部分などを握っているようにコンソリデーテッドエジソンは、ニューヨーク州付近における送配電部分を握っているためその点は他の電力会社よりも優位な点と言えそうです。
一方で建設中のマウンテンバレーパイプラインは権益を保有していますが、水の汚染など問題で罰則金を過去に課されていたり、依然として環境の面で批判が続いていたりと不透明な部分がある点は気になるところです。
財務状況
以下はコンソリデーテッド・エジソンの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記はコンソリデーテッド・エジソンの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示したものです。
コンソリデーテッド・エジソンの場合、2020年はやや減少しましたが、基本的には右肩上がりの傾向が見られます。
EPS

上記はコンソリデーテッド・エジソンのEPSを示したものとなっています。
EPSは一般的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされます。
コンソリデーテッド・エジソンの場合、2019年までは順調に増加傾向にありましたが、2019年以降は増加傾向が途絶えた形となっています。
営業利益率
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上記はコンソリデーテッド・エジソンの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は一般的に10%〜15%以上が優良とされる水準です。
コンソリデーテッド・エジソンの場合、20%以上をキープしており、優良な水準と言えそうです。
自己資本比率
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上記はコンソリデーテッド・エジソンの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
コンソリデーテッド・エジソンの場合、2020年は30%を切ってしまいましたが、基本的には30%のラインで推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はコンソリデーテッド・エジソンの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは一般的に企業の手元現金の推移を示しています。
コンソリデーテッド・エジソンの場合、大きく増減を繰り返していることが見て取れます。
配当性向
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上記はコンソリデーテッド・エジソンの配当性向を示したものです。
コンソリデーテッド・エジソンの場合若干増加傾向にあり、70%にまで増加してきているため、今後これ以上増加を続けると増配は厳しくなってくるかと思われます。
事業別収益
営業収益(百万$) | 2021 | 2020 |
CECONY | 11716 | 10647 |
O&R | 941 | 862 |
クリーンエネルギー | 1022 | 736 |
コンエジソントランスミッション | 4 | 4 |
その他 | -7 | -3 |
合計 | 13676 | 12246 |
上記はコンソリデーテッド・エジソンの事業別の営業収益を示したものです。
営業収益の大半を占めるのがCECONY事業でおおよそ全体の営業収益の85%を占めていて、コンソリデーテッド・エジソンの基盤の事業であることが分かるのではないでしょうか。
配当金
以下は直近10年のコンソリデーテッド・エジソンの年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2021 | 3.1$ |
2020 | 3.06$ |
2019 | 2.96$ |
2018 | 2.86$ |
2017 | 2.76$ |
2016 | 2.68$ |
2015 | 2.6$ |
2014 | 2.52$ |
2013 | 2.46$ |
2012 | 2.42$ |
コメント・考察
太陽光や風力など再生可能エネルギーにも力を入れていたはずなのですが、68億ドルと2021年の営業収益で言うと約6年分で手放したこととなります。
とはいえ、ガスや電気などの事業と比べると事業の収益別では全体として1割も満たないため、今後事業売却が完了してもさほど大きく収益が落ち込むことはないでしょう。
一方で増配銘柄として定評のあるコンソリデーテッド・エジソンですが、EPSが鈍化し、配当性向が70%を超えてきているなどやや増配に不安が出てきている部分が見られます。
また、新たに建設中のパイプラインは、行き詰まっている部分が見られるなど新たに収益の基盤となる部分にも不透明感があります。
このような中での再生エネルギー事業の売却であるため、収益改善をどのように行っていくのかが気になる点と言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でコンソリデーテッド・エジソンの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
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