本記事は米国株の中でもバーリックゴールド(GOLD)に関する内容となっています。(https://www.barrick.com/English/home/default.aspx)
本記事はこのような疑問に答えます
- バーリックゴールドとはどのような企業か?
- バーリックゴールドの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- バーリックゴールドの配当金は?
バーリックゴールドとは?
バーリックゴールドは、18カ国で金や銅の採掘や生産を行っている企業です。
13の金鉱山の所有権を持ち、地理的には米国、アルゼンチン、カナダ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ドミニカ共和国、マリ、タンザニアに位置しています。
バーリックゴールドの金の証明済み及び推定埋蔵量は2021年時点で6900万オンスとされています。
下記は2021年から2026年までの金生産の見通しを示したものです。
出典:Barrick 2021 Annual Report
一方で銅鉱山は3つ存在し、ザンビア、チリ、サウジアラビアに位置しています。
銅の照明済み及び推定埋蔵量は2021年時点で120億ポンドとされています。
下記は2021年から2026年までの銅生産の見通しを示したものです。
出典:Barrick 2021 Annual Report
ちなみにバーリックゴールドが操業する主な鉱床の例としては北米ではネバダ鉱床、ドンリンゴールドやラテンアメリカ地域ではNorteAbiertoやVeladero、アフリカ、中東地域ではJabalSayidやLoulo-Gounkotoなどがあります。
また、2021年の収益としては金が107億ドル、銅が9億6200万ドル、その他が2億8500万ドルと金による収益が大きく占めていることが分かります。
a
競合企業
バーリックゴールドの競合企業としては北米、南米、オーストラリア、アフリカで金や銅、銀、亜鉛、鉛の採掘を行っているニューモントや米国、カナダ、モーリタニア、ブラジル、チリに鉱山を持ち金の採掘、生産を行うキンロスゴールドが挙げられます。
また、銅やアルミニウム、ダイヤモンド、レアメタルなどの採掘、生産を行うリオティントや銅、金、モリブデンの採掘、生産を行っているフリーポートマクモランなどがあります。
- ニューモント
- キンロスゴールド
- リオティント
- フリーポートマクモラン
バーリックゴールドの将来性
バーリックゴールドの将来性としてはあると言えるのではないでしょうか。
理由としては将来性の高い金属からの収益が多い点です。
例えば、バーリックゴールドの収益源の大半を占めるのが金からの収益です。
金に関しては世界での用途の7割近くが装飾で、産業用途としては少ないですがその分インフレ局面や情勢が不安定な時は金への資産の逃避が増えるため価格の上昇が見込まれます。
また、近年は金価格の高止まりが見られるなどバーリックゴールドにとっては金からの収益性が高くなる局面が続いています。
そして次に収益の大きい銅は、現状の半導体や電子機器類の需要に加えて今後のEV化により供給不足が心配されるほど需要が高まっています。
よってバーリックゴールドの収益のほとんどを占める金や銅への需要は期待できる部分が大きいと言えるでしょう。
加えて、もう一つの理由としては配当金が出る点です。
例えば当然ながら金の保有では配当金は出ません。
一方でバーリックゴールドは確かに金ほどの情勢の不安定な時の上昇を見込むのは難しいかもしれませんが、金との連動は見込めますし、継続的に配当金を出しています。
その点で情勢が不安定な時に金だと複利を得られないという点で懸念を示す層からの需要は高まるかと思われます。
これらの点を踏まえるとバーリックゴールドの将来性としては期待できる部分はあるのではないでしょうか。
財務状況
以下はバーリックゴールドの財務状況を示したものです。
営業利益
上記はバーリックゴールドの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業の本業の利益を示したものです。
バーリックゴールドの場合、2019年から2020年では大きく上昇していますが、2020年から2021年ではほぼ横ばいとなっています。
EPS
上記はバーリックゴールドのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
バーリックゴールドの場合、おおよそ増減を繰り返していることが見て取れます。
営業利益率
上記はバーリックゴールドの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよその目安となります。
バーリックゴールドの場合、15%を大きく超える水準で推移しており、評価できる水準かと思われます。
自己資本比率
上記はバーリックゴールドの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すものでおおよそ30%以上が目安となります。
バーリックゴールドの場合、基本的に50%前後で推移しており、安定性は高い水準かと思われます。
営業活動によるCF
上記はバーリックゴールドの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
バーリックゴールドの場合、2019年から2020年では大きく増加しましたが、2021年ではやや減少していることが見て取れます。
配当性向
上記はバーリックゴールドの配当性向を示したものです。
バーリックゴールドの場合、2015年や2018年など配当性向が大きく増加している年も見られますが、基本的には配当性向は低く抑えられていることが見て取れます。
配当金
下記はバーリックゴールドの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.36$ |
2020 | 0.31$ |
2019 | 0.13$ |
2018 | 0.19$ |
2017 | 0.12$ |
2016 | 0.08$ |
2015 | 0.14$ |
2014 | 0.2$ |
2013 | 0.5$ |
2012 | 0.75$ |
コメント・考察
バーリックゴールドの主な収益源となる金や銅の需要は長期的には増加傾向になる可能性の方が高いでしょう。
一方で本記事のバーリックゴールドの概要で示した図のように金と銅の生産量は2021年から2026年までさほど変わりは無い様子です。
生産量は大きく変わらず、需要増加となると収益は全体としては伸びそうですが、採掘には費用がかかり特に採掘を行う際に行われる露天掘りでは大型の重機が必要で燃料となる石油価格などにも大きな影響を受けます。
その点で石油価格高騰時では採掘費用が増加し、収益が圧迫される場面もあるのではないかと思われます。
また、バーリックゴールドの配当の政策は基本配当プラス貸借対照表に応じて変動という下記のような配当の方針を打ち出しています。
配当レベル | 貸借対照表純現金 | 基本配当 | 業績配当 | 四半期合計配当 |
レベル1 | 0ドル未満 | 0.1$ | 0$ | 0.1$ |
レベル2 | 0ドル以上5億ドル未満 | 0.1$ | 0.05$ | 0.15$ |
レベル3 | 5億ドル以上10億ドル未満 | 0.1$ | 0.1$ | 0.2$ |
レベル4 | 10億ドル以上 | 0.1$ | 0.15$ | 0.25$ |
上記のようにバーリックゴールドは貸借対照表の純現金の額に応じて配当金は変動するため、連続増配を望む投資家や減配を避けたい投資家にとってはあまり好ましくはないかもしれません。
しかし、このように純現金額に応じて配当を調整する方針をあらかじめ出しておくことで、減配による過剰な不安を避けられることや増配への過度な期待を減らせることで企業の財務の健全性にはプラスな配当方針ではないでしょうか。
むしろ、潰れてしまっては元も子もないですし財務の状況に関係なく一定の増配を過度に期待される連続増配株と比べてバーリックゴールドのように財務に応じて配当を柔軟に行えるのは企業の長期的な存続という意味では重要な部分とも言えそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでバーリックゴールドの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | PayPay | 松井 | 大和 | 野村 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
---
コメント