今回は米国株の中でもグローバルファウンドリーズ(GFS)に関してです。(https://gf.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- グローバルファウンドリーズとはどのような企業か?
- グローバルファウンドリーズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- グローバルファウンドリーズの配当金は?
グローバルファウンドリーズとは?
グローバルファウンドリーズは米国の半導体の受託製造を行なっている企業です。
2009年にAMDの半導体製造部門が分社化して設立された企業でその後チャータード・セミコンダクターやIBMの半導体事業を買収して拡大した企業です。
主な事業は顧客の半導体設計会社から注文を受け、顧客の設計図通りに半導体を製造する事業を行なっており、半導体の設計は行わず半導体の製造に特化しています。
主に製造している半導体は自動車やモバイル、IoT向けに500nmから12nmまでのウェハーを製造しています。
主要な半導体製造施設はドイツのドレスデン、シンガポール、ニューヨーク、バーモント州の4つの地域にあり、運営を行なっています。
主要な顧客にはAMDやクアルコム、NPX、マーベルテクノロジーなど半導体設計会社が多く存在しています。
ちなみに最先端の半導体製造からは撤退を行なっています。
a
競合企業
グローバルファウンドリーズの競合企業としては半導体の受託生産の最大企業であるTSMCや自社で設計・製造を行い、受託生産も行うインテルがあります。
また、半導体の受託生産なども行うサムスンや台湾の半導体受託生産を行い、世界第3位のUMCなどが挙げられます。
- TSMC
- インテル
- サムスン
- UMC
グローバルファウンドリーズの将来性
グローバルファウンドリーズの将来性としては期待できる部分はあるかと思われます。
まず、一つ目の理由としては半導体製造の地政学的要因が挙げられます。
現状半導体の設計やIPといったものは米国企業が握っている部分が多いですが、半導体の製造自体は台湾のTSMCや韓国のサムスンなど東アジアに製造拠点を置く企業が大半を握っている部分があります。
そのため、米国のテック企業や半導体企業は半導体の製造をこういった東アジアの半導体製造企業に頼らなくてはなりませんが、現在特に台湾のTSMCの半導体製造工場は米国と中国との地政学的な問題で危ぶまれている部分があります。
よって米国は半導体製造施設を台湾より安定した地政学的な地域に動かすようにTSMCなどに促していますが、完全に台湾から移動させるということは考えにくいです。
その点でグローバルファウンドリーズは米国の半導体製造企業であり、より地政学的に安定した地域に工場を展開しているため、米国の米国内への半導体製造施設の建設の推奨、TSMCの地政学的な危険性を危ぶむ企業からの注文など恩恵を受けられる可能性が高いと言えます。
そのため、主要な半導体製造地域の地政学的な危険性の増加はグローバルファウンドリーズにとってプラスになる可能性が高いと言えるでしょう。
もう一つの理由としてはファブレスの半導体企業が増加している点が挙げられます。
例えば現在、半導体の製造には巨額の投資費用がかかり、開発サイクルも短いため、半導体の製造は行わず、工場を持たずに半導体の設計に注力するファブレスの半導体企業が増えてきています。
そのため、ファブレス企業が半導体製造を行うためには半導体の製造を受託で行う半導体製造会社に依頼する必要性も増えてくると考えられます。
そうなることで半導体の製造の受託を行っているグローバルファウンドリーズに依頼も増加する可能性が高くなると言えるでしょう。
よってファブレスの半導体企業の増加はグローバルファウンドリーズにとってメリットだと思われます。
これらの点でグローバルファウンドリーズの将来性としては期待できる部分はあると言えるでしょう。
グローバルファウンドリーズの今後に対する期待度
以下はグローバルファウンドリーズの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うグローバルファウンドリーズの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はグローバルファウンドリーズの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はグローバルファウンドリーズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
グローバルファウンドリーズの場合、2022年に大きく転換していることがみて取れます。
EPS
上記はグローバルファウンドリーズのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
グローバルファウンドリーズの場合、右肩上がりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はグローバルファウンドリーズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
グローバルファウンドリーズの場合、2022年には15%を上回っていることが見て取れます。
自己資本比率
上記はグローバルファウンドリーズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上が目安とされるものです。
グローバルファウンドリーズの場合、全体として30%を大きく上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はグローバルファウンドリーズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
グローバルファウンドリーズの場合、大きく増加傾向にあることが見て取れます。
配当金
グローバルファウンドリーズの場合現時点で配当金を出していません。
現状配当金が出るのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
グローバルファウンドリーズは半導体の設計企業からの受託製造がメインであるため、基本的に半導体の設計は行なっていません。
しかし、その分インテルなど受託製造を行いつつ自社で設計も一貫して行なっている企業と比べると製造に集中できる上に、顧客にとっては設計の面ではある種競合となるインテルのような一貫型の製造企業は企業秘密の流出などの観点の懸念があります。
その点でグローバルファウンドリーズは製造に特化しているため、ますます増加していくと考えられる顧客のファブレス半導体企業にとってはインテルなどの一貫型企業で製造するよりも魅力的に映る可能性が高いと言えるでしょう。
また、グローバルファウンドリーズは現在先端半導体に関しては断念し、最先端の半導体製造を得意とするTSMCとは差がつけられてしまいましたが今なお先端半導体以外の汎用半導体も自動車や家電製品などますます需要は増える可能性は高いです。
そして現在汎用性半導体の製造拠点は中国に移りつつある部分もありますが米国自体も自国で生産拠点を維持しておきたい狙いがあり、現在の地政学的な状況も踏まえれば米国を拠点に置くグローバルファウンドリーズにとっては追い風の状況にあると言えるでしょう。
グローバルファウンドリーズはどこで買える?
以下は米国株の中でもグローバルファウンドリーズの取扱有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 無 |
松井 | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
---
コメント