本記事は米国株の中でもヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)に関するものとなっています。(https://www.virgingalactic.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスとは?
- ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの配当金は?
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスとは?
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスは宇宙航空会社で商業宇宙旅行事業を開拓している企業です。
現在提供している宇宙旅行は、数日間の飛行前訓練を受けた後に数分間の無重力と宇宙からの地球の景色を楽しむ形態となっています。
この宇宙旅行を提供する仕組みとしては特別な母船機であるWhiteKnightTwoという大型の双胴機と有人宇宙船のSpaceShipTwoの二つを活用して行われます。
まず、母船であるWhiteKnightTwoがSpaceShipTwoを約45000フィートまで運びます。
その後パイロット二人と最大民間人6人を乗せたSpaceShipTwoはWhiteKnightTwoから切り離されるとそこから自身のロケットエンジンを点火し、宇宙に到達、数分間の無重力や地球の景色を楽しんだ後に再び大気圏に突入し、着陸するという形となっています。
標準的な地上発射ロケットでなく、母船を使用することで必要とされるエネルギー要件が減少することが特徴の一つとしてあります。
ちなみに離着陸の拠点はニューメキシコ州のスペースポートアメリカとなっています。
1席あたり45万ドルで2022年2月に一般市民向けにチケットを販売し、2022年12月時点で約800枚のチケットが予約され、おおよそ1億330万ドルを集めています。
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競合企業
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの競合企業としては、ロケット型の宇宙有人船、ニューシェパードなどを展開するブルーオリジンや宇宙船やロケット開発などを行っているスペースXがあります。
また、航空機やロケット開発を行っているボーイングやノースロップグラマンなどが挙げられます。
- ブルーオリジン
- スペースX
- ボーイング
- ノースロップグラマン
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの将来性
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの将来性としては不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはそもそも商業宇宙旅行市場の需要に疑問が残る点が挙げられます。
例えば、現在ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスが提供している宇宙旅行は民間人を乗せ、地球の大気圏をから出て宇宙空間に到達することは確かに宇宙旅行という定義には合致します。
しかし、現状宇宙空間に実際に滞在する期間は数分程度であり、一般的にイメージされるような宇宙旅行のイメージとはかなりかけ離れている部分があります。
しかも、1席あたり45万ドルと高額であり、現状のターゲット層は資金的に余裕がありかつ余程マニアックな人たちとかなり需要は限られています。
そのため、より低コスト化もしくはより長距離、長期滞在化させる必要がありますが、技術やコスト面的に難しい部分があります。
しかし、そうしない限りヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスが展開する現状の宇宙旅行では大衆向けではないですし、資金的に余裕がある富裕層でもより長期的な宇宙の滞在をイメージしている人達を惹きつけることは難しいと言えるでしょう。
結果として、現状のままでは開発に相当な費用がかかっている割に見込める需要が少なく、市場自体に疑問が残る部分があると言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としては、リピート性に欠ける点が挙げられます。
現状提供している宇宙旅行は僅か数分程度の体験で初期は、話題性などで体験者も集まる可能性は高いかもしれません。
しかし、高額で一度体験してしまえば満足してしまう可能性も高く、リピート性に欠ける部分もあり、現状需要が狭い中で継続的な利用が少ない可能性があるとすると収益的には厳しくなる可能性があると言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの将来性は不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの今後に対する期待度
以下はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS
上記はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされています。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの場合、右肩上がりとはなっていません。
営業利益率
上記はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされています。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの場合、2022年は大きく減少しましたが全体としては30%以上をキープしていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
配当金
現時点でヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスは配当金を出していません。
現状、ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
商業宇宙旅行事業は、ロケット打ち上げ事業と比べると大規模な商業化、収益化には疑問が残る部分があります。
例えば、ロケット打ち上げ事業であれば、現状通信インフラや気象、情勢把握などの画像収集といった分野での企業や政府、団体などの衛星打ち上げで収益や商業化、政策的なものを見込んだ使用があります。
そのため、多少高額でも政府や企業などの顧客が中心であるため、一定の需要が見込めるでしょう。
一方で商業宇宙旅行事業となると対象は個人となり、高額であると大衆は呼び込めませんし、今の短時間の宇宙旅行では富裕層でもごく少数のマニアックな人達に限られてしまいます。
個人を呼び込んで成立する商業宇宙事業に関して現状の短時間の旅行ではロケット打ち上げ事業と比較すると現実的に厳しい部分があるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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