本記事は米国株の中でもジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズ(ZIM)に関する内容となっています。(https://www.zim.com)
本記事はこのような疑問に答えます
- ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズとは?
- ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズの配当金は?
ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズとは?
ジム・インテグレーテッド・シッピング・サービシズはイスラエルで設立され、海上輸送やロジスティクスサービスを提供している企業です。
2021年の12月時点で運用する船舶は118隻ありそのうち110隻がコンテナ船、8隻が自動車やトラック、バスを運ぶ車両運搬船であり、また118隻のうち4隻を所有、114隻が傭船となっています。
90カ国以上、304の港に寄港、週70回線のネットワークを運営し、3万6000の顧客にサービスを行なっています。
ちなみに下記はネットワークの例を示したものです。
出典:ZIM Integrated Shipping Services Ltd 2021 Annual Report
輸送する主な荷物としては、家具やばら積み貨物などの一般貨物や医薬品や電子機器、生鮮食品などの温度管理の必要な冷凍コンテナ、機械や車両などがあります。
また、特定の輸送ニーズに合わせてオーダーメイドで設計、文章発行、保険の手配などを行う特殊貨物も存在します。
そして、顧客が医薬品や食品、電子機器など高価な貨物の位置や温度、湿度、不要な開閉などを監視、追跡、制御できるプレミアム冷凍貨物輸送サービスのZIMonitorを展開しています。
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競合企業
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの競合企業としては、128隻のばら積み貨物船を運営し、鉄鉱石や石炭、穀物など梱包されず大量に輸送するドライバルクの海運会社であるスターバルクが挙げられます。
また、車両や電子部品、紙などの貨物や冷凍貨物、特殊貨物などの海上輸送やサプライチェーンの管理などを行うAPモラー・マースクや食品や医薬品などの冷蔵、冷凍品や特殊貨物、紙や石炭、綿など様々な貨物を海上輸送するMSCなどがあります。
- スターバルク
- APモラー・マースク
- MSC
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの将来性
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの将来性としては期待できる部分はあるのではないでしょうか。
まず一つ目の理由としては、ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズが、ニッチな商圏をターゲットに海上輸送サービスを提供している点です。
確かに主要な航路では競合企業には運用する船舶の数や規模も上回る企業も多く、時期によっては供給過多となる可能性もありますが、ニッチな海上レーンを狙うことで競合企業との過度な競争や供給過多という状態を避けられやすいです。
また、そもそもニッチな海上レーンを狙うことで競合がサービスを十分に提供しておらず、顧客のニーズが高く、その海上レーンで例えば米国東海岸から地中海レーンで10%のシェアをとっているなど市場シェアを取りやすく収益性が高いという点でもメリットがあります。
もう一つの理由としては積極的なデジタル化への投資により、コストの削減や生産性の向上を行なっている点です。
例えば、人工知能ベースの危険貨物の誤申告をリアルタイムに検出するZIMGuardや顧客が即時に見積りを行えるeZQuoteなど他にも様々なデジタルツールの取り入れやブロックチェーンに基づいた電子船荷証券など効率化に関わるツールへの投資、提携などを行なっています。
このようなデジタルツールの積極的な取り入れや投資を行う姿勢はコスト削減や効率化に繋がり、競合企業との差別化を行える点でメリットと言えるでしょう。
これらのことを踏まえるとジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの今後としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
財務状況
以下はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの財務状況などを示したものとなっています。
営業利益
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ジム・インテグレーテッドの場合、全体として上昇傾向にあり、2021年では特に大きく増加していることが見て取れます。
EPS
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標となるものです。
ジム・インテグレーテッドの場合、2021年からの上場でデータが不足しているためこのような形となっています。
営業利益率
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされています。
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの場合、2020年以降は15%を超えており、2021年では15%を大きく超える値となっています。
自己資本比率
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので、30%以上がおおよその目安とされています。
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの場合、全体として右肩あがりとなっており、特に2021年では30%の目安を大きく超える値まで上昇しています。
営業活動によるCF
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示すものです。
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの場合、全体として上昇傾向にあり、2021年には特に大きく増加していることが見て取れます。
配当性向
上記はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの配当性向を示したものです。
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの配当は2021年からとなっているため、このようなグラフとなっています。
配当金
以下はジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 27.55$ |
2021 | 4.5$ |
コメント・考察
ジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの財務状況は全体として大きく改善化が見られ、特に2021年は営業利益や営業活動によるCFが大幅に上昇するなど大きな伸びが見られました。
しかし、この大幅な伸びに関しては持続的な伸びではない可能性の方が高いです。
理由としてはこの大幅な伸びはおおよそ人流抑制から人手不足によるサプライチェーンの混乱が原因となり、結果として海上運賃が上がり、収益が大幅に増加したためです。
よってこの営業利益の大幅な増加は短期的なものの可能性が高く、現状海上運賃価格も落ち着いてきているため、この2021年の伸びが継続する可能性は低いかと思われます。
また、配当金に関して現状配当利回りが100%を超えているような状態となっていますが、これは短期的な要因から収益が大幅に伸びたことでそれに対応して配当を出したようです。
実際にジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズは、基本的には年間純利益の30%〜50%の配当を払う方針を打ち出しています。
そのため、現状短期的な要因で伸びているとすると現状の伸びは長続きする可能性は低く、当然収益が落ちれば配当の額は減少するため、配当を目当てに保有をしようとしている方はこの高利回りの状態は長くは続かないことは念頭においておく必要はあるかと思われます。
取り扱っている証券会社
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社のなかでジム・インテグレーテッド・シッピングサービシズの取扱の有無を示したものです。
証券会社 | 楽天 | sbi | マネックス | PayPay | DMM | 松井 | 野村 | 大和 |
取扱有無 | 有 | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 無 | 有 |
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