本記事では米国株の中でもフリーポートマクモラン(FCX)に関する記事となっています。(https://fcx.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- フリーポートマクモランとはどんな事業をしているのか?
- フリーポートマクモランの財務状況や将来性は?
- 取り扱っている証券会社は?
- フリーポートマクモランの配当金は?
フリーポートマクモラン(FCX)とは
フリーポートマクモランは、主に鉱物資源の採掘や販売を行なっている企業です。
主要な鉱物資源としては銅、金、モリブデン、銀となっています。
また、2021年12月31日時点でフリーポートマクモランの鉱山の推定埋蔵量は銅が1072億ポンド、モリブデンが33億9000万ポンド、金が2710万オンス、銀が3億4570万オンスです。
主な鉱山地域は北アメリカ、南アメリカ、インドネシアにあります。
北米では7つの銅鉱山、2つのモリブデン鉱山を運営、南米では2つのセロベルデ銅鉱山を運営し、銅に加えてモリブデンや銀も採掘されています。
一方でインドネシアでは世界最大級の金、銅の鉱山であるグラスベルグ鉱山で採掘を行い、主な産出物は金、銀、銅で、子会社であるフリーポートインドネシアが48.76%の権益を保有しています。
金とモリブデンの生産量には偏りがあり、2021年のフリーポートマクモランの金の生産量は99%がインドネシア、モリブデンの76%が北米からの産出となっています。
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競合企業
フリーポートマクモランの競合企業としてはまず、チリの国営企業であり、最大のモリブデン生産者で、1億3000万トン以上の銅の埋蔵量を誇るコデルコが挙げられます。
また、銅やアルミニウム、コバルト、ニッケルなどの金属を取り扱うグレンコアやオーストラリア、南北アメリカを中心に銅や冶金石炭、ニッケル、鉄鉱石などの採掘事業を行うBHP。
中国を拠点に置き銅の採掘、生産またモリブデンや金、銀なども取り扱うジアンシー・コッパー、カナダに拠点を置き、米国やカナダ、南米で銅や石炭、亜鉛などの採掘を行うテックリソーシズリミテッド。
加えて、銅やダイヤモンド、鉄鉱石、ニッケルなどを取り扱うアングロ・アメリカンなどが挙げられます。
- コデルコ
- グレンコア
- BHP
- ジアンシー・コッパー
- テックリソーシズリミテッド
- アングロアメリカン
フリーポートマクモランの将来性
フリーポートマクモランの将来性としては期待できる部分があると言えるでしょう。
理由としては銅需要の増加が見込まれる点が挙げられます。
例えば、フリーポートマクモランの収益の大半を占める銅は今後の自動車のEV化が中心となって需要が増加していくことが考えられます。
EV化が進むことで銅の需要が増す理由としては、EV化にともない動力に大きな電気が必要となりその電流を通すためにより電動性の高い銅が必要となるためです。
実際に下記の図からも分かるように従来型のエンジン車やハイブリッド車と比べて電気自動車には倍以上の銅が必要となることからも分かるかと思われます。
出典:非鉄金属産業の現状と課題(経済産業省)大きさのみ加工
よって今後自動車のEV化の流れはフリーポートマクモランの主要製品の銅需要にとってはプラスに働く可能性が高いでしょう。
一方で気になる点としてはモリブデンに関しては鉄鋼に強度を持たせるための添加剤として使われ、自動車にも使用されていますが、EV化が進むと需要が減少する可能性があります。
理由としては、EV化が進むとバッテリーなどの問題から軽量化が求められ、鉄鋼からアルミニウムへのシフトが進む可能性が高いためです。
とはいえ、フリーポートマクモランにおいて銅と比べてモリブデンの売上はかなり少ないため、結果としてあまり問題はないかと思われます。
よって総合的にはEV化での高い銅需要により、フリーポートマクモランにとっては追い風となる可能性が高いでしょう。
そのため、フリーポートマクモランの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
フリーポートマクモランの今後に対する期待度
以下はフリーポートマクモランの今後に対する期待度アンケートを示したものです。
期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身の思うフリーポートマクモランの今後に対する期待度に投票してみて下さい。
財務状況
以下はフリーポートマクモランの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記はフリーポートマクモランの営業利益を示したものとなっています。
営業利益は主に企業が本業でどれくらい利益を得たのかを示しています。
フリーポートマクモランの場合、2019年に大きく落ち込みその後は大幅に上昇していることが見て取れます。
EPS

上記はフリーポートマクモランのEPSを示したものとなっています。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主に指標とされるものです。
フリーポートマクモランの場合、2014年以降上下する状態が続いており右肩上がりとはなっていません。
営業利益率
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上記はフリーポートマクモランの営業利益率を示したものとなっています。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良とされる水準です。
フリーポートマクモランの場合、2019年に一桁台まで下落、しかしその後は10%を超え、特に2021年には30%台と非常に高い水準にまで上昇しています。
自己資本比率
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上記はフリーポートマクモランの自己資本比率を示したものとなっています。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示す指標で、おおよそ30%以上が目安とされています。
フリーポートマクモランの場合、基本的に20%台を推移していましたが2022年には30%台にまで改善していることが見て取れます。
利業活動によるCF
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上記はフリーポートマクモランの営業活動によるCFを示したものとなっています。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
フリーポートマクモランの場合、2019年に大きく減少しましたが、その後は順調に上昇し2021年には2018年のおおよそ倍にまで増加、2022年ではやや減少しています。
事業別収益
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 |
銅 | 18964 | 18731 | 11326 | 11392 |
金 | 3397 | 2580 | 1702 | 1620 |
モリブデン | 1416 | 1283 | 848 | 1169 |
その他 | 688 | 821 | 592 | 905 |
収益調整 | -1164 | -993 | -619 | -738 |
組み込みデリバティブ | -491 | 423 | 304 | 54 |
合計 | 22780 | 22845 | 14198 | 14402 |
上記はフリーポートマクモランの事業別の収益を示したものとなっています。
金以外は2019年と比較すると2020年は全体としてやや収益が減少しましたが、その後2021年には全体として大幅に増加していることがわかります。
配当金推移
下記はフリーポートマクモランの直近10年の年間配当を示したものです。
かなり不規則な配当となっていることが見て取れます。
西暦 | 配当金 |
2022 | 0.6$ |
2021 | 0.375$ |
2020 | 0.05$ |
2019 | 0.2$ |
2018 | 0.15$ |
2017 | 0$ |
2016 | 0$ |
2015 | 0.573$ |
2014 | 1.25$ |
2013 | 2.25$ |
コメント・考察
フリーポートマクモランの財務に関して、2019年の大幅な収益悪化が気になりますが、これはインドネシアにおける採掘作業を露天掘りから坑内掘りへと移行したためと見られています。
露天掘りは坑道を造らず、機械で地表から一気に掘り進めていくため、コストが安くなります。
一方で坑内掘りは、地下深くなどの鉱物資源を採掘するのに向いており、そちらに移行した分コストがかかったようです。
しかし、その後収益は回復傾向にあり、坑内掘りへの移行の負担は一過性のものだったようで問題はなさそうです。
一方でフリーポートマクモランの最も大きな売上高の割合を占める銅はEV化で大幅な需要増が見込める点や現在でも銅価格が高止まりしている点でフリーポートマクモランにとってはプラスの部分が多いように思われます。
他方で、銅や金などの鉱山資源を採掘するにはどうしても採掘機械が必要でそれらを動かすための原油が必要なため、原油価格の高騰は銅の需要増のプラス部分を圧迫する可能性がある点は注視する必要があるでしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでフリーポートマクモランの取り扱いの有無を示したものとなっています。
フリーポートマクモランに関しては主な証券会社では全てで取り扱いがあることが見てとれます。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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