本記事は米国株の中でもクアルトリクス・インターナショナル(XM)に関するものとなっています。(https://www.qualtrics.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- クアルトリクス・インターナショナルとは?
- クアルトリクス・インターナショナルの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- クアルトリクス・インターナショナルの配当金は?
クアルトリクス・インターナショナルとは?
クアルトリクス・インターナショナルは顧客や従業員のアンケートや製品レビュー、あらゆる形式のフィードバックなどをAIや機械学習で解析し、改善への指針や洞察を提供するプラットフォームを展開しています。
主なソリューションとしては5つあり、顧客XMや従業員XM、製品XM、ブランドXM、デザインXMといったソリューションを提供しています。
まず、顧客XMは企業の既存のシステムに統合することができ、音声対応やメッセージングアプリ、ウェブ、コールセンターなどといったもののデータ収集を可能にして顧客離れの減少やコンバージョン率の向上、顧客獲得コストの削減につながる分析や洞察を提供しています。
次に従業員XMでは多くの人材管理や学習管理システムなどとも統合でき、従業員の意見などを収集、データの視覚化などを提供し、離職率の減少や従業員のエンゲージメントのを改善するソリューションを提供しています。
また、製品XMでは製品のライフサイクル全体に渡ってフィードバックや洞察を収集し、実用的なデータに変換することで製品の市場適合性の向上や市場投入までの時間短縮に貢献しています。
加えて、ブランドXMではマーケティングプラットフォームやその他運用システムと統合でき、自動化されたリアルタイム分析を提供してブランドの認知やリピート購入、購入後のエクスペリエンスの向上に役立つ理解や洞察に役立ちます。
そして、デザインXMでは市場調査など以前は高額な外部のコンサルティングを雇う必要のあったものの内製化などを提供しています。
顧客としては2022年時点で120カ国、フォーチュン100の90%を含む1万8750の顧客が存在しています。
主な収益源はサブスクリプションによるものとなっています。
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競合企業
クアルトリクス・インターナショナルの競合企業としては、顧客や従業員などの体験管理プラットフォームを展開しているメダリアやコンサルティングソリューションなどを展開しているAONがあります。
また、リスクマネジメントなどに関わるソリューションを展開しているウィリス・タワーズ・ワトソンなどといった企業が競合として挙げられます。
- メダリア
- AON
- ウィリス・タワーズ・ワトソン
クアルトリクス・インターナショナルの将来性
クアルトリクス・インターナショナルの将来性としては期待ができると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては非常に盤石な顧客基盤があることが挙げられます。
例えば、2022年時点でクアルトリクス・インターナショナルの顧客は1万8750に及びますが、その中にはフォーチュン100の90%が含まれています。
このフォーチュン100の企業は世界で年間売上規模に基づいたランキングであり、非常に信頼度や規模が大きな企業が掲載されています。
そのようなフォーチュン100の企業の90%が顧客にあり、かつヘルスケアや教育、ビジネスサービスやプロフェッショナルサービス、テクノロジーといった多様な業界で展開している点は利点として挙げられます。
ちなみにサブスクが収益源でも中小企業に偏っていたり、一つの業界に偏っていたりすると顧客が倒産したり、その業界自体が状況が悪くなってしまうなど顧客基盤が弱いと収益が安定しなくなる可能性が高いです。
その点クアルトリクス・インターナショナルは顧客が様々な業界に存在し、信頼度の高い企業が顧客に多くことにより顧客基盤が盤石でサブスクによる収益が安定しやすい点があると言えるでしょう。
次に2つ目の理由としては、SAPとの関係が挙げられます。
クアルトリクス・インターナショナルは以前にSAPに買収され、買収後も独立して運営してはいますがその後2021年にSAPグループの一員として2021年に上場を果たしています。
この点でSAPとは強固な関係にあり、SAPの顧客ネットワークやソリューションはクアルトリクス・インターナショナルの新規顧客の獲得や新たな市場への開拓で大きくメリットになる可能性が高いと思われます。
3つ目としては競合の少なさが挙げられます。
例えば、クアルトリクス・インターナショナルは強固な顧客基盤やSAPとの関係などによって市場での優位な地位にありますが、そもそも顧客体験や従業員の体験のマネジメント管理ソリューションを包括的に提供している企業は少ないのが現状です。
また、このような包括的なマネジメントソリューションをコンサルなど外部に頼らず内部化でき、かつこれらがAIや機械学習と統合されているソリューションを提供する競合は少ない点でクアルトリクス・インターナショナルには大きな優位性があるかと思われます。
これらの点を踏まえるとクアルトリクス・インターナショナルの今後としては期待できる部分があると言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はクアルトリクス・インターナショナルの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はクアルトリクス・インターナショナルの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
クアルトリクス・インターナショナルの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
EPS

上記はクアルトリクス・インターナショナルのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
クアルトリクス・インターナショナルの場合、2022年にはプラスに転換していることが見て取れます。
営業利益率
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上記はクアルトリクス・インターナショナルの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な水準とされています。
クアルトリクス・インターナショナルの場合、全体としてマイナスの値であることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はクアルトリクス・インターナショナルの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
クアルトリクス・インターナショナルの場合、2021年にはマイナスから転換し、60%前後で推移していることが見て取れます。
営業活動によるCF
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上記はクアルトリクス・インターナショナルの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
クアルトリクス・インターナショナルの場合、2021年からはプラスヘと転換していることが見て取れます。
事業別収益
以下はクアルトリクス・インターナショナルの事業別の収益を示したものです。
収益 (千$) | 2022 | 2021 | 2020 |
サブスク | 1223725 | 870705 | 575397 |
プロフェッショナルサービス、その他 | 234903 | 204959 | 188125 |
合計 | 1458628 | 1075664 | 763522 |
配当金
現在クアルトリクス・インターナショナルは配当金を出していません。
クアルトリクス・インターナショナルが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
クアルトリクス・インターナショナルの営業利益は相変わらず2020年を除くと一定のマイナス値で推移しています。
しかし、収益自体は事業別の収益の部分でも分かる通り2020年から2022年までの2年でおおよそ2倍にまで増加しており、順調に増加していることが分かります。
この点で顧客基盤が広がっている部分は見て取れますし、サブスクリプションの積み上げ型かつフォーチュン100の企業の90%を顧客に持つという顧客基盤の盤石さがうまく収益拡大に貢献していると言えるのではないでしょうか。
また、営業利益がマイナスである点は直近の買収や買収による人員増加、SAPとの統合作業などといった一時的な影響の部分もありますし、成長や市場の拡大を念頭に置きマーケティングなどに大きな費用を割いていることも原因だと思われます。
しかし、クアルトリクス・インターナショナルの場合、実際その分収益は大きく成長しているため、現状、営業利益をマイナスにしてでも成長へ投じる姿勢は評価できる部分だと言えるでしょう。
加えて、AIや機械学習が注目を浴びる中でAIや機械学習を活用しているクアルトリクス・インターナショナルにも期待の集まる部分があるのではないでしょうか。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でクアルトリクス・インターナショナルの取り扱いの有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
大和 | 有 |
野村 | 有 |
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