今回は米国株の中でもアーチャー・アビエーション(ACHR)に関するものとなっています。(https://www.archer.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アーチャー・アビエーションとはどのような企業か?
- アーチャー・アビエーションの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アーチャー・アビエーションの配当金は?
アーチャー・アビエーションとは?
アーチャー・アビエーションは、電動垂直離着陸(eVTOL)航空機の開発を行っている企業です。
開発している電動垂直離着陸(eVTOL)航空機はMidnightを開発しており、12個のプロペラがついた機体で乗客4名とパイロット1名が搭乗可能、時速約241kmで飛行、最大約257kmの航続飛行が可能ですが通常は約32kmほどの短距離が想定されています。
また、巡航高度は約610メートルほどが想定されており、地上に到達する騒音は約45A加重デシベルとヘリコプターの100倍ほどの騒音の低さが見込まれています。
Midnightのおおよその充電時間は10分とされており2024年末のFAA認証、2025年に商用サービスの展開を目指しています。
計画されている事業展開としては、消費者へ直接の航空ライドシェアサービス、アーチャーUAM事業と他の事業者にeVTOL航空機を販売するアーチャーダイレクト事業の2事業を計画しています。
また、戦略的パートナーとして自動車メーカーであるステランティスとはeVTOL航空機のサプライチェーンと設計において協力し、ジョージア州のコビントンに製造施設を立ち上げ、長期的にはステランティスが契約製造業者として機体を量産することが計画されています。
加えて、ユナイテッド航空とも協力し、ユナイテッド航空がeVTOL航空機を購入する最大15億ドルの購入契約を締結、ユナイテッド航空のハブ空港などでの協力も進められています。
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競合企業
アーチャー・アビエーションの競合企業としてはeVTOL航空機の開発やeVTOL航空機のライドシェアサービスの開発を進めているジョビー・アビエーションやドイツを拠点に置き、eVTOLの開発を進めているLiliumがあります。
また、電動垂直離着陸機を開発しているボロコプターやエアロヴァイロンメントの傘下にあり、VTOLドローン技術などを開発しているパルス・エアモビリティなどが挙げられます。
- ジョビー・アビエーション
- Lilium
- ボロコプター
- パルス・エアモビリティ
アーチャー・アビエーションの将来性
アーチャー・アビエーションの将来性としてはやや不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはeVTOL航空機の商業運用はライドシェアモデルになる可能性が高い点が挙げられます。
eVTOL航空機市場全体としての本格的な商業運用は依然として途上段階にありますが、本格的な商業運用が始まった場合、価格や操縦といった安全性、規制などの面を考えると個人所有よりライドシェアモデルの方が主流になる可能性が高いかと思われます。
そんな中、主要な競合であるジョビー・アビエーションはウーバーの空飛ぶタクシー事業、UberElevate事業を買収し、これを機にUberのライドシェアアプリとの統合などを進めています。
一方でアーチャー・アビエーションもライドシェア事業であるアーチャーUAM事業を進めていますが、具体的な協力や施策には不透明な部分があります。
その点で主要な競合であるジョビー・アビエーションは今後のeVTOL航空機のメイン展開となる可能性の高いライドシェア事業に関しても協力、統合を固めているのに対してアーチャー・アビエーションはライドシェア事業の計画に関して出遅れ感があると言えるのではないでしょうか。
もう一つの理由としてはアーチャー・アビエーションには本格的な収益が依然として無い点が挙げられます。
現状、eVTOL航空機の市場自体未成熟な部分があり、しかたない部分もありますが依然としてアーチャー・アビエーションには本格的な収益がありません。
一方でユナイテッド航空から最大15億ドルの購入契約を締結し、2022年8月には実際に100機の引き渡し前支払いとして1000万ドル支払いを行なっています。
しかし、本格的な収益が発生するのは計画されている2024年末のFAA認証後の2025年の本格的な商用サービス展開からとされています。
そのため、FAAの認証が遅れたりすると商用サービス展開が遅れ、本格的な収益発生も遅れる可能性があり、その間の本格的な収益が発生しない期間が長引くことで資金繰りが悪化する懸念も大きくあります。
これらの点を鑑みるとアーチャー・アビエーションの将来性としては不透明な部分があると言えるのではないでしょうか。
アーチャー・アビエーションの今後に対する期待度
以下はアーチャー・アビエーションの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアーチャー・アビエーションの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアーチャー・アビエーションの財務状況などを示したものです。
ちなみに営業利益率は収益がないため出すことができません。
営業利益
上記はアーチャー・アビエーションの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アーチャー・アビエーションの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS
上記はアーチャー・アビエーションのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
アーチャー・アビエーションの場合、マイナス幅は縮小していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はアーチャー・アビエーションの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
アーチャー・アビエーションの場合、全体として30%を大きく上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はアーチャー・アビエーションの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アーチャー・アビエーションの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
配当金
現時点でアーチャー・アビエーションは配当金を出していません。
現状、アーチャー・アビエーションが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
eVTOLの市場は依然として未発達であり、そもそもeVTOL航空機のFAAの認証がスムーズに進むのかどうかも不透明な部分は多く、どの企業が競争で優位になるかは予測しづらい部分があります。
ただ、eVTOL機の市場が成熟しておらず、本格的な収益が確立されていない以上、現状ではパートナーシップや他企業との協力が重要な部分となってくるかと思われます。
その点でアーチャー・アビエーションは、機体の製造などサプライチェーンの面ではステランティス、航空面ではユナイテッド航空が協力しています。
一方で主要な競合であるジョビー・アビエーション場合は機体ではトヨタ、航空面ではデルタ航空などと組んでおり、製造や航空面ではそこまで大きく協力関係での差はないかと思われます。
ただ、ジョビー・アビエーションの方は今後のライドシェアの面ではUberとの競合を進め、米国空軍との協力も行っており、より広い協力関係を取り付けている部分があります。
その点でアーチャー・アビエーションは主要な競合と比較すると今後の主要事業となる可能性の高いライドシェアなど協力関係が薄い点でやや気になる部分かと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアーチャー・アビエーションの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 無 |
大和 | 有 |
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