本記事は米国株の中でもジェイフロッグ(FROG)に関するものとなっています。(https://jfrog.com/about/)
本記事はこのような疑問に答えます
- ジェイフロッグとはどのような企業か?
- ジェイフロッグの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ジェイフロッグの配当金は?
ジェイフロッグとは?
ジェイフロッグは、ソフトウェアを開発している組織がソフトウェアの開発やリリース、更新、運用などの時間を短縮し、安全かつ効率的に行うことができるDevOpsプラットフォームを展開している企業です。
ジェイフロッグのDevOpsプラットフォームは主に下記の画像の製品で構成されています。
出典:JFrog Ltd Annual Report
このジェイフロッグの中心となる製品はJFrogArtifactoryでその他のJFrogXrayやJFrogAdvancedSecurity、JFrogDistribution、JFrogArtifactoryEdge、JFrogミッションコントロール、インサイト、コネクト、パイプラインなどと統合されています。
まず中心となるJFrogArtifactoryはソフトウェアパッケージをあらゆる規模で保存や更新、管理でき、パッケージとパッケージバージョン間の依存関係を自動的にキャッシュすることで最新であることの保証や全体のソフトウェアパッケージの一貫性を確保し自動化などを可能にしています。
また、JFrogXrayはJFrogArtifacyoryを継続的にスキャンして、そこに保存されているソフトウェアパッケージの保護を提供し、JFrogAdvancedSecurityではバイナリ中心のセキュリティを提供しています。
次にJFrogDistributionではソフトウェアパッケージを複数の場所に最適な配布を提供し、JFrogArtifactoryEdgeはJFrogArtifactoryの特殊な読み取り専用バージョンを提供しています。
加えて、JFrogミッションコントロールは、組織のソフトウェアサプライチェーンワークフローの全ての可動部分の概要の表示を提供、JFrogインサイトではBIや分析機能の提供を行なっています。
そして、JFrogコネクトではIoTデバイスのパフォーマンス監視の提供、JFrogパイプラインは、ソフトウェアパッケージの移動の自動化と調整を提供しています。
主な収益はサブスクリプションによるもので2022年12月時点でFortune100の約89%を含む7200組織のグローバルな顧客基盤が存在しています。
また、無料の制限付きの無料アクセスや無料トライアルなども提供しています。
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競合企業
ジェイフロッグの競合企業としては、ソフトウェアサプライチェーンの管理などを提供しているSonatypaやソフトウェア開発の迅速化などに関わるソリューションを提供しているGitLabがあります。
また、AzureDevOpsなどを提供しているマイクロソフトやAWScodeArtifactなどを提供しているアマゾンなどといった企業が競合として挙げられます。
- Sonatypa
- GitLab
- マイクロソフト
- アマゾン
ジェイフロッグの将来性
ジェイフロッグの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはソフトウェアの安全な更新の重要性が高まっている点が挙げられます。
現在、ビジネス上ではデジタル化が進み多くの企業が様々なソフトウェアを導入、活用する機会が増え、今や業務の基盤となっていることも多く、そのためこのソフトウェアが安全に更新されないと業務に多大な損害をもたらす可能性が増加しています。
例えば、飛行機や金融機関などにおいてソフトウェアが迅速にかつ安全に更新されないと乗客の安全性に関わったり、顧客に大きな損害をもたらしたりと多大な影響をもたらす可能性があります。
加えて、配車サービスなどでは乗客とドライバーの両方のソフトウェアを同時に更新し、同じバージョンにしておかなければバグや不具合などで競合他社に乗り換えられてしまう可能性も考えられます。
また、今後も配車サービスのようなテックと従来の業界が掛け合わされたような企業も増加することが考えられ、ますますソフトウェアの迅速かつ安全な更新が求められるでしょう。
そのような中でJFrogArtifactoryでソフトウェアを開発している組織がそのソフトウェアの古いバージョンからの更新や管理を簡易迅速化させ、JFrogXrayなどで迅速に脆弱性を発見できるジェイフロッグのプラットフォームの需要は今後も高まっていくのではないかと思われます。
2つ目の理由としてはジェイフロッグの競合と比較しての包括性の高さが挙げられます。
例えば、マイクロソフトやアマゾンの競合するツールはそれぞれ自社のサービス、AzureやWindows向け、AWS向けであったりまた、競合のSonytypaはよりオープンソースに特化している部分があります。
一方でジェイフロッグはAWSやAzureなどのクラウドだけでなく、オンプレミスにも対応している上、競合がソフトウェアのビルド、CI/CDツール、テスト、配信などソフトウェア配信サイクルの一部のツールに偏っているのに対し、ジェイフロッグは包括的に対応しています。
この点でジェイフロッグほどソフトウェア配信サイクル全体に対応した包括的にソリューションを提供する競合は見当たらず、優位性があるかと思われます。
これらの点を踏まえるとジェイフロッグの今後としては期待のできる部分はあると言えるのではないでしょうか。
ジェイフロッグの将来性への期待度アンケート
以下はジェイフロッグの将来性への期待度アンケートです。
期待度の高い5から期待度が低い1まであり、ご自身が現状のジェイフロッグに思う期待度をぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はジェイフロッグの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はジェイフロッグの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ジェイフロッグの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
EPS

上記はジェイフロッグのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ジェイフロッグの場合、右肩上がりとはなっていないことが見て取れます。
営業利益率
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上記はジェイフロッグの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
ジェイフロッグの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はジェイフロッグの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
ジェフロッグの場合、2020年にはマイナスから転換し、その後70%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はジェイフロッグの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ジェイフロッグの場合、2019年から2020では大きく上昇しましたが、その後は減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はジェイフロッグの事業別の収益を示したものです。
収益(千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
サブスク | 261452 | 190046 | 137978 |
ライセンス | 18588 | 16637 | 12849 |
合計 | 280040 | 206683 | 150827 |
配当金
現時点でジェイフロッグは配当金を出していません。
現状ジェフロッグが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ジェイフロッグは展開する製品として全体的に競合する企業が少ないのが特に印象的といったところでしょうか。
確かに競合する企業もあるにはあるのですが、ソフトウェア配信サイクルの一部に競合するということはあっても、ジェイフロッグのようなソフトウェア配信サイクルの全体的なソリューションを提供している企業はほぼ見当たらないといった形です。
この点でジェイフロッグの他企業との差別化をうまく行っているといったところでしょう。
ただ今後ジェイフロッグのようなソフトウェア配信サイクルの全般を扱ったソリューションを展開してくる企業が興隆してくる可能性は十分にあるため、この点は注視すべき部分かと思われます。
一方で仮に包括的なソリューションを提供する新興企業が現れたとしても、ジェイフロッグはもうすでに2022年12月時点でFortune100の89%を含む7200の顧客基盤がある点。
また、Fortune500の金融機関のトップ10のうち9社がジェイフロッグのプラットフォームを採用しているなどの信頼性が築かれており、十分に新興企業との参入障壁となる顧客基盤がすでに築かれている部分があると言えるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でジェイフロッグの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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