今回は米国株の中でコルテバ(CTVA)に関する記事となります。
本記事はこのような疑問に答えます
- コルテバとは?
- どのような事業をコルテバは行なっているのか?
- コルテバの将来性は?
- コルテバの配当や財務状況はどのような状態か?
コルテバ(CTVA)とは
コルテバは、作物の種子の改良や保護などの農業に関連する企業です。
2019年にダウデュポンの農業事業の部門から分離したものがコルテバとなっています。
主な事業としては2つの事業に分かれており、作物の種子に関する事業と作物保護に関する事業に分かれています。
まず、作物の種子に関する事業では主にとうもろこしや大豆、ひまわりなどに関する種子をゲノム編集などにより収穫量を増やしたり、種子の表面をコーティングすることで種子の病気や害虫に晒されるリスクを減らす種子処理などを行なっています。
コルテバのゲノム編集の作物の例としては、モチモチとした食感が特徴的なとうもろこし、ワキシーコーンが挙げられ、以前からネックだった収穫量の少なさの改善に貢献しています。
もう一方の作物保護に関する事業においては主に除草剤や害虫の駆除剤などを提供しています。
主な製品としては、ひまわりやとうもろこし、大豆など土壌に使用される除草剤、ArylexTMや害虫の駆除のために使用されるIsoclastなどがあります。
コルテバの主要な市場は、とうもろこしや大豆の生産量が多いアメリカやブラジルを含む北米やラテンアメリカとなっています。
割合としては、コルテバの2021年の純売上の割合で一番が北米アメリカが約48%、次でラテンアメリカの約23%となっています。
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競合企業
コルテバと競合する企業としては、ドイツに拠点を置き、化学関連製品を扱い農業の分野でも活躍するBASFや遺伝子組み換え作物や除草剤などを提供していたモンサントを買収し、同じくドイツに拠点を置く、バイエルがあります。
また、害虫の駆除剤や除草剤などを提供するFMCや1450種類もの除草剤や昆虫駆除剤などの製剤を取り扱うADAMAを傘下に置くchem chinaなどが挙げられます。
- BASF
- バイエル
- FMC
- chem china
コルテバの将来性
コルテバの関わるゲノム編集における世界市場は、現在の市場規模から2030年までに2〜3倍までに拡大すると見られています。
また、除草剤や昆虫などの駆除剤が含まれる農薬の世界の市場規模でも同じく市場規模の拡大が予想されていて、現在から2030年前後にかけて1.2倍前後まで拡大することが予想されています。
市場自体は、拡大することが予想されている上、世界の人口増加率は減少しているものの、いまだ世界人口は増加していて、2050年までに約97億人前後まで増加する見通しです。
そのため、増加する人口を支えるための食糧を維持や増産には、コルテバの関わる害虫に食われるのを防いだり、作物自体の収穫量を増やすゲノム編集や除草剤や害虫の駆除剤などは一定の需要やメリットがあるように思われます。
とはいえ、ゲノム編集や除草剤などの農薬は未だ消費者などの抵抗が強く、特にゲノム編集の作物では、EUや米国など規制の枠組みの見直しなど未だ不明確な部分も多く先行きが不透明である点が気になります。
財務状況
下記はコルテバの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記のグラフは、コルテバの営業利益を示したものとなっています。
営業利益に関して、2018年から2019年で大幅に下落していますが、これは、2018年の部分はダウ・デュポンから分離する前のものであるため、この部分の下落に関してはそこまで気にする必要はないかと思われます。
一方で2019年の分離後以降は、コルテバの営業利益は右肩上がりで、営業利益に関しては順調な様子が見て取れます。
EPS
上記はコルテバのEPS(一株あたりの利益)を示したものになります。
EPSは一般的に企業の収益力を測るものでコルテバの場合は、2019年、2020年では横ばい、2021年では大きく増加していることがわかります。
営業利益率
上記はコルテバの営業利益率を示したものです。
2018年から2019年にかけて大幅に下落していますが、こちらも2018年の値は分離する前の値であるためさほど気にする必要はないかと思われます。
一方で2019年以降は、右肩上がりの水準ですが、一般的に優良だとされる10%〜15%以上の水準にはまだ至っていないというのが現状です。
自己資本比率
上記のグラフは、コルテバの自己資本比率を示したグラフです。
自己資本比率はどれくらいが会社のお金であるかという指標でおおよそ30%以上が優良だとされる水準です。
コルテバの場合、自己資本比率は30%を大幅に超えており、なおかつ増加傾向にあって健全性という点では申し分のない水準なのではないかと思われます。
営業によるCF
上記のグラフは、コルテバの営業によるCFを示したグラフとなっています。
営業によるCFはどれくらい会社への流入する現金があるのかを示していますが、コルテバの場合、分離後の2019年から2021年までにおおよそ3倍近く流入する現金の量が増えたことが見て取れます。
配当性向
上記はコルテバの配当性向を示したグラフです。
コルテバの場合、2019年から2020年において配当性向が大幅に増加しているものの、同じく増配している2021年ではやや配当性向が下がっており、2021年方が余裕を持って株主に対して配当として還元ができたことがわかります。
事業別収益
純売上高(百万$) | 2021 | 2020 | 2019 |
作物保護 | 7253 | 6461 | 6256 |
作物の種子 | 8402 | 7756 | 7590 |
合計 | 15655 | 14217 | 13846 |
上記はコルテバの事業別収益を示しており、コルテバの大きな2つの事業、作物保護と作物の種子に関わる事業の純売上高を示したのとなっています。
どちらの事業も分離した2019年以降順調に純売上高を伸ばしており、市場規模の拡大とともにコルテバも順調に業績を伸ばせてることが分かります。
配当金推移
西暦 | 配当金 |
2021 | 0.54$ |
2020 | 0.52$ |
2019 | 0.26$ |
上記はコルテバの年間の配当金を示したものになりますが、分離後の2019年からの推移を示しています。
2019年は2020年以降より少なくなっていますが、分離したのが2019年の途中からとなっているため2020年よりも大幅に少ない値となっています。
その後は2020年から2021年はおおよそ平均的な配当の増加幅となっています。
コメント・考察
コルテバは、2019年に分離してできたばかりの企業ですが、財務自体は比較的健全で、あとは営業利益率をもう少し上げられれば十分なところといったところでしょうか。
また、市場に関しては上記でも述べた通り、拡大が見られますが、農薬やゲノム編集の面での規制などの不安が残ります。
加えて、コルテバは全体で大豆やトウモロコシの品種などでおおよそ1万6000を超える特許を保有していますが、これらの特許が切れた場合に市場の優位性が失われるなどの懸念点があります。
特許が切れた場合、農業の分野ではジェネリック種子として、他のライバル企業が安く販売する場合が多いためです。
特にコルテバの競合企業として挙げられるADAMAは、特許切れのジェネリック製品での大手であり、コルテバの特許が切れた場合の動向に注意が必要だと思われます。
取り扱っている取引所
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | DMM | Pay Pay | 松井 | 大和 | 野村 |
取り扱いの有無 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 | 無 | 有 | 有 |
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