本記事は米国株の中でもヒューレット・パッカード(HPQ)に関するものとなっています。(https://www.hp.com/us-en/home.html)
本記事はこのような疑問に答えます
- ヒューレット・パッカードとは?
- ヒューレット・パッカードの将来性は?
- 財務状況や取り扱っている証券会社は?
- ヒューレット・パッカードの配当金は?
HPとは?
HPはパソコンや周辺機器、印刷製品などを扱っている企業です。
2015年に企業向け製品を扱うヒューレット・パッカード・エンタープライズの会社分割を行なっています。
主な事業は3つありパーソナルシステム、印刷、企業投資事業に分かれています。
まず、パーソナルシステム事業では消費者向け及び個人向けのデスクトップ、ノートパソコンやワークステーション、小売POSシステム、ディスプレイやその他周辺機器を取り扱っています。
具体的な製品としては、主にインテルやAMDのプロセッサーを使用したHP,SpectreやHP,Envy、HP,Pavilion、HP,Chrome、HP,StreamといったノートパソコンやHP,EnvyやPavilionといったデスクトップを展開しています。
次に印刷事業では消費者、商用向けのプリンターのハードウェアやインクカートリッジといった消耗品などを展開しています。
加えて、産業用の3Dプリンター製品やソリューションを扱っています。
そして企業投資事業では3Dプリンターや印刷技術などの研究や開発を行っているHPLabsなどを運営しています。
また、直近ではHPはヘッドフォンやイヤホンを扱うPlantronicsの買収を行なっています。
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競合企業
HPの競合企業としては、デスクトップやノートパソコンなどを展開しているデル・テクノロジーズやワークステーションやデスクトップ、ノートPCなどを展開しているレノボがあります。
また、MacBookなどのノートパソコンを展開しているAppleやSurefaceなどのノートパソコンを扱うマイクロソフトが挙げられます。
加えて、インクジェットプリンターなどを展開するキャノンや印刷機などを扱うゼロックスがあります。
その他にも東芝やサムスン、レックスマークといった企業が競合として挙げられます。
- デル・テクノロジーズ
- レノボ
- Apple
- マイクロソフト
- キャノン
- ゼロックス
- 東芝
- サムスン
- レックスマーク
HPの将来性
HPの将来性としては厳しい部分があると言えるでしょう。
理由としてはまず一つにPC市場の低迷が挙げられます。
例えば、短期的にはリモートワークなどの普及で一時的な需要の増加、特需が見込めましたが今度はテレワークワークの解除やインフレの進行などによる需要減の反動が今後予測されています。
また、長期的にもハードウェアの主流はパソコンからスマホやタブレットなどに移っており、スマホの性能が上がることで今後もパソコンでしかできなかったことがスマホでもできるようになる可能性が高い点で全体的なパソコン需要が削られる可能性が挙げられます。
その点でパソコンやパソコン周辺機器の収益が最も多いHPにとって厳しい状況が続くと言えるでしょう。
2つ目の理由としては、パソコン市場における競合に対する不利な点が挙げられます。
例えば、レノボはHPよりも低価格帯のラインナップも出しており、シェアを急進させている部分があります。
一方でHPのパソコンにAppleのMacBookほどのブランド魅力があるかは疑問点であり、やはりレノボなどといった低価格帯の競合との競争に巻き込まれることは避けられないでしょう。
ただそうなると必然的に価格競争に巻き込まれる形になり、利益率の低い戦いを強いられる点で厳しい部分があると思われます。
3つ目の理由としては印刷需要の低迷が挙げられます。
例えば、電子ファイルによる文書の作成や共有などのペーパーレス化が進むことにより、紙の印刷需要は減ることが考えられます。
そうなると当然ながら印刷機やインクカートリッジなどの需要は全体として減少すると思われ、2番面にHPにとって収益の多い印刷事業が今後低迷していく可能性が考えられるでしょう。
これらの点を踏まえるとHPの将来性としては厳しい部分があると言えるのではないでしょうか。
HPの今後に対する期待度アンケート
以下はHPの今後に対する期待度アンケートを示したものです。
期待度は高い順に5から1までとなっています。
ご自身が思うHPの今後に対する期待度をぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はHPの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はHPの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
HPの場合、2021年までは右肩上がりだったものの、2022年でやや減少していることが見て取れます。
EPS
上記はHPのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
HPの場合、2016年を境にして右肩がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はHPの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
HPの場合、全体として一桁台で推移しており、10未満であることが分かります。
自己資本比率
上記はHPの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
HPの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はHPの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
HPの場合、2021年はやや増加しましたが全体としては同程度の水準で推移していることが見て取れます。
配当性向
上記はHPの配当性向を示したものです。
全体として20%〜30%前後で推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はHPの事業別の収益を示したものです。
純収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
パーソナルシステム | 44084 | 43359 | 38997 |
印刷 | 18902 | 20128 | 17641 |
企業投資 | 2 | 3 | 2 |
合計 | 62983 | 63490 | 56640 |
配当金
以下はHPの直近10年の年間配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.0125$ |
2021 | 0.75$ |
2020 | 0.7224$ |
2019 | 0.6568$ |
2018 | 0.5781$ |
2017 | 0.5374$ |
2016 | 0.5047$ |
2015 | 0.3564$ |
2014 | 0.2837$ |
2013 | 0.2576$ |
コメント・考察
HPの主要なパーソナルシステム事業、印刷事業ともに市場の低迷に巻き込まれる可能性があり、事業の転換を迫られている部分があると言えるでしょう。
実際に収益部分を見てみるとパソコンなどのパーソナルシステム事業は増加はしているものの伸び幅が鈍化していることまた、印刷事業に至っては2022年には減少してしまっていることからも事業の転換の必要性が分かるかと思われます。
ただHP自体も企業投資事業で3Dプリンターの開発や活用などを行なっていることを考えれば、その点は自覚している部分はあるのではないでしょうか。
実際に印刷事業ではすでに3Dプリンターの事業を展開していることを踏まえると印刷事業に関しては今後、需要低迷が続く可能性がある紙の印刷機などからサプライチェーンの簡素化など商業用では需要が高い3Dプリンターにシフトしていく可能性が高いと思われます。
よってパソコンや紙の印刷機の需要低迷が考えられる中で現状HPに関して明るい兆しが見えるのは商業用の3Dプリンターぐらいだと言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でHPの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
DMM | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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