今回は米国株の中でもアッヴィ(ABBV)に関するものとなっています。(https://www.abbvie.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アッヴィとはどのような企業か?
- アッヴィの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況などは?
- アッヴィの配当金は?
アッヴィとは?
アッヴィ(ABBV)は2013年にアボットラボラトリーズから分割し、バイオ医薬品事業を展開している企業です。
主に免疫製品やオンコロジー製品、美容製品、神経科学製品、アイケア製品などを展開しています。
例えば、免疫製品ではリウマチや皮膚、消化器化に関わる免疫学製品、ヒュミラやリサンキズマブ、ウパダシチニブを展開。
オンコロジー製品では治療が難しいガン治療製品を取り扱っており、イブルニチブやベネストクラクス、美容製品では顔面注射剤やプラスチック及び再生医療、ボディ輪郭形成、スキンケア製品を展開。
そして、神経科学製品では筋肉組織に注射されるアセチルコリン放出阻害剤及び神経筋遮断剤、統合失調症の治療薬カリプラジンやパーキンソン病のためのデュオドーパ。
アイケア製品では緑内障や高眼圧症のために眼圧を調整するビマトプロスト点眼液やアルファガンなどを取り扱っています。
また、その他にもC型肝炎ウイルス患者のための治療薬のマヴィレットなど代謝製品やホルモン製品なども扱っています。
主に卸売販売業者を通して医薬品を販売しており、マッケソン・コーポレーションやカーディナル・ヘルス、アメリソースバーゲンが米国におけるアッヴィの医薬品販売の実質的にほとんどを占めています。
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競合企業
アッヴィの競合企業としてはスイスに拠点を置き、ガンや免疫学、感染症などの医薬品を開発しているロシュやワクチン、医薬品などを開発、製造しているメルクがあります。
また、ワクチンや医薬品の開発を行なっているファイザーや神経疾患の治療薬などを開発しているバイオジェンなどが挙げられます。
- ロシュ
- メルク
- ファイザー
- バイオジェン
アッヴィの将来性
アッヴィの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては世界で最も医療ニーズの高い領域の1つである免疫疾患の治療薬において多くの適応性のある治療薬を展開している点が挙げられます。
例えば、アッヴィの展開する免疫疾患治療薬の一つであるヒュミラは炎症や組織損傷を抑える作用を持ち、関節リウマチや乾癬の他にも消化器官系の疾患などにも幅広い疾患に適応され、かつ高い安全性と効果で評価されています。
そのため、アッヴィのヒュミラは世界で最も売れた医薬品の一つとも称され、ヒュミラだけで2022年において212億ドル以上もの売り上げに達しています。
よってアッヴィが世界で最も売れた医薬品とも称されるような製品を展開し、強力な売り上げを誇っている点は競合に対する大きな強みだと言えるでしょう。
もう一つの理由としては、アッヴィの製品ポートフォリオの多角化が挙げられます。
依然としてアッヴィの収益でヒュミラが大きな割合を占めていますがヒュミラと同じく免疫疾患に対する治療薬で後継医薬品として期待されるリサンキズマブやウパダシチニブも展開しており、リサンキズマは2022年に約75%の売上拡大、ウパダシニチブは52.8%の拡大となっています。
また、直近のアラガン社を買収したことによってアイケアや美容製品など新たな市場分野にまで製品ポートフォリを拡大しています。
そのため、現状特にヒュミラにおいて強みを持ちつつも一つの製品への依存から脱却し、製品のポートフォリオの多様化によって収益源が多角化されつつある点は収益の安定性に向けて期待の持てる部分だと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとアッヴィの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
アッヴィの今後に対する期待度
以下はアッヴィの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアッヴィの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアッヴィの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はアッヴィの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アッヴィの場合、2021年以降大きく上昇していることがみて取れます。
EPS
上記はアッヴィのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
アッヴィの場合、右肩あがりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はアッヴィの営業利益率を示したものです。
営業利益率は10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
アッヴィの場合、全体として15%を大きく上回っていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はアッヴィの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
アッヴィの場合、改善傾向にはありますが30%を下回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はアッヴィの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アッヴィの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
配当性向
上記はアッヴィの配当性向を示したものです。
アッヴィの場合、やや減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はアッヴィの事業地域別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
米国 | 45713 | 43510 | 34879 |
国際 | 12341 | 12687 | 10925 |
合計 | 58054 | 56197 | 45804 |
配当金
以下はアッヴィの直近10年の年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 5.64$ |
2021 | 5.2$ |
2020 | 4.72$ |
2019 | 4.28$ |
2018 | 3.59$ |
2017 | 2.56$ |
2016 | 2.28$ |
2015 | 2.02$ |
2014 | 1.66$ |
2013 | 1.6$ |
コメント・考察
免疫疾患薬のヒュミラはアッヴィの主力製品ですが、2023年の1月で米国での独占権が失効しています。
そのため、他のメーカーが同じような有効成分や製造方法を活用し、より安価なジェネリック医薬品を市場に出せるようになります。
そうなるとアッヴィの主力製品であるヒュミラはジェネリック医薬品との競争に晒され、収益の低下が起きる可能性は高いと言えるでしょう。
ただし、アッヴィはこのヒュミラの独占権の失効を見越してかヒュミラの後継となるリサンキズマやウパダシチニブなどの展開やアイケア、美容製品などの新たな市場分野の開拓し、多角化が進められています。
その点でヒュミラの独占権の失効により、主力製品の収益低下は避けられないと思われますが、後継製品や新たな市場分野が主力製品の収益低下をいかにカバーできるかが今後の焦点となってくるのでは無いでしょうか。
アッヴィはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアッヴィの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 有 |
DMM | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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