今回は米国株の中でもウィーワーク(WE)に関するものとなっています。(https://www.wework.com/ja-JP)
本記事はこのような疑問に答えます。
- ウィーワークとはどのような企業か?
- ウィーワークの将来性は?
- 取り扱っている証券会社や財務状況は?
- ウィーワークの配当金は?
ウィーワークとは?
ウィーワークは世界の39カ国、750拠点以上でフレキシブルオフィスサービスを提供している企業です。
主にコアスペースサービスを展開しており、コワーキングスペースやレンタルオフィスを借りられるサービスで顧客は月単位のサブスクリプションや複数年のメンバーシップによって必要な広さ、期間にわたって柔軟にビジネス空間を借りることができます。
また、メンバーシップではプライベート電話ボックスやインターネット、ビジネスプリンター、メールなどの特定のアメニティやサービスへのアクセスに加えてフロントデスクサービスやオフピークの建物へのアクセス、共有エリア、毎日の清掃などを提供。
その他、リモートワークフォースソリューションや専用帯域幅、IT機器のコロケーションといった付属サービスなども提供しています。
ちなみにフレキシブルサービスとして貸し出しているスペースの物件のほとんどはウィーワークが長期リースで借りており、ブラックストーンやボストンプロパティーズなどを含む600以上の家主から物件を借りています。
顧客としてはマイクロソフトやアメリカンエキスプレス、ウーバー、Airbnbなど大手企業からスタートアップ企業など様々な企業が顧客として存在しています。
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競合企業
ウィーワークの競合企業としてはベルギーに拠点を置き、レンタルオフィス事業を展開しているリージャスやイギリスに拠点を置き、コワーキングスペース事業を展開しているインパクトハブがあります。
中小企業や成長企業に特化してコワーキングスペース事業を展開しているノットエルや不動産の保有、管理を行っているブラックストーンなどが挙げられます。
- リージャス
- インパクトハブ
- ノットエル
- ブラックストーン
ウィーワークの将来性
ウィーワークの将来性としては厳しい部分があると言えるのではないでしょうか。
まず、一つ目の理由としてはオフィス回帰が低迷している点が挙げられます。
実際に直近では外出規制などにより多くの企業が在宅ワークやリモートワークを推進したことでオフィス需要が大きく減少しました。
現在ではオフィスへの出社を促すような企業も増えてはきましたが、依然としてオフィス回帰率は低く低迷したままが続いており、米国ではオフィスの占有率が5割程度のままという報告もなされています。
このリモートワークやハイブリットの勤務が定着し、なかなかオフィスへの回帰の低迷が続いている状況はレンタルオフィスやコワーキングサービスを提供しているウィーワークにとっては大きな打撃だと言えるでしょう。
もう一つの理由としては長期リースにより借りている物件が多い点が挙げられます。
ウィーワークが提供しているコワーキングスペースやレンタルオフィスは他の家主から長期リースによって借りている物件を活用して提供しているのがほとんどとなっています。
そのため、現状のオフィス需要の低迷による稼働率の低迷は長期リースによるリース契約の支払い義務や解約費用負担を重くしている部分があると言えるでしょう。
また、ウィーワークは家主に対して長期リースで借りているのに対して顧客は月単位でオフィスを借りられ、顧客には便利な一方でウィワークにとっては収益の不安定性をもたらしている部分があります。
この点でウィーワークが長期リースにより借りている物件が多い点は懸念点だと思われます。
これらの点を鑑みるとウィーワークの将来性としては厳しい部分があると言えるでしょう。
ウィーワークの今後に対する期待度
以下はウィーワークの今後に対する期待度を示したものです。
ちなみに期待度は高い順に5から1となっています。
ご自身が思うウィーワークの今後に対する期待度にぜひ投票してみてください。
財務状況
以下はウィーワークの財務状況などを示したものです。
営業利益
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上記はウィーワークの営業利益を示したものです。
営業利益は基本的に企業が本業で得た利益を示したものです。
ウィーワークの場合、マイナスは縮小傾向にあることが見て取れます。
EPS

上記はウィーワークのEPSを示したものです。
EPSは基本的に右肩上がりとなっているかが主な指標とされるものです。
ウィーワークの場合、マイナスが拡大していることが見て取れます。
営業利益率
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上記はウィーワークの営業利益率を示したものです。
営業利益率は基本的に10%〜15%以上が優良な企業の水準とされるものです。
ウィーワークの場合、全体としてマイナスで推移していることが見て取れます。
自己資本比率
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上記はウィーワークの自己資本比率を示したものです。
自己資本比率は基本的に企業の安定性を示すもので30%以上がおおよその目安とされるものです。
ウィーワークの場合、全体としてマイナスで推移しています。
営業活動によるCF
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上記はウィーワークの営業活動によるCFを示したものです。
営業活動によるCFは基本的に企業の手元現金の推移を示したものです。
ウィーワークの場合、2022年では大きくマイナス幅は縮小しましたが依然としてマイナスで推移していることが見て取れます。
事業別収益
以下はウィーワークの事業別収益を示したものです。
収益(百万$) | 2022 | 2021 | 2020 |
メンバーシップ | 3183 | 2458 | 3128 |
マネジメントサービス | 18 | 9 | 5 |
その他 | 44 | 103 | 283 |
合計 | 3245 | 2570 | 3416 |
配当金
現時点でウィーワークは配当金を出していません。
現状、ウィーワークが配当金を出すのはまだ先となりそうです。
コメント・考察
ウィーワークはソフトバンクグループが出資していることでも有名な企業ですが、現状の事業状況は芳しくありません。
実際にオフィス需要の低迷などもあり、コスト削減や人員整理などを行い、経営改善を行っていましたが依然として赤字からは脱却できていない状況が続いています。
また、ウィワーク自体も事業継続能力に関してかなりの不安があるなどと述べるなどかなり厳しい状況に追い込まれているといっても過言ではないでしょう。
加えて株価も右肩下がりの状況が続いており、現状上場廃止のラインである1$を下回る状態が続いています。
現状、株価に関しては40対1の株式併合を行うことによって上場基準に関しては維持する方針を示していますが、根本的な事業の改善が見られない限り株価の右肩下がりが続くのは止まらないでしょうし、その場しのぎ感が否めません。
ウィーワークはどこで買える?
以下は米国株を取り扱っている主な日本の証券会社の中でウィーワークの取り扱い有無を示したものです。
証券会社 | 取扱有無 |
楽天 | 有 |
SBI | 有 |
マネックス | 有 |
DMM | 無 |
松井 | 有 |
PayPay | 無 |
大和 | 有 |
野村 | 無 |
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