今回は米国株の中でもAT&T(T)に関するものとなっています。(https://www.att.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- AT&Tとはどのような企業か?
- AT&Tの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- AT&Tの配当金は?
AT&T(T)とは?
AT&Tは通信及びテクノロジーサービスを提供している企業です。
主にコミュニケーション事業とラテンアメリカ事業の2事業を展開しています。
まず、コミュニケーション事業では米国内の消費者や世界中の企業に無線、有線通信及びブロードバンドサービスを提供しています。
この事業にはMobilityやBusinessWireline、ConsumerWirelineが含まれており、Mobilityではデータ通信や携帯電話プランなどの無線サービスやモバイルデバイスなどの機器の提供。
BusinessWirelineでは従来の音声とデータに加えて高度なイーサネットベースのファイバーサービス、IPなど法人向けのサービスや機器の提供、ConsumerWirelineでは一部の住宅顧客にマルチギガサービスを提供するファイバー接続を含むブロードバンドサービスを提供しています。
一方でラテンアメリカ事業ではメキシコで無線サービスを提供しています。
メキシコではAT&T及びUnefonというブランドで展開しており、約2200万人の加入者にポストペイド及びプリペイドの無線サービスやスマートフォンなどの端末を提供しています。
ちなみに2022年4月においてワーナーメディア事業に関しては分離が行われています。
競合企業
AT&Tの競合企業としては大手通信事業を展開しているベライゾンやワイヤレス通信事業を行っているT-MobileUSがあります。
また、電気通信事業を展開しているチャーター・コミュニケーションズやケーブルテレビやブロードバンドインターネットプロバイダーのコムキャストなどがあります。
- ベライゾン
- T-MobileUS
- チャーター・コミュニケーションズ
- コムキャスト
AT&Tの将来性
AT&Tの将来性としては不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはAmazonの通信事業への参入の可能性が挙げられます。
例えば、実際にAmazonはプライム会員向けに10ドル以下の通信プランを提供するために米国通信会社との交渉が行われているとの報道がなされています。
中でも有力候補は新興のディッシュ・ネットワークなどとの示唆もなされており、仮にAmazonが新興の事業者と協力して低価格の通信事業サービスを打ち出した場合、大手通信事業者のシェアを大きく削る可能性があります。
そうなると通信事業の大手であるAT&Tの通信事業サービスのシェア低下、ひいては収益への影響は避けられないと言えるでしょう。
その点でAmazonの通信事業参入の可能性はAT&Tにとっての大きな懸念材料だと思われます。
もう一つの理由としては鉛ケーブルに関する問題が挙げられます。
現状、米国の通信事業者は鉛が含まれるケーブルを使用していませんが、光ファイバーに置き換えられた後、鉛が含まれるケーブルをそのまま放置し、そのケーブルの劣化による環境汚染があるのではないかとという指摘がなされています。
仮に鉛が含まれるケーブルの放置かつ、環境汚染が本当であった場合、膨大な除去費用がかかり、AT&Tの財務に大きな圧迫となる可能性が高いと言えるでしょう。
この点で鉛ケーブルに関する問題においてAT&Tの大きな不透明さの一つだと言えるかと思われます。
これらの点を鑑みるとAT&Tの将来性としては不安定な部分があると言えます。
AT&Tの今後に対する期待度
以下はAT&Tの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うAT&Tの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はAT&Tの決算や財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はAT&Tの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
AT&Tの場合、やや減少傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はAT&TのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
AT&Tの場合、全体として横ばいであることが見て取れます。
営業利益率
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上記はAT&Tの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
AT&Tの場合、全体として10%以上となっていることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はAT&Tの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされるものです。
AT&Tの場合、2022年では30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はAT&Tの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
AT&Tの場合、減少傾向にあることが見て取れます。
配当性向
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以下はAT&Tの配当性向を示したものです。
AT&Tの場合、やや減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はAT&Tの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
コミュニケーション | 117067 | 114730 | 109965 |
ラテンアメリカ | 3144 | 2747 | 2562 |
その他、法人 | 530 | 16561 | 30523 |
合計 | 120741 | 134038 | 143050 |
配当金
以下はAT&Tの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.3525$ |
2021 | 2.08$ |
2020 | 2.08$ |
2019 | 2.04$ |
2018 | 2$ |
2017 | 1.96$ |
2016 | 1.92$ |
2015 | 1.88$ |
2014 | 1.84$ |
2013 | 1.8$ |
コメント・考察
AT&Tは高配当な銘柄で有名で直近では一度減配しましたが、依然として7%以上の高利回りで高配当として人気な銘柄ではあります。
しかし、現状のAT&Tの高利回りの現実はただただ株価の下落により、相対的に高利回りとなっている感が否めません。
また、通信市場自体の安定性は高くとも、今の通信事業市場が現状のまま勢力状況だとは限りません。
実際に新興事業者と提携してAmazonが通信市場に参入した場合、既存の通信市場に大きなディスラプションをもたらす可能性があります。
そうなると既存の勢力側であるAT&Tは大きく、収益を削られる結果となる可能性は考えれますし、そうなると再び減配をせざるおえなくなるということも十分にあり得るでしょう。
加えて、鉛ケーブルに関する問題でも除去費用を負担することになれば、財務的な負担が増え、これも再度減配に繋がる可能性のある要因だと言えます。
そのため現状、AT&Tの取り巻く状況ではAT&Tの魅力である高配当が今後も続くかはやや不透明感が大きいと言えるでしょう。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でAT&Tの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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