今回は米国株の中でもオン・セミコンダクター(ON)に関するものとなっています。(https://www.onsemi.com)
今回はこのような疑問に答えます。
- オン・セミコンダクターとは?
- オン・セミコンダクターの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- オン・セミコンダクターの配当金は?
オン・セミコンダクターとは?
オン・セミコンダクターは、集積回路や半導体デバイスの設計、製造、販売を行っている企業です。
主に3つの事業が存在し、パワーソリューショングループやアドバンストソリューショングループ、インテリジェントソリューショングループといった事業を展開しています。
まず、パワーソリューショングループ事業ではパワースイッチングやパワーコンバージョン、信号コンディショニング、回路保護、信号増幅、電圧調整機能。
これらの複数のアプリケーション機能を提供するアナログやディスクリート、モジュール、統合半導体製品などを扱っています。
次にアドバンストソリューショングループ事業ではエンドユーザー向けにアナログやミックスドシグナル、高度なロジック、ASSP及びASIC、RF及び統合電力ソリューションを設計及び開発しています。
また、アドバンストソリューショングループ事業では政府顧客にファウンドリと設計サービスも提供しています。
そしてインテリジェントソリューショングループ事業ではCMOSイメージセンサや画像イメージプロセッサ、SiPMやSPADアレイを含む単一光子検出器、オートフォーカスと手ぶれ補正用のアクチュエータドライバを設計、開発しています。
2022年の収益における主なエンドユーザー市場は自動車が40.4%、産業が27.5%、その他が32.1%となっています。
また、直近ではSiC基盤の生産者であるGTアドバンスト・テクノロジーズの買収を行っています。
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競合企業
オン・セミコンダクターの競合企業としては、自動車や産業など向けにアナログやセンサ、パワーセミコンダクタといった半導体を提供しているSTマイクロエレクトロニクスや高い耐熱性、電力交換率を持つ半導体製品を扱うウルフスピードがあります。
また、ドイツに拠点を置き、半導体製品を扱っているInfineonやイメージセンサなどを展開しているソニーセミコンダクタなどが挙げられます。
- STマイクロエレクトロニクス
- ウルフスピード
- Infineon
- ソニーセミコンダクタ
オン・セミコンダクターの将来性
オン・セミコンダクターの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
まず、一つ目の理由としてはSiCワイドバンドギャップ技術に基づくインテリジェント電力技術を展開している点が挙げられます。
インテリジェント電力技術は電力損失の削減や省エネルギー化の高いエネルギー効率や高温での動作能力、高電圧耐性などを提供し、EV市場での活躍が期待されています。
しかし、SiCワイドバンドギャップ技術に基づくインテリジェント電力技術は比較的新しい技術であり、複雑な製造プロセスが必要で参入のハードルが依然として高い分野とされています。
一方でオン・セミコンダクターはインテリジェント電力技術における強みを持っており、2022年の収益において40.4%を占め、今後EVの普及が進んでくるであろう自動車市場においてこの技術を持つ競合は限られており、強い競争力を維持できることが期待できるのではないでしょうか。
また、もう一つの理由としては、顧客向けにカスタムデバイスの設計、製造にも特化している点が挙げられます。
例えば、半導体メーカーは標準製品や汎用デバイスを提供することが一般的ですが、特に自動車産業などでは顧客固有の要件や規制に準拠するためにカスタムデバイスの需要が高まっています。
一方でカスタムデバイスを提供できる半導体メーカーは比較的少なく、オン・セミコンダクターのカスタムデバイスの設計から製造まで一貫して提供できる点は競合に対する優位性だと言えるのではないでしょうか。
これらの点を鑑みるとオン・セミコンダクターの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
オン・セミコンダクターの今後に対する期待度
以下はオン・セミコンダクターの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うオン・セミコンダクターの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はオン・セミコンダクターの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はオン・セミコンダクターの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
オン・セミコンダクターの場合、2020年以降大きく増加していることがみて取れます。
EPS

上記はオン・セミコンダクターのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
オン・セミコンダクターの場合、2020年以降は右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はオン・セミコンダクターの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
オン・セミコンダクターの場合、2021年以降15%以上で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はオン・セミコンダクターの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示したもので30%以上が目安とされています。
オン・セミコンダクターの場合、30%以上で推移している上、上昇傾向にあることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はオン・セミコンダクターの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
オン・セミコンダクターの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はオン・セミコンダクターの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 |
パワーソリューション | 4208.2 | 3439.1 |
アドバンストソリューション | 2841.3 | 2399.9 |
インテリジェントソリューション | 1276.7 | 900.8 |
合計 | 8326.2 | 6739.8 |
配当金
現時点でオン・セミコンダクターは配当金を出していません。
現状、オン・セミコンダクターが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
オン・セミコンダクターは現在、収益や営業利益が大幅に増加していますがこれに関してはより高い利益率をもたらす製品ミックスに焦点を当てる戦略や強い市場需要による平均価格の上昇に起因しているとされています。
しかし、半導体の需要のサイクルは一般的に非常に激しいのが現状です。
そのため、半導体を扱うオン・セミコンダクターも半導体の需給サイクルに影響を受けるのは避けられないでしょう。
その中でもオン・セミコンダクターの場合は2022年の収益の40.4%が自動車市場の半導体需要からきています。
また、自動車市場の中でも特にEVの需要が重要な部分を占め、EVの生産の縮小や停滞は収益性に大きな影響を与える可能性が高く、EVの生産動向についてはオン・セミコンダクターに関して最も注意すべき点だと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でオン・セミコンダクターの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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