本記事は米国株の中でもエクソンモービル(XOM)に関する記事となっています。
本記事はこのような疑問に答えます
- エクソンモービルとはどんな事業を行っている企業なのか?
- エクソンモービルの将来性は?
- 配当金や取り扱っている証券会社は?
- エクソンモービルの財務状況は?
エクソンモービル (XOM)
エクソンモービルは数百の関連会社を持ち、石油や天然ガス、石油関連製品を取り扱っている企業です。
また、石油の生産、運搬、販売などへの大きな影響力を持っていた石油メジャーの一角として知られています。
主な事業部門としては3つ存在し、石油などを探しあてたり、採掘をおこなったりする事業、石油製品や石油化学製品を取り扱う事業、低炭素化を行う事業に分かれています。
探鉱や採掘の事業では露天掘りにより、オイルサンドを回収、そのオイルサンドから原油を採取、陸海で天然ガスや油田の探索、開発などを行っています。
主な開発地域としてはアメリカやカナダ、オーストラリア、カザフスタン、アラブ首長国連邦などがあります。
また、石油製品や石油化学製品事業では、天然ガスや石油の精製、パイプラインなどでの輸送、販売。
加えて、フィルムや自動車部品、繊維素材などに使用されるエチレンやプロピレンなどのオレフィン樹脂。
食品の包装用のプラスチック製品やビニール袋などに使用されるポリオレフィン、医薬品や接着剤など幅広く使われる芳香族などを提供しています。
低炭素化を行う事業では、二酸化炭素の回収、地中への貯蔵、水素やバイオ燃料の製造などを行っています。
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競合企業
エクソンモービルの競合企業としては、まず同じく石油の垂直統合、石油メジャーとして知られたシェブロンやシェル、BP、トタルエナジーズ、コノコフィリップスが挙げられます。
また、2022年の6月にはアップルを超えて時価総額1位になったこともあり、石油価格に大きな影響を与えるサウジアラムコや天然ガスの価格に大きな影響を与えるガスプロムなどが挙げられます。
その他には有名なウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーが保有率を拡大させたことでも知られるオクシデンタル石油や石油の精製などに加えて再生可能燃料施設の展開を行うフィリップス66などが挙げられます。
- シェブロン
- シェル
- BP
- トタルエナジーズ
- コノコフィリップス
- サウジアラムコ
- ガスプロム
- オクシデンタル石油
- フィリップス66
エクソンモービルの将来性
石炭や石油などの化石燃料に関して現在二酸化炭素の排出や環境の観点から先進国を中心に削減が求めれています。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト 大きさのみ加工
しかしながら、上記の世界のエネルギー源ごとのシェアを見ると現状の予測では2040になっても減少はするものの、石油が一番大きなシェアを持つことには変わりありません。
また、天然ガスでは石炭や石油よりも二酸化炭素の排出が少ないためか石炭に代わって大きなシェアをもつことになります。
加えて、結局のところ新興国などを中心にOECDによると2019年から比較して2050年には全体として世界のエネルギー需要はおおよそ15%増加することが予測されています。
そのため、エクソンモービルの主要な製品の需要自体はあまり問題はないかと思われます。
財務状況
以下はエクソンモービルの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記のグラフはエクソンモービルの毎年の営業利益を表したグラフとなっています。
営業利益とはそもそも本業でどれくらいの利益を得ているのかという指標でブレが少なく安定的に増加しているほど評価される指標です。
エクソンモービルは石油というエネルギー資源を扱う分野であるためかブレが大きく安定した利益が得られづらいということが見て取れます。
EPS (一株あたりの利益)

上記のグラフはEPS(1株あたりの利益)を示したグラフです。
この指標は、企業の収益力を示した値でこの指標も右肩上がりになっているかが注目点となります。
エクソンモービルはかなりブレが大きく不安定だということがわかります。
営業利益率
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上記のグラフは、営業利益率を示したグラフです。
この指標はどれほど儲かるビジネスをやっているのかという指標になりますが、基本的に10%〜15%以上が優良と呼ばれる企業の水準です。
エクソンモービルの場合10%を切ることが多く2020年にはマイナスであまり儲かる業態ではないということがわかるのではないでしょうか。
自己資本比率
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上記の数値を表したグラフは自己資本比率を示したグラフになります。
この指標は、どれくらいが会社自体のお金であるかを示しており、主に企業の安定性を示す指標として使われます。
目安としては、おおよそ30%以上が理想的だとされていますが、その点エクソンモービルは健全なラインであると言えるでしょう。
営業活動によるCF
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上記の棒グラフは営業活動によるCFを表しています。
この営業活動によるCFは企業における手元現金の推移を示しています。
この指標が増加傾向にあれば手元の現金が増えているということになりますが、エクソンモービルは2020年を境に回復傾向が見られます。
配当性向
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配当性向は利益のうちどれくらいを配当として株主に還元しているかという指標になります。
100%以上超えているのは利益以上の配当を出している、2020年でマイナスなのは赤字なのに配当を出しているという状態です。
あまり好ましい状態ではないですが直近の2021年では再び60%前後の水準まで回復しています。
事業別収益
収益 (百万$) | 2021 | 2020 |
アップストリーム | 15775 | -20030 |
ダウンストリーム | 2105 | -1077 |
化学事業 | 7796 | 1963 |
企業間 | -2636 | -3296 |
合計 | 23040 | -22440 |
上記はエクソンモービルの事業別の収益を示したものとなっています。
アップストリーム事業では石油や天然ガスの発掘や産出、ダウンストリームでは天然ガスや石油の精製、輸送など、化学事業ではオレフィンや芳香族の提供などが含まれます。
2020年と比較すると全体としても2021年では大幅に改善していることが見て取れます。
配当金推移
下記はエクソンモービルの直近10年の年間の配当金の推移を示したものとなっています。
西暦 | 配当金 |
2021 | 3.49$ |
2020 | 3.48$ |
2019 | 3.43$ |
2018 | 3.23$ |
2017 | 3.06$ |
2016 | 2.98$ |
2015 | 2.88$ |
2014 | 2.7$ |
2013 | 2.46$ |
2012 | 2.18$ |
コメント・考察
エクソンモービルの財務状況で2020年は営業利益や営業利益率がマイナスになるなど最悪な状態となっていました。
しかし、これに関しては2020年は世界的な社会活動が大幅に制限されて、石油や天然ガスの需要が大幅に減り、石油の先物価格に至ってはマイナスになるなどの状態が原因で一時的なものだったと考えられます。
その結果として2021年には過去の水準以上に営業利益や営業利益率が戻っているため、2020年に関してはエクソンモービル自体に問題があったというよりは一時的な社会活動による問題だったと考えて良さそうです。
しかしながら、石油や天然ガスなどのエネルギーに関わる企業は大きく社会活動に依存していることを改めて念頭に置いておかなければなりません。
また、今後仮に2020年以上に社会活動の大幅な制限があった場合、より大きな営業利益などマイナスを被ることが考えられ、その期間をどれくらい最小限のマイナスとして抑えられるのかが鍵となってくるのではないかと思われます。
取り扱っている証券会社
下記は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でエクソンモービルの取り扱いの有無を示したものとなっています。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | Pay Pay | 松井 | 野村 | 大和 |
取り扱いの有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
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