本記事は米国株の中でもシフト4ペイメンツ(FOUR)に関するものとなっています。(https://www.shift4.com)
本記事はこのような疑問にこのような疑問に答えます
- シフト4ペイメンツとはどのような企業か?
- シフト4ペイメンツの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- シフト4ペイメンツの配当金は?
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シフト4ペイメンツとは?
シフト4ペイメンツは、決済ソリューションを展開している企業です。
シフト4ペイメンツの決済プラットフォームでは様々な決済手段の提供やセキュリティ機能、決済のレポートや分析機能などを提供しています。
例えば、決済手段ではクレジットやデビットカード、QR決済、モバイルウォレット、GooglePay、ApplePayなどといった多様な支払い手段の提供。
また、セキュリティ機能では消費者カードデータを暗号化するP2PEやEMV準拠を含むセキュリティ機能の提供や決済レポートや分析機能では売上高や手数料などのレポートを作成でき、コスト削減や売上の改善などに繋げられます。
その他にもレストランやスタジアムなどの事業者向けのSkyTabPOSやテーマパークや娯楽施設など向けに大規模人数を効率的に処理できるようにし、それらの券売機やモバイル注文などにも対応しているVenueNext。
また、Eコマースを展開する際にウェブ作成や在庫管理、検索エンジンの最適化などを提供するShift4shopなどといった特定の事業者向けのソリューションを提供しています。
主な収益は支払い処理手数料による決済ベースの収益からとなっています。
競合企業
シフト4ペイメンツの競合企業としてはJPモルガンチェースの傘下にあり、支払いソリューションなどを展開しているChasePaymentechや決済に関連するをリューションやソフトウェアを展開するグローバル・ペイメンツがあります。
また、USバンコープの傘下にあるElavonやオンライン決済ソリューションなどを展開しているAdyen、Eコマースやオンライン決済ソリューションなどを提供しているショッピファイが挙げられます。
その他にもFreedomPayやブロックなどがあります。
- ChasePaymentech
- グローバル・ペイメンツ
- Elavon
- Adyen
- ショッピファイ
- FreedomPay
- ブロック
シフト4ペイメンツの将来性
シフト4ペイメンツの将来性としては不安定な部分が大きいかと思われます。
理由としてはホスピタリティ業界に特化している部分がある点が挙げられます。
シフト4ペイメンツの決済ソリューションは全体的な業界でも提供していますが、中でも特化しているのはイベント会場やレストラン、ホテルといったホスピタリティ産業向けのソリューションです。
確かにスタジアムやイベント会場など大規模な人数を効率的にできるソリューションなどは他の決済ソリューションを提供する競合との差別化を図ることに役立つでしょう。
しかし、特化しているホスピタリティ産業は景気に大きく左右されやすい産業であり、仮に不景気で客足が遠のいた場合、決済ベースの収益に依存しているシフト4ペイメンツは連動して影響を受ける可能性が高く収益が不安定化しやすいと思われます。
また、2つ目の理由としては知名度の低さが挙げられます。
現状、シフト4ペイメンツは全体的な決済市場ではAdyenやブロックなどといった競合と比べると知名度の部分で出遅れている部分があります。
また、シフト4ペイメンツはShift4shopなどeコマースソリューションの展開も行なっていますが、やはり競合のショッピファイなどと比べると知名度の低さが否めません。
このように競合と比べて知名度が低い部分は信頼性の部分が重要となる決済ソリューションの導入の面では不利となる可能性が高いと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとシフト4ペイメンツの今後としては不安定な部分が大きいかと思われます。
財務状況
以下はシフト4ペイメンツの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
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上記はシフト4ペイメンツの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
シフト4ペイメンツの場合、全体としてマイナスで推移していることが分かります。
EPS

上記はシフト4ペイメンツのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
シフト4ペイメンツの場合、右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
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上記はシフト4ペイメンツの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上がおおよそ優良な企業の水準とされています。
シフト4ペイメンツの場合、全体としてマイナスの値で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はシフト4ペイメンツの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
シフト4ペイメンツの場合、2020年にはプラスに転換したものの、30%は超えていないことが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はシフト4ペイメンツの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
シフト4ペイメンツの場合、2020年は一時的に減少するものの全体としては微増となっています。
事業別収益
以下はシフト4ペイメンツの事業別の収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 |
決済ベース収益 | 1857.1 | 1258 |
サブスク、その他 | 136.5 | 109.5 |
配当金
現時点でシフト4ペイメンツは配当金を出していません。
シフト4ペイメンツが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でシフト4ペイメンツの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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コメント・考察
やはり、競合と比較するとシフト4ペイメンツの知名度が低いのは信頼性が重要視される決済ソリューション分野では痛い部分だと思います。
また、他の競合の決済ソリューションと比べて特化しているのは、ホスピタリティ産業の部分で今後外出を控えることがあったり、不景気などで客足が遠のけば決済が大きく減り、決済ベースの収益が落ち込むのは容易に想像できるでしょう。
この部分で収益の不安定性が非常に気になるところです。
ただし、逆に景気が良い時や外出が多くなる時期ではより決済ベースの収益を得られるというメリットもあります。
よってホスピタリティ産業に特化している部分が競合への差別化にも繋がるが、収益の不安定性も増加させており、この特徴は諸刃の剣とも言えるでしょう。
そのため、今後不景気下での客足の遠のく時期などの収益を安定化させるために、サブスク収益は現状決済ベースの収益の10分の1にも達していませんが、このようなサブスク収益などをいかに増加させられるかが重要な注目点となるかと思われます。
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