本記事は米国株の中でもクラウドフレア(NET)に関する記事となっています。(https://www.cloudflare.com)
本記事ではこのような疑問に答えます
- クラウドフレアとはどのような企業か?
- クラウドフレアの将来性や財務状況は?
- クラウドフレアの配当金は?
- 取り扱っている証券会社は?
クラウドフレアとは
クラウドフレアは、セキュリティ保護や分析、効率化のクラウドサービスを提供しているソフトウェア企業です。
主な製品としては、外部からの不正な侵入を防ぐファイアウォールであるWeb Application Firewallや不正アクセスなどを検知するボット管理、サーバーなどに意図的に負荷をかける攻撃であるDDoS攻撃を防ぐ対策製品などがあります。
また、企業の内部のネットワークに従業員がアクセスする際のトラフィックや管理製品、クラウドフレアゼロトラストやクラウドフレアアクセスといったようなゼロトラストサービス。
IoTのゼロトラストセキュリティなどIoT分野でのセキュリティ保護も展開しています。
ちなみに下記はIoTから機器からのDDoS攻撃の仕組みを示したものでこういったIoT経路からの攻撃を防ぐのがIoTでのセキュリティの一つの例となります。
出典:サイバーセキュリティ等に係る現状と課題について (総務省)
加えて、サイトへのアクセスの分析や最適化などを行う製品を提供しています。
製品やサービスは無料と従量課金制かつサブスク型の有料型が存在。
無料のサービスの方は数百万の顧客が存在し、知名度向上に貢献。
一方で収益のメインとなる有料型の方は、2021年12月時点で170カ国を超える場所に14万以上の顧客が存在しています。
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競合企業
クラウドフレアの競合企業としては、クラウド管理の最適化やセキュリティに関するソフトウェア製品を展開しているシスコシステムズや自動化やマルチクラウド、不正アクセスや攻撃を防ぐ製品を扱うF5ネットワークス。
シマンテックを買収したブロードコムや仮想化ファイアウォールなどのセキュリティ製品を扱うパロアルトネットワークス、フォーティネット。
また、サイバー攻撃などを防ぐクアンタムネットセキュリティなどを展開するチェックポイント・ソフトウェアテクノロジーズやゼロトラストセキュリティや広範囲のサイバー攻撃を防ぐ製品を提供するアカマイテクノロジーズ。
その他にも、インパーバやクラウドセキュリティなども提供しているベライゾン・コミュニケーションズ、オラクルなども挙げられます。
そしてAWSを提供するAmazonやGoogleクラウドなども提供するアルファベット、クラウドサービスのAzureを扱うマイクロソフトといった巨大テック企業も競合として挙げられます。
- シスコシステムズ
- F5ネットワークス
- ブロードコム
- パロアルトネットワークス
- フォーティネット
- チェックポイント・ソフトウェアテクノロジーズ
- インパーバ
- ベライゾン・コミュニケーションズ
- オラクル
- Amazon
- アルファベット
- マイクロソフト
クラウドフレアの将来性
世界のIT市場は今後も拡大することが予想されていますが、JEITAの世界のITリモート市場の需要額見通しによると、2030年までにおおよそ228兆円にまで拡大することが見通されています。
そんなIT市場が拡大する中でサイバーセキュリティ市場もますます重要になってくることが予測できますが、現段階でのサーバーセキュリティのシェアは下記のようになっています。
出典:令和4年度情報通信白書 (総務省)
2020年(Q1)時点では、サイバーセキュリティのシェアはシスコシステムズが9.1%と1位を占めており、パロアルトネットワークスが7.8%で2位、フォーティネットが5.9%で3位となっています。
そのため、現時点で確かにクラウドフレアはシェアの上位にすら立てていません。
しかし、シェアの1位すら10%未満のシェアであり、競争から優位に立ったとされる目安の数値である26.1%からは程遠いため、シェアを奪い取れる余地はまだまだあります。
とはいえ、これだけ競合がひしめいている中で、使いやすさや性能などで圧倒的な差を出していくか、知名度を向上させていかない限り、シェアの上位に登っていくのは厳しいかと思われます。
財務状況
以下はクラウドフレアの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はクラウドフレアの営業利益を示したものです。
営業利益は、一般的に企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示しています。
クラウドフレアの場合、2018年以降マイナス幅が拡大している傾向にあることがわかります。
EPS
上記はクラウドフレアのEPSを示したものです。
EPSは一般的に右肩上がりとなっているかが指標となります。
クラウドフレアの場合、右肩上がりとはなっていますが、依然としてマイナスからは脱却できていないことがわかります。
営業利益率
上記はクラウドフレアの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良とされています。
クラウドフレアの場合、幅は縮まっていますが、依然としてマイナスであり、良いとは言えない状態です。
自己資本比率
上記はクラウドフレアの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上が目安とされています。
クラウドフレアの場合、2018年のマイナスからは脱却し、2019年は80%まで上昇しましたが、その後は下落、とはいえ基準となる30%以上はキープしていることが分かります。
営業活動によるCF
上記はクラウドフレアの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは主に企業の手元現金の推移を示したものです。
クラウドフレアの場合、2021年にはマイナスから脱却、大きく営業活動によるCFを増加させていることが見て取れます。
事業別収益
収益(千$) | 2021 | 2020 | 2019 |
米国 | 342578 | 218191 | 144575 |
ヨーロッパ、中東、アフリカ | 172129 | 109274 | 68418 |
アジア太平洋 | 96537 | 76177 | 55131 |
その他 | 45182 | 27417 | 18898 |
合計 | 656426 | 431059 | 287022 |
上記はクラウドフレアの地域別の収益を示したものとなっています。
全体として収益は増加傾向にありますが、いずれの年でも特に米国での収益は全体の半数以上を占めていることが見て取れます。
配当金
現時点でクラウドフレアは、配当金を出していません。
営業利益がマイナスである以上、配当が出るのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
クラウドフレアの財務において、営業利益のマイナスの拡大が続いていることは気になる部分かと思います。
クラウドフレアの場合、年次報告書によると2021年の収益はおおよそ6億5000万ドルと主な収益源となっているサブスク型の有料サービスの部分などできちんと収益は出ています。
しかしながら、それを超える経費特に2021年のセールス、マーケティングで2021年の収益のほぼ半分にも昇る約3億2000万ドルをも費やしており、この部分がマイナスとなっている大きな原因だと考えられます。
確かに競合がひしめき合っている中で認知度を上げ、シェアをとるため、無料サービスを展開したりとマーケティングに費やさざるおえないのは致し方ない部分もあるかと思います。
ただ、営業利益のマイナスは拡大していますし、いかに今後そのセールス、マーケンティングに費やした費用に相当する有料顧客の増加、シェアの増加に繋がってくるのかが焦点となってくるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかで、クラウドフレアの取り扱いの有無を示したものです。
クラウドフレアに関しては、以下の証券会社では全て取り扱っています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | 松井 | PayPay | 野村 | 大和 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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