本記事は米国株の中でもグッドアールエックス(GDRX)に関する内容となっています。(https://www.goodrx.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- グッドアールエックスとはどのような企業か?
- グッドアールエックスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- グッドアールエックスの配当金は?
グッドアールエックスとは?
グッドアールエックスは、デジタルヘルスケアプラットフォームを展開している企業です。
グッドアールエックスのプラットフォームでは処方箋取引やそれに関連するサブスクリプション、遠隔医療サービスなどを展開しています。
まず、処方箋取引では医療業界を横断する情報源からさまざまな処方薬の価格設定や医薬品リストを取得して、データを均一化することで直接比較出来るようにして消費者は無料でWebサイトやアプリからアクセスできます。
また、消費者はこのデータから近くの薬局から最低価格を選択でき、モバイル端末にGoodRxコードを無料で保存して、薬局で提示することで消費者は最低価格でアクセスすることができ、そのデータは薬局に保存されることで2回目以降は提示不要。
処方箋取引でのグッドアールエックスの収益は、消費者が定価よりも低価を実感したとき、その後リピートをした時にPBM、第三者機関による処方薬の適正管理プログラムからPBMの価格設定、薬局に案内する対価として収益を得ています。
一方で処方箋取引の拡張的な意味合いを持つサブスクリプションでは2つのサブスクがあり、ゴールドとクローガーセービングがあります。
ゴールドではメール配信機能や割引された遠隔医療サービスなどが追加され、個人の場合5.99ドルから9.99ドルで5人までの家族で9.99ドルから19.99ドルの定額購入プログラムを提供しています。
また、クローガーセービングでは米国の小売店、クローガーと提携して100を超えるジェネリック医薬品を無料もしくは3ドルから6ドルの価格でまた1000を超えるジェネリック医薬品を割引価格でクローガーの薬局において提供しています。
クローガーセービングでは個人では年間36ドル、6人家族までで年間72ドルで提供しています。
そして遠隔医療サービスでは、2019年にHeyDoctorを買収、GoodRXCareに変更して遠隔医療を提供。
例えば処方箋取引の部分で検索した時に消費者が処方箋を持っていない場合にGoodRXCareを活用してオンラインで診断、その後GoodRXコードを使用して処方箋を小売店で受け取ったり、サブスクのゴールドであれば無料で処方箋を郵送したりできます。
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競合企業
グッドアールエックスの競合企業としては、処方薬の価格を比較し、最低価格を見つけるのに役立つ情報などを提供しているPharmacyCheckerや遠隔医療サービスなどを展開しているTeladocやアマゾン薬局を展開しているアマゾンがあります。
また、電話やビデオなどで医療を提供しているMDLIVEやスマホやパソコンを介して医師や心理学者などにアクセスできるサービスを展開しているDoctorOnDemandなどが挙げられます。
- PharmacyChecker
- Teladoc
- アマゾン
- MDLIVE
- DoctorOnDemand
グッドアールエックスの将来性
グッドアールエックスの将来性としては不透明な部分が多いと言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては、処方箋取引事業の競争の激化が懸念される点です。
グッドアールエックスの2021年の収益の約89%が処方箋取引から占めていることからも分かる通り、収益的には処方箋取引の収益は非常に重要な部分を占めています。
そんな中で例えばアマゾンが低価格帯の医薬品に検索することでアクセスできるオンライン薬局のアマゾン薬局の展開を進めています。
また、アマゾン薬局はアマゾンプライム会員向けにRxPassというサブスクを展開しより医薬品の費用を抑えられるサービスであるため、消費者の医薬品の費用を抑えることで収益を得るグッドアールエックスの処方箋取引と競合する部分があります。
特に多くの会員が既に存在するアマゾンプライム会員はRxpassに流れる可能性が考えられますし、今後グッドアールエックスの主要な収益源である処方箋取引事業での競争の激化に見舞われる可能性が考えられるのではないでしょうか。
2つ目の理由としては、実店舗中心でオンラインの薬局に対する軽視的な態度が見られる点です。
例えば、グッドアールエックスのCEOは消費者は以前としてより実店舗の方を好み、アマゾン薬局に対して既存の薬局の補完的な役割を果たすだけで直接的な競合とはみなしてはいないという趣旨の発言などを行なっています。
しかし、仮に今後よりオンライン薬局が浸透することでグッドアールエックスがメインとする実店舗の薬局から消費者の行動が変化し、オンラインへの移行という市場の変化を見誤る可能性が考えられます。
これらの点を踏まえるとグッドアールエックスの今後の見通しとしては不透明な部分が多いと言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はグッドアールエックスの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はグッドアールエックスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業の本業で得た利益を示すものです。
グッドアールエックスの場合、一時的に2020年で大きなマイナスとなりましたが2021年ではプラスに再び戻っていることが見て取れます。
EPS
上記はグッドアールエックスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
グッドアールエックスの場合、2020年から2021年にかけては大きく減少していることが見て取れます。
営業利益率
上記はグッドアールエックスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
グッドアールエックスの場合、2019年には15%以上を大きく超えていましたが、2020年にはマイナスとなり、2021年にはプラスにはなりましたが以前として一桁の推移となっています。
自己資本比率
上記はグッドアールエックスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされているものです。
グッドアールエックスの場合、2019年はマイナスでしたが2020年ではプラスに転換し、50%以上で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はグッドアールエックスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示すものです。
グッドアールエックスの場合、年々増加傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はグッドアールエックスの事業別の収益を示したものです。
収益(千$) | 2021 | 2020 |
処方箋取引収益 | 593359 | 488257 |
サブスク収益 | 59925 | 29386 |
その他 | 92140 | 33057 |
合計 | 745424 | 550700 |
配当金
現在グッドアールエックスは配当金を出していません。
現状グッドアールエックスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
グッドアールエックスの財務状況に関して2020年の営業利益が大きくマイナスとなっていますが、これに関しては外出規制などによる受診を控えて処方箋の数が減ったことが大きな原因だと言えるでしょう。
また、グッドアールエックスが実店舗を中心としていた部分も一つの要因として挙げられるかと思われます。
しかし、依然としてグッドアールエックスのCEOはデジタル薬局に関して消費者は依然として実店舗を好むとして消極的な姿勢です。
これに関して確かに現状、デジタル薬局は数%程度しか占めていないのは事実ですが、今後Amazonが実店舗の書店を侵食して行ったようにAmazon薬局やもしくはその他の新興のデジタル薬局が実店舗の薬局を侵食していく可能性は十分にあり得るでしょう。
こうなると実店舗を中心としていたグッドアールエックスは大きな影響を受ける可能性は高いですが、CEOのデジタル薬局に対する軽視的な姿勢はこのような市場の変化に対応の遅れをもたらす可能性があり、危惧すべき部分だと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでグッドアールエックスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | 松井 | PayPay | 野村 | 大和 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 |
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