今回は米国株の中でもファイザー(PFE)に関してです。(https://www.pfizer.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- ファイザーとはどのような企業か?
- ファイザーの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ファイザーの配当金は?
ファイザーとは?
ファイザーはバイオ医薬品の製造や開発を行っている企業です。
主に3つのタイプの医薬品を扱っており、プライマリケアや特定ケア、腫瘍学分野の医薬品を扱っています。
プライマリケア分野ではビオンテックと共同開発を行った新型コロナワクチン予防接種薬であるコムナティや血栓症の治療や予防に使用される経口抗凝固剤のアピキサバン、髄膜炎菌ワクチンのナイメンリックスなどを展開しています。
一方で特定ケア分野では免疫抑制剤や分子標的薬として使用されるトファシチニブや鎌状赤血球患者の治療のためのOxbrytaや敗血症、外傷、熱傷など多数の病症に適応されるスルペラゾンなどがあります。
そして腫瘍学分野ではがん治療薬のパルボシクリブやエンザルタミドなどを展開しています。
2022年の収益の内最大の収益地域は米国で収益の42%、次に多いのが日本で8%、そしてのその他の国が50%となっています。
また、直近では抗がん剤を開発しているシージェンや消化器系難病治療薬などを開発しているアリーナ・ファーマシューティカルズなどを買収しています。
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競合企業
ファイザーの競合企業としてはスイスの製薬会社で高血圧や炎症性疾患、神経変性疾患などの治療薬を開発しているノバルティスやフランスの製薬会社でインフルエンザや糖尿病などの治療薬を開発しているサノフィがあります。
また、コロナワクチンなどの予防接種薬やバンドエイドなどの一般医薬品を開発しているジョンソン・エンドジョンソンやイギリスの製薬会社でワクチンや治療薬を開発しているグラクソ・スミスクラインなどがあります。
- ノバルティス
- サノフィ
- ジョンソン・エンドジョンソン
- グラクソ・スミスクライン
ファイザーの将来性
ファイザーの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては積極的な買収戦略が挙げられます。
例えば、ファイザーは直近のコロナワクチン販売の特需によって多額の利益を獲得しましたがこれらの資金を活かして他の分野のバイオ医薬品企業を積極的に買収しています。
実際に2022年5月には偏頭痛治療薬の開発を行っているバイオヘイブンや2022年8月には血液疾患の治療薬を開発するグローバル・ブラッド、2023年3月にはがん治療薬を開発するシージェンなどを買収しています。
よって特需による資金拡大を活かし、積極的な買収によって収益源となる製品ポートフォリオの拡大を図っている点でプラスだと言えるでしょう。
もう一つの理由としては米国国内での販売が大きく占める点が挙げられます。
例えば、現在米国と中国などの地政学的リスクは悪化傾向にあり、今後両国間での輸出入規制が強まっていく可能性が高いです。
そのため、欧米の製薬会社で中国市場を中心に展開している製薬会社は大きな影響を受ける可能性が高いですが、ファイザーの収益の42%は米国で残りも日本や欧州などが販売の中心です。
よってファイザーは米国国内での販売が大きく占めており、輸出規制などの地政学的なリスクが少ない点でメリットだと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとファイザーの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
ファイザーの今後に対する期待度
以下はファイザーの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うファイザーの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はファイザーの財務状況を示したものです。
営業利益
上記はファイザーの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ファイザーの場合、2020年以降上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記はファイザーのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ファイザーの場合、全体としては右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はファイザーの営業利益率を示したものです。
営業利益率は主に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ファイザーの場合、全体として15%以上で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はファイザーの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は企業の安定性を示したもので30%以上が目安とされています。
ファイザーの場合、全体として30%以上で推移しており、上昇傾向であることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はファイザーの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示しています。
ファイザーの場合、2022年でやや減少していることが見て取れます。
配当性向
上記はファイザーの配当性向を示したものです。
ファイザーの場合、2022年以降大きく下落していることが見て取れます。
事業別収益
以下はファイザーの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
バイオ医薬品 | 98988 | 79557 | 49724 |
ファイザーセンターワン | 1342 | 1731 | 926 |
合計 | 100330 | 81288 | 41651 |
配当金
以下はファイザーの直近10年の年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.6$ |
2021 | 1.56$ |
2020 | 1.52$ |
2019 | 1.44$ |
2018 | 1.36$ |
2017 | 1.28$ |
2016 | 1.2$ |
2015 | 1.12$ |
2014 | 1.04$ |
2013 | 0.96$ |
コメント・考察
ファイザーの株価は2020年以降コロナ禍におけるコロナワクチンの提供によって大きな特需を受けて大きく拡大した部分があります。
一方で2022年以降コロナ禍が収束に向かうにつれて徐々に特需的な利益が縮小しつつあり、株価もそれに伴って大きく下落傾向にあります。
確かにこの特需的な利益が減少しつつある部分はファイザーにとっては痛手ですが、この特需的な利益によって手元の現金は大きく増やせたでしょうし、これを活かして買収を多く行っている部分があります。
そのため、この特需的な利益が収束していくのは見えていたでしょうし、それを踏まえて買収によって製品ポートフォリオの多角化を進めている背景は評価できる部分だと言えるでしょう。
よって今後は特需の利益を活かした買収による多角化した製品ポートフォリオからいかに収益を生み出せるかが焦点になってくるかと思われます。
ファイザーはどこで買える?
以下は米国株の中でもファイザーの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
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