本記事では米国株の中でも3Mに関する記事となっています。
本記事では以下のような擬問に答えます。
- 3Mとはどのような企業か?
- 3Mの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や配当金は?
- 3Mの財務状況は?
スリーエム (MMM)
3M (MMM)は、電子機器部品や衛生用品、素材部品などを提供している企業です。
主な事業分野は4つ存在し、安全性や産業用品に関わる事業や電子機器や輸送に関連する事業、ヘルスケア事業、消費者向け事業があります。
まず、安全性や産業用品に関わる事業では産業用の接着剤やテープ、研磨剤、フィラメント、電気インフラ製品、自動車修理に関わる製品などが含まれています。
次に電子機器や輸送に関連する事業ではロケットや燃料電池などに使用されるセラミックファイバーやアタッチメントテープ、反射標識、強化フィルムなど。
ヘルスケア事業では、ろ過製品やバイオ医薬品、その他医療用製品などを取り扱い。
消費者向け事業ではスポンジやブラシ、ガムテープなどや文房具用品、オフィス用品などを取り扱っています。
直近では医薬品機器に関わるアクセルティ、医療における音声認識などに関連するM Modalを買収、2020年には医薬品のデリバリー事業を売却しています。
また、歯科製品や医療に関連する製品などを扱うヘルスケア事業は分社化することを発表しています。
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競合企業
3Mの競合企業としては洗剤やシャンプーのボトルなど様々な製品に使用される粘着ラベルや工事現場などで使用される反射鏡、看板やサイン資材などを提供するエイブリィ・デニソンが挙げられます。
また接着剤や医療機器製品、防護服などを提供するデュポン、フィルム製品や化学繊維、接着素材などを取り扱う三菱ケミカル。
インドに拠点を置き研磨剤や接着剤など多角的に経営を行っているカーボランダム・ユニバーサルなどが挙げられます。
- エイブリィ・デニソン
- デュポン
- 三菱ケミカル
- カーボランダム・ユニバーサル
3Mの将来性
3Mは多角的に事業を行っていて、2021年の売上高では安全性や産業用品に関わる事業では全体の36%、電子機器や輸送では28%、消費者向け事業が17%、ヘルスケア事業が26%とバランスよく分散されています。
また、その格4事業の中でも製品の売上高の割合はおおよそ分散されています。
そのため、一つの製品や事業が失敗やその市場が斜陽産業となってしまったとしても致命的な影響は受けづらく、リスクの分散ができている点はメリットかと思われます。
一方で3Mのもの言う株主はヘルスケア事業を分社化する決定したことからもわかるように多角化している現状から収益性の高い事業への集中を求めています。
今後も格事業部門の分社化が進み、それぞれの効率化が進むものの多角化しているメリットを無くしてしまうのか、今後どのような方向性となるのか懸念材料として残ります。
財務状況
以下は3Mの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記のグラフは、スリーエムの年毎の営業利益を表したグラフとなっています。
営業利益とはそもそも本業でどれくらいの利益を得ているのかという指標でブレが少なく、安定的に増加しているほど評価される指標です。
スリーエムの場合は、2019年にやや減少しましたがその後は回復基調にあることが見て取れます。
EPS

上記のグラフは、EPS(1株あたりの利益)を示したグラフです。
この指標は企業の収益力を示した値でこの指標も右肩上がりになっているかが注目点となります。
スリーエムでは2019年、2020年でやや下落局面であったことがわかります。
営業利益率
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上記のグラフは営業利益率を示したグラフです。
この指標はどれほど儲かるビジネスをやっているのかという指標になりますが、基本的には10%〜15%以上が優良と呼ばれる企業の水準です。
スリーエムは基本的に15%以上をキープしていて優良と呼ばれる部類の水準に入っていることがわかります。
自己資本比率
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上記の数値を示したグラフは、自己資本比率を示したグラフになります。
この指標はどれくらいが会社自体のお金であるかを示しており、主に企業の安定性を示す指標として使われます。
目安としてはおおよそ30%以上が理想的だとされていますが、スリーエムに関しては2021年には30%を超えましたが、それ以前は30%を切っていたことがわかります。
営業活動によるCF
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上記の棒グラフは営業によるCFをあらわしています。
この営業活動によるCFは企業における手元現金の推移を示しています。
この指標が増加傾向にあれば手元現金が増えているということになりますがスリーエムは2020年を起点にやや減少傾向にあります。
配当性向
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配当性向は利益のうちのどれくらいを配当として株主に還元しているのかという指標になります。
そのため、50%未満くらいが健全な数値ですが、ここ数年は50%を超えることが多く、そろそろ配当を今の水準で出し続けるのは厳しいラインになってきているのではないかと思われます。
事業別収益
純売上高 (百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
安全性、産業用品事業 | 12880 | 11734 | 11514 |
輸送、電子機器事業 | 9769 | 8833 | 9591 |
ヘルスケア事業 | 9050 | 8345 | 7431 |
消費者向け事業 | 5856 | 5311 | 5151 |
未割り当て | 2 | -2 | 110 |
二重信用の解消 | -2202 | -2037 | -1661 |
合計 | 35355 | 32184 | 32136 |
上記は事業別の純売上高を示したものとなっています。
2020年はおおよその企業が全体として売上高を減らすことが多かった年です。
しかし、うまく事業を分散させることで輸送、電子機器事業では減少しましたが、その他3つの事業でカバーすることで全体としては前年と比較して増加に転じていることが分かります。
配当金推移
以下は3Mの直近10年の年間配当の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 5.92$ |
2020 | 5.88$ |
2019 | 5.76$ |
2018 | 5.44$ |
2017 | 4.7$ |
2016 | 4.44$ |
2015 | 4.1$ |
2014 | 3.42$ |
2013 | 2.54$ |
2012 | 2.36$ |
コメント・考察
3Mの財務に関しては営業利益率も高く、営業利益も順調に伸ばしているなど安定した動きが見られます。
一方で現在ヘルスケア事業の分社化が決まっているなど営業利益などには影響が出ると思われますが、基本的に収益性が高いものが3Mに集中することを求めているなどで営業利益率などは逆に高まる可能性があるかと思われます。
また、3Mは耳栓の製品に関して欠陥があったとして訴訟を起こされ、耳栓に関連した製品を取り扱う子会社のエアロテクノロジーズの破産申請を行った経緯があります。
今後この耳栓に関する製品の訴訟がどのように決着するのか、また3Mの本社にどのように影響が広がる可能性があるのか注視していく必要があるかと思われます。
取り扱っている証券会社
下記は米国株を取り扱う日本の主な証券会社の中で3Mの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | 松井 | DMM | PayPay | 大和 | 野村 |
取り扱い有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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