今回は米国株の中でもアプライド・マテリアルズ(AMAT)に関するものとなっています。(https://www.appliedmaterials.com)
本記事はこのような疑問に答えます。
- アプライド・マテリアルズとはどのような企業か?
- アプライド・マテリアルズの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- アプライド・マテリアルズの配当金は?
アプライド・マテリアルズとは?
アプライド・マテリアルズは半導体製造装置やディスプレイ製造装置などを展開している企業です。
主に3つの事業を展開しており、半導体システムや応用グローバルサービス、ディスプレイ及び隣接技術事業を展開しています。
まず、半導体システム事業ではシリコンを均一の結晶に成長させる技術のエピキタシーであるセンチュラRPエピやイオン注入技術のVIIStaシステムズ、酸化や窒化のためのヴァンテージ、ラディアンス、センチュラシステムズ。
また、急速熱処理や物理蒸着、化学蒸着、化学機械平面化、原子層堆積、電気化学堆積、エッチング、選択的処理、計量と検査といった半導体の製造に関わる製品や技術を展開しています。
次に応用グローバルサービスでは機器とファブのパフォーマンスと生産性を最適化するための統合ソリューションを展開し、テクノロジー対応サービスやファブコンサルティング、省エネや環境規制に対応するSubFab機器。
オートメーションソフトウェアやレガシー機器のアップグレード、サプライチェーン保証プログラムを展開しています。
そしてディスプレイ及び隣接技術事業では液晶ディスプレイや有機光、太陽電池セルなどを製造するための製品で構成されており、検査に使用されるエレクトロンビームアレイテスターやディスプレイの欠陥防止に関わるERB。
化学蒸着のためのAKTPECVDシステムズや物理蒸着のためのAKTアリストとPiVotシステムズを展開しています。
主な顧客は2022年において売上高の20%を占めていたTSMCや12%を占めるサムスン、10%を占めたインテルとなっています。
a
競合企業
アプライド・マテリアルズの競合企業としてはオランダに拠点を置き半導体露光装置などを展開しているASMLやドライエッチング、洗浄装置などに強みを持つ半導体製造メーカーであるラムリサーチがあります。
また、日本に拠点を置き半導体製造装置を開発している東京エレクトロンや検査装置、計測装置などの半導体製造装置を開発するKLAなどが挙げられます。
- ASML
- ラムリサーチ
- 東京エレクトロン
- KLA
アプライド・マテリアルズの将来性
アプライド・マテリアルズの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としては半導体製造装置において一貫して製品を提供している点が挙げられます。
半導体の製造においてはウェハー製造から成膜、パッケージングなど多くの一連の工程が存在しますが、アプライド・マテリアルズは露光装置からCVD装置、選択的成膜装置、ソフトウェアなど半導体製造の全ての段階において製品を提供しています。
一方で競合の半導体製造装置企業は露光装置や洗浄装置に強みがあるなど一部分野や工程に特化していることが多く半導体製造装置全般を一貫して提供している競合は少ないのが現状です。
そのため、半導体の製造の全ての段階に一貫して関わるアプライド・マテリアルズは特化している競合と比較してより一貫した効率や品質で製品を提供し、より広い市場にアクセスすることで収益も多様化させやすいという点で期待のできる部分だと言えるでしょう。
もう一つの理由としてはAIによるGPUなどの半導体需要の増加が挙げられます。
現在生成系AIの興隆によりAI開発が激化し、多くの大手IT企業などがAI開発を促進させていますが、AI開発にはGPUなどの半導体が必要となります。
しかし、GPUなどの半導体は需要に対して供給が追いついておらず、逼迫している状態が続いており、多くの半導体企業は生産の促進を行なっています。
この点で半導体製造の全段階に関わり、GPUやメモリなどの製造に必要な技術やソリューションを持つアプライド・マテリアルズにとって追い風になる可能性が高いと言えるでしょう。
これらの点を鑑みるとアプライド・マテリアルズの将来性としては期待できる部分はあると言えるのではないでしょうか。
アプライド・マテリアルズの今後に対する期待度
以下はアプライド・マテリアルズの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うアプライド・マテリアルズの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はアプライド・マテリアルズの財務状況などを示したものです。
営業利益
上記はアプライド・マテリアルズの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
アプライド・マテリアルズの場合、上昇傾向にあることが見て取れます。
EPS
上記はアプライド・マテリアルズのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
アプライド・マテリアルズの場合、全体として右肩あがりとなっていることが見て取れます。
営業利益率
上記はアプライド・マテリアルズの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
アプライド・マテリアルズの場合、全体として15%以上で推移していることが見て取れます。
自己資本比率
上記はアプライド・マテリアルズの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされています。
アプライド・マテリアルズの場合、全体として30%を上回っていることが見て取れます。
営業活動によるCF
上記はアプライド・マテリアルズの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
アプライド・マテリアルズの場合、2022年はやや減少していることが見て取れます。
配当性向
上記はアプライド・マテリアルズの配当性向を示したものです。
アプライド・マテリアルズの場合、減少傾向にあることが見て取れます。
事業別収益
以下はアプライド・マテリアルズの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 |
半導体システム | 12691 | 6679 |
応用グローバル | 5643 | 4335 |
ディスプレイ 隣接市場 | 581 | 735 |
その他 | 96 | 9 |
合計 | 19011 | 11758 |
配当金
以下は直近10年のアプライド・マテリアルズの年間の配当金の推移を示したものです。
西暦 | 配当金 |
2022 | 1.02$ |
2021 | 0.94$ |
2020 | 0.87$ |
2019 | 0.83$ |
2018 | 0.7$ |
2017 | 0.4$ |
2016 | 0.4$ |
2015 | 0.4$ |
2014 | 0.4$ |
2013 | 0.39$ |
コメント・考察
AIや電気自動車、5Gなど新興技術が進展してくる中でそれらを支える半導体需要は長期的には増加してくることが考えられ、その半導体を製造する装置への投資も増加する可能性は高いと思われます。
それに関連して半導体製造において全段階に関連するアプライド・マテリアルズの製品や技術への需要増加には期待の持てる部分があると言えるでしょう。
しかし、半導体の需要に関しては波があり、パソコンなどは外出規制下では需要が増加したものの、その後反動により需要が低迷、主要顧客でパソコン向けのCPUなどを展開しているインテルなどは直近では売り上げが下がっている部分もあります。
この点で主要顧客の短期的な半導体需要の落ち込みは積極的な半導体製造への歯止めをかける可能性を高める点は懸念点だと言えるでしょう。
また、半導体の製造装置における競争は激化しており、次世代半導体製造技術であるEUVなどを巡る開発競争でアプライド・マテリアルズの立ち位置がどのような形となるかは今後の注目部分だと思います。
アプライド・マテリアルズはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でアプライド・マテリアルズの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 有 |
PayPay | 有 |
松井 | 有 |
野村 | 有 |
大和 | 有 |
---
コメント